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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
152/240

152話 認識


 視界に映るのは金髪翠眼の美女。

 

 だ、誰だ!?

 

 「ふふふ、可愛いのね」


 揶揄う様に微笑みながらそう言った。

 だが、次の瞬間───


 「……でも、私は貴方の事が嫌い」


 翠色に輝いていた宝石から光が消える。


 「え……?」


 俺は声を漏らす。

 その瞳には光が存在していない。


 「まぁ、いいわ。でも……1つだけ質問させて。貴方は一体、何者なの?」


 すぐに瞳に光が戻る。


 ナ、ナニモノ……?

 ───そんなの、決まってる。

 俺は俺。

 他の何者でもない。

 だから、俺が今ここで言う言葉はたった1つ。

 

 「俺は……人間(・・)だ」


 俺がそう言うと、その女性は少し目を見開いた。

 そして、手で口元を隠す。

 この動作……知っている。

 笑みを隠す為にやるものだ。

 この感じ……ロキか?

 ───いや、違うな。

 ロキはもっと歪な感じがする。

 だからこそ……この女性が何者かが気になる。


 「違うのよ。貴方の頭は……いや、違うわね。貴方の記憶は───何故、14歳から始まっているの!?」


 な、何を……言っているんだ!?

 流石に、此処に来てから、1年は経過したけど……。

 そんなに物忘れ酷くないぞ!


 俺は自らの記憶を手繰る。

 そして、今───記憶は蘇る。

 蘇るは過去の……異世界の記憶。


 ───弟や妹達と一緒に遊んだ記憶。

 ───妹達の為に料理を教えた記憶。

 ───成功したり失敗したりした記憶。

 ───家族全員で大笑いした記憶。

 ───何かが原因で、弟や妹達と一緒に泣き喚いた記憶。

 

 徐々に“それ”は形作られていく。

 それは、点と点が繋がるように……形を成していく。

 

 ───男子だけでふざけて笑い合った記憶。

 ───女子と仲良くお話しした記憶。

 ───友達と大喧嘩した記憶。

 ───ちゃんと謝って仲直りした記憶。


 だが、1つだけ思い出せない物がある。

 それは───家族やクラスメイトの名前と顔。

 俺は頭を抱え、思案する。


 な、何で!?

 何で、何で、何で、何で、何で!!

 何で思い出せない!!

 あんなに楽しかったのに!!

 

 あの世界の幸福な記憶は───今、失われた。

 いや、失っていた事に“今”気づいた。

 

 ふざけるな。

 ふざけるなよ。

 お前か。

 お前が、やったのか。

 お前が俺の記憶を、奪ったのか。

 絶対に赦さない。

 今ここで、お前を───


 「おい、そんな事で怒るな。また【狂乱暴走(スタンピード)】と【意識反転】が発動するぞ」


 重々しい男の声が聞こえた。

 だが、何度か聞いたことのある……とても優しい人間の声だ、と思った。

 俺は顔を上げて、その人物を見た。



神の怒りを宥めし者───

最後まで読んで頂き有難う御座います!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 何だこの女!!! 何故って問いかけている所を見ると、記憶を奪ったのは彼女ではなさそうだが…… 神に干渉できるとなると、本当に凄まじい力を有しているのだろう。
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