133話 味噌汁
<主様、あと30秒程で20分が経過致します>
フギンが【叡智之神】を通じて、俺にそう告げる。
ありがとう。
あ、そうだ。
今ここに何名居るか教えてくれない?
<少しお待ち下さい。……計測が完了しました。20名のようです>
そっか、ありがとう。
じゃあ、またね。
何かあったら頼るね。
<はい、了解しました。では、失礼致します>
そう言って、フギンと俺の会話は終わる。
あ、「もう暫くしたら、ご飯出来るからこっちに来て」って行っとけば良かったな……。
まぁ、暫くしたら来るでしょ。
あの部屋の中では深層心理での考え以外は、フギンとムニンに筒抜けなのだから……。
次からは、もっともっと気をつけて話さないとな。
そう考えながら、俺は炊飯器のスイッチを押す。
よし、炊き方の設定を「白米急速」にしてあるから……大体何分───って、『時間経過』を使えば直ぐだから、気にしなくていっか。
前、俺がご飯を作った時よりもここに住んでいる人数は増えている筈だから……まぁ、良いや。
俺が皆の分のご飯を沢山作れば良いだけだし。
作り始めますか!!
卵焼きと味噌汁を!
自分で自分に喝をいれる。
先ずは、味噌汁から作るか。
えーっと、入れるのは……長葱と豆腐だけだけから、長葱を切れば良いね!
俺は包丁を、包丁刺しから取り出す。
それと同時に、俎板も取る。
本当なら、1つずつ取った方が安全なんだけど……何せ、大人数の食事を作る訳だから……時間が惜しい。
というか……今考えたら、学校に毎日給食を届けに来てくれていた給食員の人達って本当に凄い重労働だな、って実感出来るな。
本当に、遅いけど……ありがとうございました。
そう思いながら、合掌する。
よし!
俺は一瞬で気持ちを切り替え、料理を作り始める。
水で洗った長葱から少し水気を取り、斜めに切る。
サイズは、人それぞれだから小さめでいっか。
俺より小さい子も結構いるし。
いや、それなら……もっと食べ易い───って、そこまで幼くはないな。
空回りしかけていた思考を否定して、包丁を使って長葱を切る。
これ良いよね。
ここを切りたい、って思えば切れるんだから。
本当に不思議な事しかないけど……楽だからいっか。
それと並行して、鍋に水を張り、火にかけている。
はぁ……ヤバい。
幾ら楽とは言っても……5本の長葱を切るのは面倒臭い!
長葱1本で4人分だから、20人分は長葱5本という計算に……。
仕方ない、幾らやりたくなくても……幾ら面倒臭くても、それを実行しないといけない時が来るんだ。
もうそれに関しては、諦めて行動するしかない。
諦めながら長葱を切り、豆腐を切ろうと思い、豆腐を取る為に振り返った。
その瞬間、視界の端に鍋の中の水が沸騰している事に気が付いた。
ヤバいヤバい……!
溢れる寸前じゃん!!
そう慌てながら、コンロに手を翳し魔力を流す。
すると、熱量が少し緩和された。
やっぱり!
この電磁調理コンロ……凄いな。
魔力で操作できるから、本来の使い方が分からなくても問題ない点がありがたい。
てか、よく3250㏄の水が沸騰できる程の熱量があるな。
いや……この鍋の熱伝導率が高いのかな?
そもそもさ、熱伝導率って……何だったけ?
それくらいその物質に熱を伝える事が出来るかの指標だったか?
俺……全然覚えてないんだな。
そう考えてながら、今さっき切った長葱を入れる。
よし、これで長葱が柔らくなるまでは放置だな。
あとは、豆腐をさいの目状に切って、卵焼きの準備しておけば良いか。
そう考えながら、豆腐を手に取る。
それにしても、5丁か……。
……1丁がだいたい300gくらいだった筈だから、だいたい1500gくらいかな。
まぁ、1丁が400gだったらまた変わるんだけどね。
軽く現実逃避をしながら、包丁で切る。
実際、横に線を入れて、頭の中でその線に「どこを切る」っていう命令みたいなものを出してるだけなんだけどね……。
普通に5丁切るよりかは楽だとは思うんだけど……何故か、疲れるんだよね~
よし、終わったな。
もう包丁と俎板は使わないから、早めに洗っとくか。
俺は、包丁と俎板を洗いながら、卵焼きの味付けについて考える事にした───
レーヴァテインでも切れない俎板───!?
最後まで読んで頂き有難う御座います!
「面白い」 「次の話が気になる」と思って頂ければ、下の☆☆☆☆☆から応援宜しくお願いします!
感想やいいね、ブクマ登録などして頂けると嬉しいです!




