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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
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170話 運命に翻弄される神


 “砲撃”。

 その正式名称は───“天滅神壊帝光芒バルドル・フリングホルニ”。

 それは……スキーズブラズニル内部に蓄えられている太陽光から得たエネルギーを、半分に成るまで圧縮しながら大砲へ流し移す。

 そして、圧縮した“太陽光”を神速に匹敵する速度にまで昇華させ、その莫大なエネルギーを一点に放出する。

 それこそが───アルブス様が至天帝神大皇艦(スキーズブラズニル)に搭載した神魔導科学技術(テクノロジー)

 やはり、エネルギーを大砲に移すのは時間が掛かるな。

 はぁ……面倒だ。


 「───何者だ。団長たるジョーカーと万物の創造者たるテオス様以外が入って来て良い場所、などでは……!?」 


 オレは、そう言いながら……椅子を回転させる。

 そして、視界に入ってきた侵入者は───


 ……な、何故!?

 何故、このような存在(もの)が此処に居るのだ!?

 あまりにも場違いだぞ!! 

 “運命神(モイラ)”ロキ=フォルトゥーナ!!!


 背後にある扉の前に悠然と立つ人物こそ───悪名高き、運命を司る神。


 ……いや、常に運命に翻弄され、操られている哀れな存在。

 実に不愉快だな、何故……抵抗しない?

 “運命”に抗わないんだ?

 オレには、解らない……コイツの気持ちが。

 ラプラスになら、ロキの気持ちが解るのかもしれないが……他人に自分の感情がバレるなど嫌なことだ。

 絶対に許してはならない。

 他者の記憶を追体験し、感情を喰らう大悪魔(デーモン)───ラプラス=アフロディーテを。


 意識が、ロキからラプラスに移っている事に気づき、その考えを振り払う。


 「なに、俺はテオスの様子を見に来ただけだ。流石にここの所、干渉し過ぎているが……仕方ない。世界神(アイツ)もそろそろ勘づき始めている頃だ。世界神(アイツ)の盤上から強制的に退場させられる前に、叛逆の意思をテオスに継がせなければ───」


 「アイツ……? いや、その様なことよりも……何故、貴方が此処に!?」


 ロキは呆れたように溜息を吐き、告げる。


 「だからさっきも言っただろう……む? この気配は、誰の魔力だ?」


 ロキが呟くと同時に、その魔力の波長を感じ取る。


 この魔力の波長は……団長の?

 いや、だとしても───魔力を解放している?

 敵襲か?

 このタイミングで?

 まさか……ッ!! 

 ロキが連れてきたのか!?

 その可能性がある以上、確認してみるとするか。


 オレはスキーズブラズニルの中に居る、全員の現在位置を割り出す。

 すると……テオス様と団長の位置だけが表示されなかった。

 

 「───先程、テオス様の様子を見に来たといったな。だが、本当は……テオス様の精神を支配しに行ったのではないか?」


 オレはロキにそう問い掛ける。

 少しだけ圧をかけて。

 すると、ロキはオレの意見を一笑に付す。

 

 「何故、俺がそのようなまどろっこしい真似をしなければならない。それに───何故、相手が……テオスなのだ。俺はテオス本人に害を与えようとした事は一度もない。俺が精神を支配するのは……緊急事態の際だけだ。そう簡単に、人間の精神を支配して何が楽しい? まぁ……そこら辺は、ラプラス=アフロディーテにでも訊いてみろ」


 何を言っているんだ、コイツは?

 タンタロスやデセオ……アーダ・アルベリヒの3名を操っていない、と言う事か?

 いや、もしそうだったとしても……フギン様の精神を支配し、ネロ様の娘たる───フィリアを襲ったのは事実。

 ならば……とぼける必要はない筈だが、ロキは本気で言っているのか?

 タンタロス、デセオ、アーダ、アマルティア、フギン様、フィリア。

 この6人に自ら害を加えた訳では無い、と───。



ロキの発言の真偽は───!?

最後まで読んで頂き有難う御座います!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 運命に縛られた方が面白いこともあるものさ……ってロキ様なら言いそう。 害を与えてないっていうか、掻き回してやったら己の背負ったサガで自滅した奴ならいるね。 それを『害』と認定するかはまた…
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