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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
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160話 氷塊


 「なら、教えて貰っても───」


 ネクロ様がウィリデ様に問う。

 ウィリデ様は、ネクロ様の発言を全て訊く事なく、発言する。


 「駄目。優先するべきは……カルラ。カルラの救出が終わってから、ロキの正体について話す」

 

 ウィリデ様の発言に、ネクロ様は渋々、「分かりました」と言って頷く。

 

 そうですね。

 私達も気持ちを切り替えなくては……!


 「───では、私達も“任務”を遂行しますか」


 ジャックは「……うん、わかった」と。

 ラプラスが「了解致しました。団長」と。

 アルセーヌが「承知しました。団長殿」と。


 「では、テオス様を寝かせたまま行くとしましょうか。海淵神殿に」


 全員の意見が一致した瞬間に、ネクロ様がそう告げる。


 「わかったの~」


 ウィリデ様がネクロ様の意見に同意し、ゆっくりと頷く。

 そして、リル様は───


 「わかったのですっ!」


 そう言って飛び跳ねている。

 そして、ブンブンと尻尾を振っている。

 

 たぶんですが……。

 アレは、無意識なのでしょうね。


 私がそんな事を考えていると、ネクロ様が無言で頷いた。


 「では、準備は整っているようですし……出発しましょうか」


 ネクロ様の発言に続いて、全員が頷く。

 そして、ネクロ様は……リル様がテオス様を担いだのを確認したのか、魔法を発動させる。


 魔力を温存しなくても良いのでしょうか?

 ……流石に、もう強いモンスターは出てきませんよね?

 あれ?

 そう言えば、先程去って行ったロキ様が……アマルティアが何とか、と仰られていた様な?

 私の訊き間違いだったのでしょうか?

 その可能性が1番、高そうですね。

 ネクロ様もウィリデ様もリル様も、誰1人としてそのような事など言っておられませんでしたし。

 【念話】もしくは、『思想通信(アモル)』で話していたという可能性も、なくはないのでしょうが……。


 そう考えていると、視界が純白へと遷り変わり、浮遊感を感じた。



 *   *   *


 

 視界に映るは───海。

 天空と海面が同化したと思える程に、地平線の果てまで続く蒼い景色。

 その理由は……海面が鏡の様に透明で、一帯に島が存在していないから。


 「壮観ですね……」


 「……ん、その通り」


 ラプラスの呟きに、珍しくジャックが同意する。

 

 ジャックが口下手なのは……彼女の過去にある。

 彼女は───スキルの発現と共に家族を失った。

 実際には、発現などでは無く……暴走だった。

 家族の壮絶な仕打ちに対し、スキルが───いや、ジャックが心が悲鳴を上げたのだ。

 それは……ジャックからすれば、自らの意図しない結果だった。

 そもそも、ジャックは……その時の“家庭”を幸せだと感じていた。

 それを誰でもない……自分自身の手で壊したのだから、自暴自棄にもなるだろう。

 そして、そんなジャックを救ったのが、アーテル様───……


 「ジョーカー? どうかしましたか?」


 「あっ! いえ! 何でもありません!!」


 ネクロ様に急に声を掛けられ、驚いた。

 その所為で、慌てたように返事をしてしまう。

 それを見て、ネクロ様は……


 「そうですか。それは良かった」


 その声は、とても安心感がある声。

 脳が、そう認識した瞬間───何者かの声が聞こえた。


 『貴方達は……何者?』


 それは……よく透き通る声。

 でも、少しだけ幼く感じた。


 「この声は……」


 ネクロ様が何かを呟くと同時に……海面が揺れ動く。

 風も吹いていないのに、だ。


 『私の名前はクリール。人々は、私の事を───海神(エーギル)と呼ぶの』


 その声と同時に海面から巨大な烏賊と、2本の触手が出てきた。


 え……烏賊?

 それも、巨大な!?


 私が困惑していた、その時だった。

 何処からか、以前……テオス様が弾かれていた『悲愴』という曲が聞こえてきたのは。

 そうを感じると同時に、私達全員は───氷の大地に立っていた。


 な……!

 何でこのような場所に!?

 それに……クーリルも消えている!

 いつの間に此処へ───……


 『(わたくし)はもう───限界が近い。だから、この言葉を残すわ。オケアノスを塞ぐ氷を壊しなさい』


 それは、クリールと似て非なる声。

 その声は、最初こそ悲しそうな声ではあったが、後に何かの決意をした女性の声だった───



海と氷は切っても切り離せない物───

最後まで読んで頂き有難う御座います!


【報告】

12/19(月)~3/10(金)までの長期間、休載します。

次の話が出るまでの数か月、気長に待って頂けると幸いです!


「面白い」 「次の話が気になる」と思って頂けましたら、下の☆☆☆☆☆から応援宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 口調が特徴的なキャラって、大抵は本来の性格を隠す為の演技であることが多いですけど、ウィリデ様も例外ではありませんでしたね。 やっとこさ海ーーー!!! からの氷ーーー!!! 氷を壊しなさい…
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