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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
164/240

164話 大海の調停者


 凶悪な海獣の代表格がなぜ此処に!?

 いや、今はそんな事を考えている暇はない!!

 海中から出てきたという事は、私たちが乗っているこの船を“敵”として認識したと謂う事。


 カリュブディスがゆっくりと口を開く。

 その瞬間、鋭く長い歯が見える。

 だが、それに目を奪われてはいけない。

 ───あれは、【水撃砲】!?


 徐々にその口内に水が現れる。

 それは肥大化していく。


 やばい……!

 でも、どうすれば良い!?

 あれは───空気中の水素を集め、圧縮して放つスキル。

 という事は、空気中の水素を消滅させれば良いのですが……被害が甚大過ぎる。


 『……動くな。遊戯神(アレス)よ』


 脳内に声が響く。


 この声は───!?

 聞き覚えが……

 

 浮いているカリュブディスの真下の海面が黒く染まる。

 これは……違う!

 海面が黒く染まっているんじゃない!

 これは、魚影だ!

 何者かが───近づいてきている!!

 あの声と関係があるに違いないッ!


 そして、ソレは現れる。

 ソレは───魚などではなく、巨大な海獣。

 クリールの次にこの大海を知っている程の……知識の持ち主。


 「ケートス!?」


 突如として、海面から現れた存在は───“大海の調停者”の異名を持つ存在(もの)であり、アルヴィスの輩下。

 何故、大海帝鯨(ケートス)───いえ、ケトーは此処へ来たのでしょう?


 『我が王の───ましてや、偉大なる御方が乗られている船を破壊しようとした罪。万死に値する』


 海面から飛び出た巨大な鯨は……大きく口を開きながら、私に告げる。

 ゆっくりと、でも着実に───その巨体は空中で回転する。

 そして、バクンとカリュブディスが口の中に入る。


 あぁ……カリュブディス。

 今、命運は尽きた。

 ケトーの口はある種の異次元空間に成っている。

 だから、口に入るもの全てを捕食する事ができる。

 

 『我はまた深海へ戻る。我が王よ───氷塊(スカジ)で“砲撃”を使うと宜しいかと』


 その言葉が脳内に響いた後───ケトーが着水した。


 ケトーの綺麗な軌道と、仕草によってそれは芸術とも呼べるものへと昇華していた。

 だからこそ、忘れていた。

 巨体という事が───どれ程、甚大な被害を齎すのかを。

 

 水飛沫が上空に舞い上がる。

 そして、その水飛沫は重力に従って落下する。

 船を穿つのでは?と思える様な速度で……豪雨の様に降る。

 

 はぁ……せめて、こちらの被害を考えてから出てきて欲しかった。

 何故、知恵者ほど……感情で動く者が多いのだろうか?

 知恵者の残念な共通点とでも言えば良いのですかね。

 いや───考えることが出来るからこその結論?

 普段、脳を使い過ぎているから?

 どれも違う気がする……。


 『団長! 今すぐ操縦室に戻って来てくれ! “砲撃”を放つ準備をしたい!!』


 私の熟考する脳に、アルヴィスの念話が届いた。



“砲撃”とは、一体───!?

最後まで読んで頂き有難う御座います!


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― 新着の感想 ―
[良い点] わ~鯨さんに助けられたぁ~。 カリュブディスは別の何物かに命令されて戦艦を襲った感じですかね。黒幕候補がいすぎて特定に困っちゃう。 知恵者程感情で動くの、確かに何故なんだろう。実力が伴っ…
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