142話 蚯蚓
砂漠地帯───通称、枯れ果てた大地。
そこは、3つの地域から成っている。
1つ、岩石地域。
2つ、礫地域。
3つ、砂地域。
そして、それらが交わる中心に座す塔こそ……この地を統べる王の居城。
その居城の名は───砂漠帝塔。
「はぁ……思っていたより暑いですね。早く砂地域に着かねばならないと言うのに、未だに岩石地域に居るとは……全くもって情けない」
はぁ……はぁ……もっと時短出来たり───あ。
そういえば、ワームはキングの輩下だった筈。
その数が増え過ぎて他の地域に侵ってきているのが問題になっているから“あの王”が動いている……。
ならば、それを利用して……ワーム達の殲滅とキングの元へ案内して貰えば良いではないか!
よし、そうと決まれば……誘き寄せるまで!
魔力よ、今こそ理を歪めよ───……!!
ワタシは魔力を解放し、ワームの特性に関する理を歪めた。
ワームは振動に反応する、という理から……ワームは魔力があるものに対して反応する、という理に替えた。
これで、大量に集まってくるぞ……!
刹那、地震とも思える振動が辺り一帯を襲う。
その振動の元凶はやがて地表へと顔を出す。
「はは……これは、ワームなどではないな。何故、この様なヤツまで居るのだ?」
ワタシは驚き、そう言葉をこぼす。
理由は明白、ワタシの目の前に悠然と顔を出した存在こそ……地這蚯蚓の最上位種族───地這鋭牙巨蚯蚓。
まぁ、いい。
貴様を倒し、早くキングと話をつけて帰るとしよう!
ワタシがその考えに辿り着いた瞬間……
ワームがワタシを敵として見たのか、飛び掛かって来る。
「なッ……!」
ワタシは驚きながらも、側転して避ける。
そして、呼吸を整えながら考える。
自我がある……?
いや、その可能性は余りにも低い。
だが……その可能性に賭けるならば───
ボンッ───という爆音と共に紫色の閃光が辺りと包み込む。
その音と光は、ワタシを思考の海から現実へと戻した。
そして、次の瞬間───ワタシは、目を疑った。
その理由は……ジャイアント・デス・ワームの頭部が弾け飛んでいたから。
でも、よく周りを見てみると……赤黒い肉片や砂に紛れる為の厚い皮膚、鋭く太い牙などが四方八方に飛び散っていた。
「一体、誰が───」
「セーちゃん……勝手に私の支配地に踏み込んで、ワーム達の特性を変えるなんて愚かにも程があるよ〜?」
その声に驚き、顔を上げる。
すると、そこに居たのは───……
「フ、フラーウス様!?」
太陽の光が照りつける砂漠の上空に、冥界の女王たる人物が……ワタシに微笑んだ。
そして、彼女は……ジャイアント・デス・ワームと対峙した───
* * *
流穏海域の更に底……激流海域とも呼ばれる場所にて───
巨大な白い存在が座している。
その周りには虹色に輝く海月が漂っている。
『母様は、偉大なる神に助けを求めた……あとは皆を集めるだけ。でも、魔に堕ちた彼女はどうするのかな……?』
光も届かぬ海底に、大海の支配者の声が響き渡る───
大海の支配者(白い)───!!
最後まで読んで頂き有難う御座います!
砂漠で始まって海底で終わる。
良いですね〜
明日は、ヒュドラの正体(名前)がいよいよ判明します!!
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