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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
145/240

145話 旅行


 「おぉー!」


 俺は過ぎ去っていく景色に驚きを隠せず、声を漏らす。

 漆黒の巨体が森林の中を駆け巡る。

 

 やっぱり、自然の風は気持ちいいね。

 でも───


 「……早すぎない?」


 思わず声に出る。

 だが、それは風の音によって掻き消される。

 その理由は明白。

 リルがリラックスして走っているからだ。

 あの世界の常識で例えるなら、新幹線くらいじゃないかな。

 まぁ、俺の目がおかしくなってなければの話だけど。 


 「? 何か言ったのです?」


 「ううん、何も言ってないよ」


 リルの疑問に俺はそう返事する。

 

 危ない危ない、訊かれてなくて良かった……。

 これからは、もっと発言に気をつけなきゃな。

 リル……もしかして、めちゃくちゃ耳が良いのかな?

 良さそうだよね。

 今……狼に変身してるし。


 「主! 主! 帝国を通って最短で行くか、少し迂回して砂漠を通って行くか、どっちにするです?」


 う~ん……どうしようかな?

 ん? 

 帝国を通って?

 もしかして、帝国を飛び越えるとかじゃないよな?


 「帝国って言ったら、帝国のある場所を全力で飛び越えたりしないよね?」


 俺の発言に、リルは“当然の事”とでも言う様に告げた。


 「え? 飛び越えちゃ駄目なのです?」


 「よし、分かった。砂漠を通って行こう。出来る限り、最速で」


 ネクロ達より早く着いて、周りにある店で食材調達でもしとこうかな。

 たぶん、すぐに海淵神殿って言う所に行く事になりそうだし。

 アーテルやネクロの様子から、そんな感じがした。

 

 「分かったのです! 最短で砂漠地帯(セト)を抜けるのです!」


 セト……?

 何処だ、そこ?

 砂漠って言ってたから、そこの地名かな?

 それにしても、砂漠……砂漠かぁ……。

 あの世界では縁が無かったなぁ。

 それに、砂漠と言ったら蠍が居るイメージだよね!

 あとはサボテンとかオアシスとか。


 ───この後、俺は後悔する事となる。

 何故、「最速で」などと口走ったのかを。



 *   *   *



 テオスの家にて───


 「まだ……?」


 私は眠りにつく少女に問う。

 少女の正体は……ウィー様。

 ウィー様は、テル様達が喋っている間に眠ってしまった。


 「う~ん……」


 ウィー様は、うめき声をあげる。

 

 「ベータ、早く行きましょう。眠っているウィリデ様は放置して……」


 アルセーヌのウィー様を下にみるような発言。

 それは許されない。

 ここは、私が───あ、団長が怒ってる。

 手出し厳禁……。

 

 アルセーヌの発言に、いち早く動いたのは───団長。


 「デルタ。それは……アーテル様の命令に逆らう、と言う事ですか?」


 団長が素早く取り出したトランプが、デルタの首に触れる。

 そして、そこから……紅い雫が滴り落ちる。


 「……取り敢えず、合格かなぁ~」


 緊迫した空間にそんな呑気なウィー様の声が響く───


 

ウィリデは、ジョーカー達を試していた!!

最後まで読んで頂き有難う御座います!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 砂漠と言ったら……オアシス! でもそんな雰囲気じゃない砂漠な気がしていましたが!? 蠍はいるだろうけど多分人を食うサイズ。 リルちゃんは懇切丁寧に説明してあげないと物事を理解しないタイプ…
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