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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
148/240

148話 呻き声───


 錯綜神森(レーラズ)の上空にて───


 ゆっくりと過ぎ去る景色に驚き、声が漏れる。


 「壮観ですね……」


 私の声にジャックが返事をする。


 「……団長の言う通り」


 ジャックの発言にラプラスとアルセーヌが頷く。


 「えぇ。ですが……これは不敬なのでは、と思えてきます」


 アーテル様と同格であるウィリデ様に乗っているのは如何なものか───という意味を含ませて、ラプラスが言う。

 それに対して、アルセーヌは……


 「別に良いでしょう。アーテル様の親友であるネクロ様と一緒にウィー様に乗っているのですから」


 今更、気にする事でもないだろう───とでも言っている様に聞こえる。

 いや……そういう意味を含ませてアルセーヌは言っているとは思うのですが……はぁ、いい加減アルセーヌの───他者を見下す態度を改めて貰いたいものです。

 今はそんな事、どうでも良いですね。

 

 「アルセーヌ、やめなさい」


 「はっ! 申し訳ありません、団長」


 アルセーヌはそう言って、頭を下げる。


 これは、彼なりに謝っている。

 でも、普段の態度の所為で、信用されてない可能性がある。

 ですが、基本的にジャックは無関心。

 問題はラプラスですが……別に問題ないでしょう。

 ラプラスには、心の声など意味をなさないのですから……。


 「謝るのは、私ではありません。ウィリ───ウィー様ですよ」


 『ジョーカーがまたウィリデって呼ぼうとしたの~』


 「そ、それは、申し訳ありません……」


 『なら良いの~ アルセーヌはもっと、自制するべきなの~ 言っていい時と悪い時があるの~ それは一番、セーレが知っていると思うから、今度訊いてみる事をおすすめするの~』


 「は、はい。今度、訊いてみます……」


 ウィリデ様にアドバイスされ、委縮している。

 

 はぁ、委縮するなら最初からやらなければ───ッ!!

 この力は一体……!?


 私は強大な力の気配を感じ、辺りを見回す。

 私達が話している間に、砂漠へ来ていた。


 「まさか……ッ! 先程の強大な力は……」


 『そう、フーラのもの~ また、暴走したワーム達と戦ってる~』


 いや、違う。

 あの力の波動は……何か別の───



 刹那、天が漆黒に染まる。


 『な、何なの~!?』


 ウィリデ様の声に全員が反応し、皆が身構える。


 『グルルルル……』


 動物の───それも、獰猛な獣の呻き声が聴こえた。

 

 「ッ!? 団長! 今の声は……!!」


 ラプラスが私に訊いてくる。


 ……と云う事は、皆にも聴こえていた?

 その場合だと、魔力の波長を変化させながら超広範囲に広げた?

 でも、そんな高度な……


 「今の声は、念話によるもの!? 一体、何が……」


 アルセーヌが大声を上げる。


 一旦、置いて措きましょう。

 今するべき事は周囲の安全確認!


 「ベータ、ガンマ、デルタ!! 周囲を警戒!! ネクロ様は───」


 そう言いながら、振り向くと……ネクロ様は本のページを急いで捲っていた。

 

 ネクロ様!?

 って、その書は───いや、それよりも!

 何故、今そのような物を!?


 「……少しだけ待って頂きたい。あと少し、あと少しで……! やはり、お前だったか。だが……何故、礫地域(セテカー)から砂地域(ステク)に?」


 正体が分かった、という意味を含んだその発言の後、独り言のように呟き始める。


 先程の呻き声、それに……ネクロ様が口にした礫地域(セテカー)という言葉───あ。

 まさかッ……!!

 でも、そう仮定すると全てが繋がる……!


 「今の呻き声の主は……冥界神(フラーウス)によって保護され、礫地域(セテカ―)の守護を任されている───スフィンクスのものです」



スフィンクスの呻き声───

最後まで読んで頂き有難う御座います!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 砂漠といったらスフィンクス! でも何で元の砂漠を離れて、森の守護任されてるんでしょうか。 環境変化でステータス下がりませんかね。 守護者が呻いているってことは、誰かに襲われているってこと…
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