123話 骸骨と悪魔
魔皇城、廊下───
私は悠々と歩く。
ここは、悪魔の帝王の城。
だが、その帝王に仕える悪魔達は殆ど、任務で出払っている。
まぁ、私なら……面識のある悪魔なら召喚出来ますがね。
長々と続く廊下、そこには様々な扉がある。
そして、1つの扉の前で足を止める。
さて……治療室はここでしたか?
疑問に思いつつも、扉を開ける。
そこに居たのは、私達の王───テオス様。
そして、医学に精通している悪魔───バエル。
1人はベットで1人は椅子で、眠りに付いている。
はぁ……アーテル、これで私が敵だったらどうするのですか……。
完全に、バエルは死んでますよ。
後で、注意しなくては……。
治療を任されていたバエルが寝ているという事は、もう終了したと見て問題ないか?
敵の気配もないし、そもそもこの城に侵入できる者が限られている。
治療は終わった、と見て問題なさそうだ。
「……? 俺、は……」
テオス様も意識が戻られましたし、そろそろ戻るか?
そうだな、ジークも呼んでいる事だし……フィリアの件もあるからな。
戻るとするか。
「テオス様、私は戻ります。ですが、安静にして下さい」
「え……? あ……うん、わかった。またね、ネクロ」
意識が朦朧としておられるのか、単調な喋り方だ。
それに、とても眠そうだ。
早めに去るとしよう。
「はい。では、失礼致します」
私はそう言って、テオス様にお辞儀をする。
「うん……」
その返事を訊き、私は扉を開け退室する。
そして、廊下を歩きながら思案する。
あの感じ……テオス様には後遺症はない様だ。
記憶も大丈夫でしたし、体の方もしっかりと動かせていました。
さて、戻るとしますか……マニュス帝国───いや、元々住んでいた城へ。
……ッ!?
この気配は───!!
「おや、ヴェルデ。来ていたのですね」
私の耳元で、そう囁く声が聞こえる。
その声が聞こえた背後へ振り向く。
そこには───私の友、アーテルが居た。
ッ!!
バレてしまった!
まぁ、仕方ないか……。
「あぁ、それにしても早かったな……アーテル」
驚愕と焦りを押し殺し、普段通りに喋る。
「あぁ……自領が破壊されている事に気がついていたのですね」
少し納得したように頷き、そう言い放った。
自領……?
ま……まさか!
ニヴルヘルの事か!?
いや、そんな事は───
「あぁ、しっかりと『創世始源白月』を使って直して来ました。だから、安心して……」
「待て待て待て! 『イニティウム・マーニ』だと!? まさか、あの“始源の月”を顕現させたのか!」
「はい。使いましたが……何か問題でも?」
それがどうかしたか、と言う様に私を見る。
「問題しかないだろう! 何故、あの月を顕現させ───」
先程までの巫山戯た面持ちから真面目な面持ちへと変貌する。
「仕方ないでしょう。ザックーム───いえ、アーダがそれ程までに面倒な相手だったのだから」
「何んだと? それ程の相手だったのか!?」
「えぇ、ですが……不思議なんですよねぇ」
そう言いながら、アーテルは顎に手を添え首を傾げる。
「何がだ? 手強かった事にか?」
アーテルは首肯する。
「だが、それよりも……何故、アーダ……地獄に存在する樹木如きが俺と同等のステータスだったのか、と思ってな」
「同等だと!? あり得ない……ザックームだぞ!」
「俺も最初はそう思ったさ。だが、実際……強かった。俺が月を顕現させなくては無傷で捕らえられない程にな……」
……ん?
今、なんて言った?
無傷で捕らえる?
「おい、無傷でで捕らえるって言ったか?」
「? あぁ、言ったが……」
「それが原因だろ! 何故、無傷で捕らえる必要があった!?」
何故か、私を哀れむ様な視線を向けてくる。
そして、大きく溜息を吐いてから……
「簡単な話ですよ。タルタロスに尋問して貰う為に決まっているでしょう」
……。
はぁ……そういう事か。
それはそれでお前らしいよ、アーテル……。
久しぶりに深淵へ!!
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