158話 集結
───それは、転移独自の浮遊感。
ネクロ様が魔法を使った瞬間、音が消えた。
そして、瞬く間にこの浮遊感に襲われた。
気が付くと周りは純白の空間。
そこには、ネクロ様とスフィンクスを除く全員が居た。
な……!
此処は、転移する際に通る異空間!!
ネクロ様が私達を転移させた?
いや、誰かに転移させられた、という可能性も───
ガクンという衝撃が私達を襲う。
それと同時に純白の空間が色褪せ、景色が映る。
その景色は───
「ジョーカーなのです?」
視界が鮮明になり、映ったのはリル様。
「は、はいっ!」
私は、緊張しつつも、リル様に返事をする。
「当たっていたのですっ! ───で、お兄は?」
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になる。
お兄……?
テオス様の事でしょうか?
もしそうだとしたら、この場には居ない、という事?
「リル。少し待つの~」
リル様にそう言うのはウィリデ様。
ウィリデ様は眠そうに雲のクッションに乗り、リル様を宥める。
「わかったのです! その代わり、早くするのです!」
その声が全員の耳に届いた瞬間、空間が歪む。
正確には───捻じ曲げられて、繋がる。
「おや……全員揃っている様で───テオス様は?」
転移してきたネクロ様はすぐに異変に気づき、私達に問う。
「急に倒れて、消えてしまったのです!! もしもの事があったら……私は、この世界を喰らうが、良いな?」
その声には、怒りが込められている。
それと同時に、本当に破壊してしまう、と感じる程の殺気を感じる。
正直に言うと、怖い。
今すぐにでも……此処から逃げ出したい。
でも、そんな事をしたら───間違いなく、アーテル様に殺される。
心に“真の恐怖”を刻み込まれて滅される。
「させるとでも? 番犬?」
ネクロ様は恐れもせず、リル様に言う。
ウィリデ様も、ネクロ様の発言に頷きながら言う。
「そうなのぉ~ 神ではない者が……世界を壊そうとしたら、直ぐにセーレが飛んでくるのぉ~ アイツは面倒なくらい強いのぉ~」
ゆっくりとした口調でリル様に言う。
その言葉を聞いて、リル様は黙り込む。
「わ、わかった……。だが、早くテオス様を、お兄を───」
「そう騒ぐな、ディアーナ。テオスは、連れて来てやったのだから……」
突如として聞こえた声の正体は───……
「何故……? 貴方様が───」
そう言葉を溢すのは、ウィリデ様。
全員が円の様にして集まっていた中心に出現した存在。
その正体は───“運命神”ロキ=フォルトゥーナ。
運命を自在に操る最古の人間が……今、姿を現した。
顕現せし最古の人間───
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