172話 聖虹神剣エクスカリバー
コイツ……実力を隠すのが上手いな。
だからと言って、対処出来ないほど……技量が高いわけではない。
「その程度か、ジョーカー=デキウス……」
我は、圧を込めながらデキウスを煽る。
その圧に、恐怖したのか、驚愕したのかは判らないが───体勢を整えた。
そして……右手に持っているカードを使って、攻撃を仕掛けてくる。
我はそれを見逃さずに、武器を出す。
「そ、れは……! 何故、お前が……!?」
我が持つ武器を見て、デキウスが驚愕する。
それもそうだ。
この武器は───“正義神”アーサー=フォルセティの神器なのだから。
「───聖虹神剣。アーサー=フォルセティの武器にして、究極の奥義を秘める剣」
我がそう告げると、デキウスは目を瞑り深呼吸を始めた。
そして、目を見開き───覚悟を決めた、とでも言うが如くデキウスが我を見つめる。
それが意味することは───“神“との対峙。
完全に“敵”として、“神”を見据えたと言う事に他ならない。
ほぅ……我に立ち向かうか、面白い!!
この片手剣の奥義を使うには、少々時間が掛かる。
それ故───時間を稼ぎ、最高の一撃を解き放ち、この”世界“を崩壊させる。
デキウスが、我に向かって接近してくる。
繰り出されるは───トランプの連撃斬。
その連撃を剣技を駆使して、躱しながら受け流す。
最悪、逃れられないのであれば相殺させる。
この技量……凄まじい。
“神”の力が無ければ、負けていたな。
単純に、攻撃の速さだけで言うのであれば───[剣聖]の称号を持つネメシスと互角だな。
この世界は、狭いようで広く……広いようで狭いものだ。
デキウスが今までにない程の力を込めて放った一撃を、我は剣で防ぐ。
驚愕したのか、デキウスの動きが僅かだが止まった。
それを見逃さず───重心をずらしてデキウスの体勢を崩す。
その隙を突き、剣を動かすが───デキウスは片手に持っていたカードで我の攻撃を防ぐ。
はやく、終わせねば……!
ムネモシュネの輩下が───
「力の使い方が、なっていない」
その声が、脳内に到達した瞬間───デキウスの姿が消失していることに気づいた。
───は?
何処に、行った?
音もなく───いや、もしや……神速に至ったのか?
そうだとしても、デキウスがそこまで至っている可能性は───
「後ろですよ」
背後から、そう囁かれた。
直感で───攻撃が来るとわかった。
それ故、振り返りながら受け身を取る為に剣を持つ手に力を入れた瞬間───。
パキンッ───という軽やかな金属音が聞こえた。
その音が聞こえた方向に、視線を動かすと───その音を正体が判った。
あり、えないッ……!!
聖虹神剣の刀身を、断ち切るなど!!
どれ程までに、そのカードは強いのだ!?
「総ては───“遊戯神”たる私の思うがまま」
自慢するように、喜びを隠せない子供の様に───デキウスはそう告げた。
ただの子供が言えば『そうだね、凄いね』と褒められたかも知れない。
だが、目前に居るデキウスはそんな次元ではない。
そんな次元に、収まっていない。
子供の好奇心を持ち、聡明な頭脳を持つ───“遊戯の神人”。
ジョーカーの次元のヤバさ!!
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