165話 秘密の地下室
「私は何をすれば良いのですか、アルヴィス?」
私は薄水色の髪を持つ少年に問い掛ける。
「確率を操作して貰えれば良い」
アルヴィスは、こちらを見ずに───ガラス窓から周りの景色を眺めながら、そう言う。
そう言う事ですか。
地下室に行け、と言っているのですね。
私はこの世界の真理すべてを知っている訳では何と言うのに……。
その瞬間、浮遊する機械仕掛けの椅子が回転する。
そして、私と向き合い───アルヴィスは声を発する。
「出来るだろう? 遊戯と言う“戦争の種”を司り、自由を愛する神人よ」
心を覗き込むかの様に、私の瞳をじっと見つめながら首を傾げる。
あくまで真実は言わずに私を“駒”にするという事ですか。
まぁ、良い。
私にとっての“駒”とは───この世界に存在する“神”以外の全ての物なのだから。
最終的に、全ての立場は逆転するのですから。
それを可能にするのが、【戦戯之女神】の権能たる───【定義反転】という力。
このスキルは……確率すらも改変し、全てを根本から覆えす能力を持つ。
「何とか言ったらどうだ? デキウス」
「えぇ、分かりました。では……何をすれば良いのですか?」
「ははっ! 簡単な事だ。団長は地下に赴き、この船の機構の許容範囲を解放してくれるだけで良い!! そうすれば、ワレが“砲撃”を放つ準備を整え───放つ!!」
アルヴィスは大声で、自信満々にそう言った。
───胸を張って。
はぁ……。
仕方ありませんね。
面倒ですが、今回は従うとしましょう。
それに……この船の仕組みを垣間見ることが出来る、と考えると役得とも言える。
では───行くとしましょうか。
「じゃあ、行ってきますね」
「あぁ、宜しく頼む。オレが許可を出したら解放してくれ」
「分かりました。では、また」
私はそう言って、操縦室を後にした。
* * *
スキーズブラズニル内部の地下室にて───。
「…………」
地下室に広がる景色を見て、言葉を失う。
その景色とは───機械。
円形状のガラスケースに無数の金属管が接続されており、その周囲にはポンプやギアなどもある。
それらは複雑に、そして正確に一定のリズムで動いている。
まるで生物のよう。
いいや、動物の鼓動……とでも言った方が良いような感じがする。
私は、その考えをすぐに放棄する。
何故なら───絶対にこの音は生物の鼓動などではないから。
その理由として、地下室全域が銀色に染まっている。
これ程の銀、それにこの量……。
作り上げるまでにどれ程の時間を───いや、アルブス様が作られたのだから……素材も全てアルブス様が用意した、と考えるべき?
だとしても……これらの物質を全て魔力で造った?
格の違いをはっきりと感じてしまいますね……。
私は、ふと目を円形状のガラスケースに目を向けた。
そこには───金色の光が凝縮しているかの様に集められていた。
『団長、準備はいいか?』
私がその光に気づくと同時に、アルヴィスから念話が届く。
私はアルヴィスに「はい」と短く返す。
『そうか。では……エネルギーを解放してくれ』
アルヴィスから起動の許可が出た。
その合図と同時に、私はその機械を起動する。
その機械は───アルブス様が有する知識を全て注ぎ込んで、造り上げられた最高傑作。
あらゆる事を全自動で行う装置だが、有事の際には───誰かがこの地下室に来なければならない、という欠点が存在している。
戦艦の欠点───
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