150話 死を告げる者
一先ず、名乗っておくとしましょうか。
今ある疑問は、後で解決出来ればそれで良い。
「私は……“久遠皇帝”ヴェルデ・ピスティ───いえ、“死滅神”ネクロ=タナトス」
『……ッ! 貴様、そうか……貴様だったのか。我が滅ぼすべき敵は───……ッ!!?』
ウガルルムが少しだけ笑みを浮べた瞬間、パンッ───という音が響く。
アルセーヌがウガルルムの顔目掛けて攻撃した。
全部任せろ、という意味でウィリデに言ったつもりだったが……いや、それを理解した上での“策”か。
ふ、ふふ……ならば───早く原因を突き止めるとしよう!
「ネクロ様! お下がり下さい!!」
ウィリデに乗っているジョーカーがそう大声言ってくる。
だが、私はそれを無視する。
私は……実に愚かだ。
だがな、それと同じくらい我儘───いや、強欲だ。
「1つ、教えてあげよう。“死”とは───“滅び”とは……お前が思っている程、優しくはない」
『……そうか。ならば、教えて貰うとしよう! 貴様も、あの鳥に乗っている者達も、悉くを滅ぼした後でな!!』
そう言って、目の前に居る獅子が吠える。
ウガルルム……まさか、理性がないのか?
いや、それよりも……ウィリデの事を“鳥”って言ったな。
ウガルルムは、ウィリデの逆鱗に触れた。
そもそも、何故……ウガルルムは“鳥”などと言った?
普段なら───ん?
この感じ、前にも経験したことがあるような───……いや、気の所為だな。
そう考えていると、ウィリデが地上に降りてきた。
刹那、【人化】のスキルを使用して、人の姿と成った。
そして、ウガルルムへ向けて右手を伸ばす。
『───死ね』
その右手の人差し指から雷が出る。
それは白雷。
いや……【星嵐之女神】の権能である【稲光】。
そして、その権能の役割は1つ───雷を生み出す事。
その雷にもランクがあり……白雷は、上から2番目に位置している。
完全に滅ぶな。
だが……彼女は───ッ!!
「ウィリデ! 手加減しろッ!!」
白雷の力を知った上で、私は大声でウィリデに言う。
「───わかった〜!」
その声は、怒りから解放された証だった。
そして、その声と同時にウィリデは微笑む。
「……消えて」
ウィリデが右手を払うと、白雷が消失する。
『き、貴様ァ!』
ウガルルムが叫ぶ。
死を望んでいる?
私達を殺す、と言っていたのに?
いや、それよりも……先に、天秤で計るとしよう。
「ウガルルム……お前に何があったのかは、私達には知る由もない。だがな、“死”とは……残忍で残酷で、それと同等の苦痛を孕むものだ! 安楽死など……決して存在しない! これは、私なりの“死”を軽んじる者達への罰だ!! お前が、本気で───自らの掌を血で染めようとするのなら、私は……死獄界の王として、お前に永遠の“生”と“苦痛”を与える!! その“覚悟”があるのなら、掛かってくるが良い!!!」
私は怒りながらウガルルムにそう告げる。
それと同時に死の気配である───“死気”を放出する。
この“死気”は……“瘴気”とも呼ばれる物。
あらゆるものに侵入し、体内から侵す超常の力。
そして、ウガルルムはこの瘴気に対して他の者達より敏感なのだ。
これは……そうか。
スキルを使用して判った。
ウガルルムは───操られている。
それも……相当、厄介な者に。
ウガルルムを操りし者───
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