135話 計画
「テオス様、少し宜しいでしょうか?」
皆が起きてくる前に、俺だけ朝食を済ませようと思い、ご飯を入れていると後ろから声が聞こえた。
俺はご飯を溢さないように、しっかりと持って振り返る。
そこに居たのは……
「アーテル? どうしたの?」
俺がそう訊くと、お辞儀をして言った。
「海に行きませんか?」
……。
海……?
「今から?」
「はい……出来れば」
アーテルは答えにくそうに言った。
今からか……。
そういえば、俺もよく分からない夢を見たんだよな。
ご飯を食べ終わってから詳しい話は訊くとするか。
「ごめん、先にご飯食べてからで良い?」
「はい!」
「あ、アーテルもお腹すいてるでしょ?」
「そうですね。では、少しだけ頂きます」
「そっか。じゃあ、入れるよ。卵焼き、どのくらい食べる?」
「2切れで良いですよ」
「わかった」
俺はアーテルにそう言って、器に料理を盛る。
一応、味見はしたから大丈夫だとは思うけど、心配だなぁ。
「卵焼きは自分で味付けしてね」
「はい。お気遣い感謝します」
「俺はそんなんじゃないよ。本当に、本当に……俺は自己中心的な人間なんだから───……」
「それは違います! テオス様はいつでも俺達の事を気遣って……」
「はい、どうぞ」
俺はアーテルの発言を遮り、少し声を大きくして言った。
それと同時に、ご飯と味噌汁、卵焼きを机へと置く。
俺の朝食は『浮遊』を使って浮かせている。
じゃあ、俺はアーテルの正面で良いかな。
俺はアーテルとほぼ同じタイミングで椅子に座る。
それに驚いて俺はアーテルを見た。
すると、アーテルも俺を見ていた。
もしかして、今……俺とアーテルは同じ気持ちを抱いてるかもな。
そんな事を考えるより、早めに食べてアーテルの話を訊くか。
てか、アーテル……発言の乱暴さがある割には基本的なマナーとか動作は洗練されてるんだよな……。
服装も相まって、黙っていれば何処ぞの貴族に見えなくもない。
まぁ、俺はそんな人とは会った事ない……って、確かネクロは王様だったな。
俺があの国を統治出来ないから、代わりにやってもらっている。
ネクロには、しっかりお礼しないといけないな。
「なぁ、アーテル。時短の為に食べながら話すんだけど……今日の朝、変な夢を見たんだが、原因ってわかる?」
「そう言うのはモルに───って、夢ですか!?」
「あぁ」
「どんな夢でしたか!?」
な、何か急に食い気味になったな……。
まぁ、俺としてもその方が話し易いから良いんだけど。
「ちょっと、説明しにくいんだけど……俺が海面に立ってて、そこで青髪の女性───いや、少女に会ったんだけど……」
そう言うと、アーテルは黙る。
(これは……深刻な状況ですね。カルラ……一体、貴方の身に何が起きていると言うのですか? ここで考えても答えが出ないのは、明らか……)
「わかりました。その謎を解決する為にも、海に───いえ、ネーレウスへ」
「ネーレウス? 何それ?」
「海獣や魔物がいない水域───それこそが流穏海域。自然の海洋生物しか存在しない海の事です。最も、もっと深くへ行けば凶悪な魔物や海獣は出てくるのですが、海岸付近までは来ないのでそう呼ばれています」
「へぇ……じゃあ、旅行って事か」
「まぁ、そうとも言えますね」
旅行か……良いね!
それに海か、色々な食材がありそうだな。
自然の海洋生物、一体……どんな感じなんだろう?
俺が居た世界とあまり変わらないのかな?
メニューを使って出すのも良いんだけど、実際に現地にあるもので料理してみたかったんだよね。
でも、行くとしたら少人数だな。
その方が調理する手間が減りそうだから……。
俺はそう思いながら、アーテルと一緒にご飯を食べるのだった。
配下(神)を連れて海へ───!?
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