表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ショートショート11月~

信号

作者: たかさば
掲載日:2020/11/23

俺の目の前に、信号が、ある。


赤色か。

渡ったら、駄目だな。


駄目だとは、思うけど、周りのやつらは、何人か…渡っているぞ。

危ないなあ、なにを考えているんだろう。


ぼんやり、信号を、見つめながら。


ここは、どこだったかな。

何で、俺は、ここにいるのかな。


信号が、変わった。


青色か。

渡らないと、いけないな。


周りのやつらは、続々と、渡っている。

そうだな、信号は守るべきなんだ。


渡ろうとしたとき、ふと思った。


信号の色ってさ、緑色だよな。

何で、青って、いうのかな。

たしか、青色野菜が、どうたら、こうたら。


ぼんやり、そんなことを考えていたら、信号が変わった。


黄色か。

注意したら、渡れるけど。


周りのやつらは、走って渡っている。

一目散に、渡っているな。


注意して渡るというよりも、急いで渡る人の方が多い。


何で人ってのは、そんなに急いでしまうんだろう。


ぼんやり、そんなことを考えていたら、信号が変わった。


赤色か。

渡ったら、駄目だな。


周りに、人影は、もう、ない。


ぼんやり、信号を、見つめながら。


この信号は、渡らないといけないのかな。

何だろう、渡りたくない気がしないでも、ない。


信号が、変わった。


青色か。

渡らないと、いけないな。


周りに、人影は、もう、ない。


渡ろうとしたとき、ふと思いだした。


そうだ、青信号の意味は。


「進んでも良い」だった。

「進め!」という命令では、ない。


じゃあ、渡らなくてもいいか。


ぼんやり、そんなことを考えていたら、信号が変わった。


黄色か。

注意して、渡る必要はないな。


周りに、人影は、もう、ない。


もう、ここにいる必要も、ないな。


俺が、信号に背を向けて、一歩進むと。


黄色い信号が、変わったらしい。


赤い、光が、俺を、照らす。


ぼんやり、目の前の地面に広がる、信号の、赤い、光を、みつめる。


俺は、赤信号の光を、背に受けている。


自分の影のまわりが、赤い光を、まとっている。


赤い、光が、ジワリと、影に、染み込む、浸み込む、沁み込む、滲みこむ…。




「お兄ちゃん!!!!!!」

「せ、先生!!先生呼んできてっ!!!!」


ここは、どこ、だ・・・?


やけに、白い空間が、俺の目の前に、広がる。


ここは、病院、か・・・?



俺は、繁華街の交差点で、爆発事故に巻き込まれたらしい。


全身にガラス片を浴び、出血多量で、一時意識不明の重体だったと、妹から、聞いた。


死傷者は30名を越えたらしい。


「良かった…お兄ちゃんまでいなくなったら、私…。」


涙ぐむ妹を見て、俺は全身の痛みに悶えつつも…今の状況を、うれしく、思った。


もし。


俺が。


信号を渡っていたら。


俺はここには、いなかったのかも、知れない。


―――いーい?青信号はね、「進んでも良い」だからね?「進め!」っていう命令じゃ、ないからね?

―――黄色だからって、急いで渡る必要はないんだぞ!ゆっくり待って、青で渡ったら良いんだ!


幼い日の、両親の声が。


…ふわりと。



俺の頭の中に、響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ほう、女性ですか。それは興味深い。
[良い点] 深いです。 [一言] ぼくも同じこと考えたことあります。そうですよね、青信号って、進め、じゃないですよね、赤は止まれ、なのに。なんかおかしい感じがしますよね。たかさばさんは男かな、シンパシ…
[良い点] 不思議な感覚ですね。これは考えたことなかったです。 [気になる点] しっかしこれは、まるで現実味がないですね。歩行者用信号に黄色はない。亡霊ですね、無限ループですね [一言] 比喩表現がう…
2020/11/24 08:02 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ