第24話 攻勢
1941年8月24日。
モラヴィア王国東部属州 グレキア半島西部
州都ブルーノの南80キロ
見渡すかぎり延々と荒地が広がる東部属州。もとより風光明媚とは言い難い土地柄ではあったが、今やそこはこの世の地獄と言っても良い光景を現出させていた。
ボロ布のような服をまとった男がいる。肩より下の部分が完全に抉り取れてしまった鎧を着た兵士がいる。全身の衣類がほとんど燃え落ちてしまい、裸同然の姿をした女がいる。
彼ら――いや、それらは覚束無い足取りで、ただひたすらに東の方角に向かってのろのろと歩いていく。
それは屍だった。首があらぬ方向を向いた者がいる。腹が裂け、そこから溢れ出た臓物を地面に引きずっている者もいる。
その数は2万を超える。死者の軍勢―――これを構成するのは、グレキア梯団壊滅後の撤退戦のなかで赤軍によって掃討された地方軍の将兵であり、航空隊の空爆に巻き込まれて命を落とした東部属州民であり、負傷や病によって労働力としての価値を失った専従奴隷の成れの果てであった。
不毛の荒野を死者の軍勢が行進する。この光景を地獄と呼ばずに何と呼べばよいのか。
この光景を、2キロ程離れた小高い丘の上から見下ろす3つの人影があった。
「ふん、自国の民を不死者としてぶつけるか……己の手足を喰らって生き長らえたとして、後に何が残るというのだ」
人影の中のひとり。モラヴィア魔道軍に所属するフォルカー・シード魔道兵大佐は、己の魔術が生み出した冒涜的な光景を眺め、口の端に嘲笑を浮かべた。
その嘲笑の対象は、本来守るべき民を塵芥のように使い捨てようとしている己の祖国であり、その巫山戯た命令に唯々諾々と従う己自身だ。
既に10年以上も前に現役を退き、後備役少佐として市井にあったフォルカーは、私塾の講師として残りの人生を穏やかに全うするはずだった。
バーテルス一門の傍流に連なるフォルカーは、全盛期には竜族の不死兵すら行使する程の高位死霊魔術師だったが、戦場において死霊魔術を実際に行使したのはこの戦が初めてのことだ。
突如舞い込んだ召集令状。東方より王国の平和を脅かさんとする蛮族の鎮定。
東部属州に古くから地盤を有する魔術師一族であるフォルカーは、王国の危機に際し年甲斐もなく勇んで召集に応じた。
だが行ってみれば、待っていたのは自国の民を屍に変え、時間稼ぎの為の捨て駒として敵にぶつけるというおぞましい任務。
その非道な策に対して強硬に反対を唱えた魔術師たちは鎮定軍司令官にして西グレキア最大の諸侯であるハウゼンによって投獄されてしまった。
罪状は蛮族への内通と利敵行為。
どう考えてもまともではない。地方に睨みをきかせていた本国軍の将軍達や、ハウゼンに対抗できる東グレキアの有力諸侯が、軒並み東グレキア会戦で戦場の塵芥と化してしまったことで、残された地方軍や西グレキアの領邦都市群は西グレキア方伯の影響下に置かれつつある。
そして、東部属州土着の魔術師であるフォルカーに、属州有数の大貴族を敵に回すようなことはできなかった。
なんとなれば、それは己自身のみならず家族や子孫にまで塁が及ぶことになるやもしれないからだ。
任務を受けると同時に、フォルカーは大佐への昇進を言い渡され、シード支隊なるものの隊長に任命された。
支隊とは言っても、人数はフォルカー自身を入れてたった3人の死霊魔術師。兵員は全てフォルカー達が生み出した不死者たちだ。
『異界の大軍勢に敢然と立ち向かう諸君らの勇姿は、王国の歴史に深く刻まれるだろう』
ハウゼンは満面の笑みで請け負ったが、フォルカーからすれば皮肉としか思えない。
自国民を不死者に変えるような戦法を取った人間が、英雄などと喧伝されるはずもない。
下手をすれば、自分たちはこの非道な作戦を立案した連中のスケープゴートにされかねないのだ。
昇進にしても、現在の戦況を見れば戦死による特進の前渡しとしか思えない。
(私も焼きが回ったものだ)
嘆息し、頭ひとつ振って雑念を追い出すとフォルカーは部下の死霊魔術師たちに振り返った。
「この方面の屍兵化は終わった。北へ移動するぞ」
そういって、丘を降り始めようとしたとき。
フォルカーは何やら上空から甲高い音が聞こえてくるのを感じた。
「うん?――――」
思わず空を見上げようとした直後、腹に響く轟音が響きわたり、3人は飛び上がった。
丘の麓、先程まで彼らが作成した屍兵たちの間に次々と爆焔が立ち上り、その度に10人単位で屍兵たちが吹き飛んでいく。
隣を歩いているものがボロきれのように吹き飛ばされても、彼らの歩みは止まらない。
爆発によってポッカリと空いた群の穴を直ぐに別の死者が塞ぐ。
そこに再び爆発が起こり、また、死者の群れが吹き飛ぶ。
フォルカー達は唖然として眼下の光景を見て、次いで上空に視線を動かした。
どさりという音が後ろから、フォルカーの耳に届いた。
部下のひとりが地面にヘタり込んだのだろう。フォルカー自身、膝が震えており、力を入れていなければ部下と同じように地に屈してしまいそうだ。
いまや、3人の視線は空に固定されている。彼らの遥か上空、南東の方角から雲霞のように湧き出てくるソ連空軍機の姿があった。
(そんな莫迦な…なぜこんなところに異世界軍が?)
フォルカーは疑念を禁じえなかった。ソヴィエト軍の陣はここから遥か400キロ近くも東であり、前線からも300キロ以上離れている。
しかもここはブルーノへの兵站ルートからも離れており、ソヴィエトの攻撃を誘うようなものはないはずだ。
「こんなところに異界軍が……ブルーノの目と鼻の先だぞ」
「莫迦な、索敵は何をやっていたのだ!?」
続いて、それまで呆然と上空のソ連機を見ていた部下たちが我に帰り、混乱したように己の疑問をまくしたてる。
フォルカーは一切の余裕を失った表情で暫く考えを巡らせ、ややあって遠見の魔術を起動した。
発動媒体の短杖を南東の方角に向けてかざす。
杖の周囲から光の鱗粉が少しずつ舞い始め、眼前の光景が歪み出す。
やがて、3人の目の前の空間が蜃気楼のように歪み、此処とは異なる光景を映し出す。
映し出された光景に、3人は絶句した。
砲塔から吹き出す火焔の渦。
横並び一線に並んだ異界軍のアイアンゴーレムがその前方に突出した特徴的な長筒から焔を召喚し、屍兵を焼き払いながら進んでいく。
炎に捲かれながらもなお進もうとする屍兵。それをゴーレムの上部から上半身を突き出した異世界軍の兵士が、鉄飛礫を放つ飛び道具で撃ち倒していく。
その遙か後方では、ゴーレムの長筒がまるで玩具に見えるほどに長大な筒が天空に向けて火を吹き、その都度、屍兵の後方集団が纏めてボロくずのように吹き飛ばされる。
屍兵の耐久力と数を頼みに異世界軍を足止めする。そのために、未だモラヴィアの支配下にある属州各地の専従奴隷や罪人達まで掻き集め、市井の死霊術師まで動員して作り上げた死霊軍団は、数のみで言えば10万近い兵数を誇っていたはずだ。
だというのに、中空のスクリーン越しに見えるその姿は、最早、嵐の海に翻弄される小舟のように頼りなく映る。
「防衛線が…抜かれたのか?」
呆然と呟くフォルカー。
部下たちも、言葉を発することなくその光景に見入っていた。
1941年8月24日未明。
モラヴィア王国東部属州は大きな戦乱のうねりに飲み込まれようとしていた。
前線に多数投入されているモラヴィア王国の屍兵による攻勢を強固な防衛線と火力を頼みに凌ぎつつ、赤軍は西部軍の機動戦力である4個機械化軍団を南方より迂回させ、ブルーノの前面に展開する屍兵集団中核部隊の左側面に叩きつけたのだ。
事前に実施された方面軍航空隊総力による制空権確保と、のべ1000機単位の猛爆撃によってモラヴィア側の索敵を完全に潰したうえで実施された大攻勢。
その目的はモラヴィア東部属州の完全な制圧であり、戦略目標はモラヴィア東部属州最大の兵站拠点、州都ブルーノである。
火炎放射戦車の横列を先頭に、T-34中戦車の集団が、続いて歩兵が跨乗したBT軽戦車の集団が後に続き、そのさらに後方からはZISトラックを配され、自動車化された狙撃兵連隊が続々と続く。
本来であれば、歩兵の随伴なしに戦車を単独で突進させるなど愚策と言って良い運用法だが、屍兵を相手とする場合は話が違う。
屍兵には対戦車戦闘などを行えるような頭は無いし、むしろ屍兵の肉弾戦能力を考えれば歩兵を遣って白兵戦に持ち込むよりは戦車で踏み潰すほうがずっと損害軽減につながる。
群がりくる死人の群を火炎放射で焼き払い、戦車の履帯で踏み潰しつつ、屍兵集団前衛を突破した機械化軍団はなおも前進を続ける。
その目標はブルーノ前面に陣取る屍兵の中核部隊。前線に展開する膨大な不死者達を統制する死霊魔術師たちが陣を敷くそこを落とせば、前線の屍兵集団は兵力の供給元を絶たれ、遠からず殲滅されることになる。
■ ■ ■
同刻
ソヴィエト連邦 モスクワ
ボリス・シャポシニコフ元帥が参謀本部よりニコライ・ヴァトゥーチン参謀次長を引き連れてクレムリンに出仕したのは午前10時を少し過ぎたあたりだった。
対モラヴィア開戦に伴う国防組織の再編により最高司令部(STAVKA)が創設され、陸海空軍を有機的に統合・運用するための執行機関の場は、実質的に参謀本部からクレムリンに移った。
現在、これらのメンバーが行う重要な仕事のうち半分近くは、クレムリン内に設えられたスターリンの書斎で行われている。
クレムリン警備局将校の先導を受けながら、二人の将官は赤い毛長ビロードの絨毯を踏みしめつつ、閣僚会館の奥へと進んでいく。
階段を昇りきり、アーチウェイの中の大きな両開きのドアをくぐると、艶出しと黴の臭いが微かに鼻についた。
そこから先は書斎まで一本道であり、先導役の将校は二人に敬礼して下がった。
シャポシニコフはちらりと同道者に視線を遣る。そして、いつになく緊張した様子の参謀次長の肩を軽くポンと叩くと、そのまま気負った様子もなく、歩きだした。
廊下突き当たりの扉。その前にて立哨する制服警備兵の敬礼に対して答礼を返し、シャポシニコフはヴァトゥーチンとともにドアをくぐった。
書斎の入口には秘書が屯するアウターオフィスがあり、そこを通らなくては書斎に入ることはできない。
二人はまず秘書室に入り、そこでスターリンの個人秘書であるポスクレブィシェフに会い、彼に連れられて書斎のドアをくぐった。
閣僚会館の片隅に設えられたそこは、【書斎】と銘打たれてこそいるものの、本棚も、一冊の本さえ置かれてはいない。
広々とした部屋に置かれているのはがっしりとした造りの長大なテーブルと、そこに広げられたモラヴィア東部・ソ連全土の地図であり、壁には今では殆ど用を成さなくなった前世界の世界地図が掲げられている。
壁には樫の木が嵌め込まれ、世界地図の横にはマルクス・エンゲルス・レーニンといった人物の肖像画が。それより少し離れた所にはスヴォーロフ・クトゥーゾフなど帝政期の名将たちの肖像画も掲げられている。
書斎の奥まった一角にはスターリンの執務机が置かれ、無線装置の非常電話やクレムリン内の内線電話もそこに置かれている。
また、机の片隅にはいつも削られた色鉛筆がひとかたまりに置かれており、スターリンはいつもそこから青鉛筆を取ってメモを取った。
「遅れまして申しわけありません。帝國派遣武官長との会合が長引きまして」
「あぁ、構わんよ。席に就きたまえ同志」
スターリンはそれほど気にした様子もなく言うと、二人に長テーブルの席に着くよう促した。
シャポシニコフは軽く一礼してそれに従い、ヴァトゥーチンもどこかほっとした様子でそれに続く。
席には既に最高司令部(STAVKA)のメンバーが顔をそろえていた。
スターリン、モロトフ、ベリヤ、ティモシェンコ元帥、ブジョンヌイ元帥、ヴォロシーロフ元帥、ジューコフ上級大将、N.G.クズネツォフ海軍大将といった面々は地図が置かれた長テーブルを囲むように立っている。
シャポシニコフ達がその中に加わると、スターリンは「さて、始めようか」と短く言うと、シャポシニコフに視線を向けた。
「まずは現在までの戦況について説明を。総長」
「ハッ」
シャポシニコフは制服の内ポケットからメモを取り出して何枚かめくり、話し始めた。
現状、モラヴィア領内に展開する西方3個方面軍は合計78個師団が存在し、その内の48個師団が西部・北西軍隷下として西進を続けている。
開戦後に幾度かの増派が行われて師団数は増しているものの、既に開戦時にあった4個師団ほどが損害を受けて後方に下がっている。
いずれも屍兵と呼ばれる死体兵士による攻撃を受けたものだ。
最初期の奇襲攻撃で師団を撃退したモラヴィア側は続けて多方面に対しても屍兵による一万人規模の攻勢を行ったものの、これは事態を把握した方面軍司令部が物量に任せた重砲撃と空爆に打って出たことで時を経ずして頓挫することになる。
屍兵が驚異的な耐久力を持っているのはわかったが、それはあくまで対歩兵戦に限った場合のことだ。
戦線の後方に浸透した上でのゲリラ戦に出られた場合、屍兵の存在は大きな脅威となるが、正面からの平押しであれば、赤軍お得意の火力戦に持ち込むことで十分に対処できる。
なにしろ死霊魔術の特性なのか、屍兵の部隊というのは尽くまともな戦術行動などとらず、無防備にひたすら前進してくるばかりであるため、赤軍としては敵の進路さえ割り出せばその前面に砲兵や機関銃による火線網を形成するだけで容易に殲滅できるからだ。
現在、モラヴィア東部属州では西部軍主導による州都ブルーノへの最終攻勢が開始されている。
赤軍の正面に立ち塞がっている屍兵軍団については恐らくはこれで片がつくだろう。
「……問題は後方の占領地で蠢動している連中か。現在の攻勢が成功し、モラヴィア東部の拠点をすべて潰すことができれば魔術師の浸透を多少防ぎやすくなるだろう。しかし、それはそれとして死霊魔術への抜本的な対策が必要だ。」
火の点いていないパイプを右手で弄びながら、スターリンはうろうろとテーブルの周りを歩きつつ独語するように言った。
「同志。そちらに関しては、我が保安総局にて進展が見られます」
「ふむ……言ってみたまえ、同志ベリヤ」
内務人民委員ラヴレンティ・ベリヤは仰々しく一礼すると、報告を始めた。
モラヴィアが現在試みている死霊魔術による攻撃は、いうなれば焦土作戦だ。
これは侵攻側の兵站に対する攻撃としては実に効果的といえるが、これを行うには中央政府が地方の諸侯に対して絶対的な統制力を持っていなければ成しえない。
現在モラヴィアが行っている屍兵の製造とは、すなわち自国民の虐殺であり、仮に素材となっているのが戦死したモラヴィア兵や専従奴隷であったとしても、自国民に対して容易に牙を剥きかねない危険な兵器を国内において使用している以上、その土地の住民や、ひいてはその土地を統治する諸侯の反発は避けられない。
事実、こちらに投降してきた魔術師たちの内、少なくない人数が、モラヴィア本国の非道な戦法を受けてソヴィエトへの帰順を表明している。
「特に、戦場となっている東部属州土着の魔術師の離反が相次いでおります。こちらがこれまで被った損害も少なくはありませんが、長期的に見れば、モラヴィアの戦術は我々にプラスに働きます」
笑みを浮かべながら言うベリヤに、軍人たちは冷ややかな視線を送る。
実際、屍兵の驚異の矢面に立たされるのは彼らだからだ。
「モラヴィア側からの情報もこれで随分と風通しがよくなりました。浄化魔術師についても、大きな進展があります」
一旦言葉を切ったベリヤに視線が集まる。
占領地における屍兵の跳梁は軍民問わず頭痛の種であったからだ。
「浄化魔術を納めている魔術師に関してですが、モラヴィアにおいて、これは主に死霊魔術師の領分であるようです」
ネウストリアをはじめとした精霊神教国にとって、死者を弄ぶ死霊魔術は唾棄すべき邪教の業だが、モラヴィアにおいては立派な技術であり、学問だ。
元は魔法生物作成技術から派生したというこの魔術大系において、浄化は肉体・魂の魔術による強引な変容に対する治療薬として位置付けられている。
そのため、死霊魔術を学ぶ者はほぼ例外なく浄化魔術を学ぶのがモラヴィア魔術師の通例だ。
そして、高位の死霊術師は同時に高位の浄化魔術師でもあることが多いという。
「戦場において捕縛した死霊魔術師に関しては細心の注意を持って扱う必要があります」
「同志ベリヤ。そうはいわれるが、死霊魔術師を無傷で捕らえるのがどれほど危険を伴うかわかっておいでか?」
渋い表情でそう言ったのは国防人民委員のティモシェンコ元帥だった。
「死霊魔術を行うには死体さえあれば、他に触媒は不要と聞いている。もし、捕えた術者が後方で死霊魔術を行使したらどれほどの被害が発生するか」
「魔術を行うには杖や宝石などの発動媒体が必要です。そう言ったものを取り上げておけばよいのでは?」
「体内に隠し持つやもしれん。万一にも漏れがあった場合の被害が大きすぎるのだ」
浄化魔術師自体は軍としても咽から手が出るほどに欲しているものの、捕えた後のリスクが大きすぎる。
仮に一度投降した死霊魔術師が五列などになろうものなら赤軍が被る損害は凄まじいものになるだろう。
一例を挙げるなら、方面軍司令部の存在する領邦都市内部で突如大量の屍兵が発生した場合、一個軍集団の指揮系統が滅茶苦茶にされるような事態になりかねない。
「―――では、専用の収容施設を設けてはどうだ」
スターリンが何気なく言った言葉に、二人の口論がピタリと止む。
「同志ベリヤ。確か、死霊魔術は我々ソヴィエトの人間には通じないのだったね」
「左様です同志」
「ならば、この世界の人間が存在しない我が国内に、厳重な警戒のもとで彼らを一纏めに管理すればよい。ソヴィエトへの帰順を拒むというなら、そこで気が変わるまでもてなしてやればよかろう。存分にな」
スターリンの案に、ベリヤはソ連国内に死霊魔術師を入れることについて暫く考えを巡らせ、やがて口元を笑みの形に釣り上げた。
「素晴らしい案かと思われます。同志スターリン」




