155話 希望と絶望───
アマルティアは不敵に嗤う。
「おい……貴様、何を考えている?」
俺は、何か嫌な予感がした。
だから、訊いた。
「ふふふ……何も考えてないわよ」
そう言って、アマルティアは微笑をこぼす。
さて……どうするか。
いや、悩む必要もないな。
「【因果応───」
「遅いわね! 魔力解放───同調接続ッ!!」
アマルティアが解き放つのは魔力。
その魔力が持つ力は文字通り接続。
敵と自分の“脳”を繋ぎ合わせ、他者の記憶を視る能力。
そう……!
「俺は、それを待っていた……」
思わず口に出してしまう。
仕方ない。
ここは気力で乗り切るとしよう。
「な、何を……言って…………」
「俺の魔力は……純粋だ」
「それが? それが、何でっ───」
アマルティアの声が途切れる。
その原因は───俺の魔力。
俺の魔力は……混沌そのもの。
純粋なる悪───それは、あらゆる物へと影響を与える。
それ故、俺は待っていた。
「これは───始まりに過ぎない。精々、踠き苦しむと良い」
俺がそう告げると、アマルティアが吐血する。
よし、効いたな。
記憶や神経の共有にはこういう欠点がある。
まぁ、良いか。
……此処から逃げきれたとして、待っているのはより深い絶望なのだから。
そうだな、見逃してやるか。
コイツが幾ら足掻こうとも、テオスには勝てないのだから。
俺も、敵に対して……甘くなったな。
アマルティアは薄れゆく景色を見ながら思う。
何故、ロキを敵に回したのかと。
(面倒な相手、とは思っていたけれど……予想以上だったわね。これからは、もう───……)
そろそろ限界か……。
ならば、慈悲を与えるまで。
運が良ければ……輝く希望とより深い絶望と共に、逃げ切れるだろう。
俺はそう考え、指を鳴らす。
その音は……アマルティアの意識を刈り取った。
* * *
テオスの城の地下に位置する宝物殿にて───
「ふんふふんふふ〜ん♪」
軽快に鼻歌を鳴らす人物が1人。
その人物はこの世界に存在する“宝物”を管理する者。
そして、この世界に最初に生まれた……人間の思想の根幹であり、厄災の根源でもある。
「あはははははは!」
両手を広げ、ダンスをする様に回り出す。
彼女は……うっとりと蕩ける様な顔で歓喜する。
また1つ、絶望が生まれ落ちた事に。
「今度は誰かなぁ~? おっ! 裏切り者のアレテ───……おっと、間違えた。アマルティアじゃん!! あはっ、どんな顔で泣くのかなぁ~? 楽しみだなぁ~」
その少女は、青紫色の2つに結われた髪を揺らしながら嗤う。
赤紫色の宝石は───より一層、輝きを増す。
その少女こそ、厄災を司る者……エルピス。
厄災の根源たる少女───
最後まで読んで頂き有難う御座います!
「面白い」 「次の話が気になる」と思って頂けましたら、下の☆☆☆☆☆から応援宜しくお願いします!
感想やいいね、ブクマ登録などして頂けると嬉しいです!




