125話 釈放?
「その声は……レアか?」
脳は莫大な情報を整理できなかった。
それ故、俺は思った事を口に出してしまう。
すると、レアは小さく溜息を吐いた。
「ほんま、区別がつかへんのやね……アーテルはん。せやから、耳だけで判断してはいけへんのや」
そう俺に告げる。
だが、レアの姿は見えない。
どういう事だ?
レアは何処に───
そうか……!
これを使えば良いな、【気配感知Ⅶ】!
俺は目を瞑り、認識できる範囲を広げる。
レベルⅦは、神人しか到達できぬ領域。
故に、これを搔い潜れるのは俺と同格の存在だけだ。
まぁ……神人以外の種族が取得可能なスキルのレベル上限はⅤまでなのだがな……。
おっと、早くレアを見つけなければ。
───さぁ、何処にいる!
姿を見せ───……は?
ち、地面!?
どういう事だ!?
俺がレアの居場所を見つけた、と分かったのか……
レアが地面から、こちら側に出て来る。
あぁ、そういう事か。
確か……これはレアの魔力───
「ほんまに、アーテルはんはガキやね」
「黙れ! 俺は───」
「テオスはんに家族としぃ認められたいから……なのやろ?」
「ッ!? だ、黙れッ!!」
俺は恥ずかしさと驚きを隠す様に声を荒げる。
それに対し、レアは……クスリと微笑する。
な……何だ?
何なんだ!?
何故、皆して俺を嘲笑うんだ……。
「邪魔くさい人や……」
そう言い、レアは溜息を吐く。
「アーテルはん……用件は飲むさかい、はよいんだ方がええんとちゃう?」
「あぁ、そうだな」
俺がそう返事をすると、牢の扉が開いた。
「有難う、レア」
「そんな社交辞令はいれへんから、はよ罪人を出しぃ」
……それもそうだな。
俺は頷き、牢獄の外へ出る。
その瞬間……後悔した。
【影移動Ⅵ】と『影踏渡』を併用して此処に来たんだ……スキルだけを使えば逃げられたのでは……?
「レア、ここではスキルは使えるのか?」
俺が問うと、レアは首肯する。
「使えるで。せやけど、うちが許可せなんだら……絶対に使えへんけどね」
「そ、そうか……」
どうやっても逃げられなかった訳か。
早めに戻るとするか、アリシア───いえ、シルに話をしなくてはなりませんし。
「では、そろそろ戻るとしますね」
そう言って、極級の無属性魔法に分類される……『収納空間』を使用する。
そして、アーダを取り出す。
本当なら、こんなヤツを入れたくはなかったがな!
というか……今日だけでどれ程の魔力を消費した事か……魔力切れを起こしてもおかしくないレベルだぞ。
そう思いながらも、また魔力を消費する。
「『時間再生』」
そう告げ、アーダを永遠の縛りから解放する。
その瞬間、アーダの怒号が響き渡る。
「───クソがぁあああああああああああああ!!!!」
五月蠅いな、コイツ……。
もう一度、時間を停めて───
その考えに到達した瞬間、レアから声を掛けられた。
「アーテルはん、罪人はうちらに任せて帰ってええで?」
だが……。
いや、ここは俺が出しゃばる必要は無いな。
なら、帰るとするか。
「すまない、何かあったら連絡してくれ」
そう言って頷き、お辞儀をする。
「そないな事、せんでええのに……」
レアは、見飽きた……とでも言う様な視線を向けて来る。
「最低限の礼節だ。これからは……俺を子供扱いするなよ! あと、リリス……後でゆっくりと話合おうじゃないか……な? な?」
そう言って、圧を掛ける。
「あ……はい。あははははは……すいません、本当!」
最初は少し巫山戯るように笑っていたが……段々と、これはヤバい、と感じたのだろう。
最後は敬語になっていた。
「ではな、リリス。そして、レアも」
「うちをついでみたいに言わんといて欲しいわ……」
レアはそう言って嘆く。
リリスはというと……目を逸らしていた。
「……では、失礼する」
俺はリリスとレアの相反するような態度を見て、少し笑みを溢してしまう。
それを隠すかのように、テオス様の城へと転移した。
アーテル、無事(?)帰宅───!!
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