表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/240

128話 炎鳥


 俺は、ピウスに万解書庫(グリモワール)へ連れて行って貰い、イリスにシルの居る“場所”へと案内された。

 そして、俺はそこにある扉を開く。


 そこに、シルが立っていた。


 「……お久しぶりですね。アーテル」


 「えぇ、そうですね。直ぐに本題に入っても?」


 シルは首肯する。


 「はい、良いですよ」


 「有難う御座います。では……話しましょうか。アーダについて───」


 そうして、シルに話した。

 アーダが正体を隠蔽していた事について。

 種族の限界を超えた能力(スキル)について。

 ステータスが俺達と同格という事について。

 そして───裏で協力していた者に関する事について。

 

 「そうですね……」


 そう言って、シルは顎に手を添え思考を巡らせる。


 (特出した隠蔽の力に、異様なほど強化された能力(スキル)……誰が関与しているのでしょうか? もしかして、あの本に載っていた可能性があった……!? でも、アレに頼り過ぎてはいけません。そもそも、私達にはこの能力(スキル)を完全に扱いこなす事など出来ないのですから……)


 「それらの件は、彼女にお願いしてみましょう」


 そう言って、シルは歩いていく。

 俺は「彼女とは……誰の事だ?」と問いながら、ついていく。

 すると、返事が返ってきた。

 

 「貴方もよく知っている人物ですよ。怠け癖があって面倒臭がりでありながら莫大な知識を有し、策を練るという一点においては私達の中で最も長けている者───」


 何だと……!?

 それでは、まるで……アイツが此処に居る、もしくは呼んだ、と言う事に他ならないのでは……


 その瞬間、シルの姿が掻き消える。

 

 は───?

 まさかッ!

 無詠唱で『転移(ワープ)』を使用しやがったな!!

 探知が面倒なんだが……まぁ、いいか。

 魔力もそろそろ完全に回復するから、少しくらいは使用しても問題は無いだろう。

 ただ一つ、問題があるとするのなら……この回復量で慣れてしまって、魔法を連発しない様に心掛けないといけない事ですね。

 ───『転移(ワープ)』!


 俺も無詠唱で、シルの居る場所へと転移した。


 

 ※   ※   ※



 テオスの家の遥か上空にて───


 私は最大限、力を抑えて滞空飛行する。

 私は、世界が滅ぶ刻に彼女達と一緒に“贄”となる者。

 天空・大地・海淵を治める3柱が1柱───“怠惰”のウィリデ。


 「はぁ……このまま、ずっと世界が滅ばなければ良いのに。そしたら、ウィーも全力でだらけられるんだけどなぁ……」


 もう、いいよ!

 どうせ、どれだけ訴えかけても……この“制約(しばり)”は消えないんだから!

 誰か……この永遠の縛りから解放してくれないかなぁ……。

 はぁ、どうせ無理なんでしょ!

 ネロやアーテルの兄にして神───“神帝”テオス……ウィーを解放して欲しいな……。

 いや、そんな事言ってら、あの人は絶対に助けてしまう。

 ウィーを、皆を……あの人は、とても優しいから……。


 『ウィリデ、そろそろ降りてきて良いですよ』


 シルが念話で話しかけてくる。


 やっと降りて良いんだ。

 よし、じゃあ……


 私はゆっくりと手を動かして少しずつ滑翔する。


 ゆっくり力を込めないようにしないと、また嵐を生み出してしまう。

 もし、少しでも意識してしまったら、樹々が巻き込まれて……4割が舞い上がる。

 そうなったら、ネロに怒られる。

 そしたら、貴重な睡眠時間が削られる。

 それは絶対にイヤ!

 だから、ウィーは気をつける!


 少しずつ脚が、大理石の床に近づいていく。

  

 ウィーは、同時に身体(からだ)の内から放出されている魔力を使って肉体を変化させる。

 炎に覆われた翼は人間の腕へ、鳥の足や爪は人間の素足へ、嘴は凹み、人間の唇へ、艶やかな羽は人間の裸体へと変貌する。

 そして、ウィーは、テオス様の城に舞い降りた───


 ……って、裸だぁ〜

 どうにかしないと、捕まっちゃうね〜

 あ、ここ日本じゃないから……別に───いや、シルに見つかったら怒られそうだなぁ〜

 【変異】……いや、ここはちゃんと正式名称を使うか〜

 【身体変異】───翼衣装!


 突然、炎がウィーの体を覆う。

 その瞬間、炎は閃光を放つ───

 そして、朱色を基調とし黄色、緑色、青色、紫色などが混じった服を着ていた。


 やった〜!

 成功したね〜!

 久しぶりに人間の姿になったから、あまり慣れてないんだけど……。

 ……ちょっと、ブカブカだけどこれくらいでいいかなぁ〜!

 この感じ、良いねぇ〜!!


 ウィーは上機嫌でシル達と待ち合わせをしている場所へ向かう。



炎を纏いし神鳥───

最後まで読んで頂き有難う御座います!


「面白い」 「次の話が気になる」と思って頂ければ、下の☆☆☆☆☆から応援宜しくお願いします!

感想やいいね、ブクマ登録などして頂けると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 妹とか弟とか出てきたことにより、ようやく物語の輪郭が掴めてきた感じがします。 ネロちゃんのおにーちゃん呼びにそのような意味があったとは!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ