ベネディクト3
あ、あぶなかった・・・・・。
理性が吹っ飛ぶかと思った。
「あんな姿で見上げられると私だって我慢なんて・・・・・」
先程の光景を思い出すと再び体中の温度が上がっていくのがわかる。
陛下の元を辞した後、予定通り(急だが・・)男爵の屋敷へ足を運んだ。
年齢はあちらが大分上だが、爵位は私の方が上である為、私の突然の訪問にも快く対応してくれ、リルの親となるには人柄も良いと判断した。
そして、先程陛下に申し出た事を男爵にもお願いした。
すると、以外にも男爵はあっさりとOKを出してくれた。
どうも、娘が他国へ嫁いだ事がよっぽど寂しかったようだ。
ただ、娘となるのであればそのリルに会わせて欲しいと言うから私は即座に断った。
・・・・何かを感じ取ったのだろうか、男爵はすぐに顔を青くさせ謝罪してきたが。
私のリルを例え親になるとはいえ他の男に会わせるわけがないだろう。
まったく、何を図々しい事をかんがえているのだか。
この侯爵家と繋がりが持てるのだからお前たちはそれだけでもいい話だろうに・・・。
まぁ、そんなこんなで、私は着々と進む話しに気分を良くし屋敷に戻ってくると、出迎えの中にいつもならあるはずのリルの姿がなかった。
他のメイドにきいたが、いまどこにいるかわからないと言う。
また、どこかで荷物に埋もれているのではないかと心配しながら私は部屋に戻ってみると、そこには可愛い顔をしたリルが私の部屋で待っているではないか!!
思わず抱きしめそうになるのをぐっとこらえていたら、そのかわいらしい唇で私を迎える言葉を発する。
「お、ぉかえりなひゃいまへ!!」
か、噛んだ!?
お、お前は私を悶え死にさせる気か!?
その可愛い噛み方だけでなく、その後は顔を真っ赤にさせて俯く。
あぁぁ・・・・・。抱きしめたい。
口づけたい。
襲いたい・・・・・。
この可愛い生き物は何だ?
あぁ・・・早く私のものにならないかな。
だが、安心しろ。準備は着々と進んでいるからな・・・・って、そうだ!ドレス!!
彼女を美しい花嫁にする為に必要なドレスの採寸をしなければならない!
さぁ、ここじゃなんだから、部屋にはいりなさい。
そう思い、私はリルの腕をつかみ部屋の中へと導く。
首をかしげながら私に着いてくるその姿に私はまた悶えそうになるのを我慢し、サイズを測る為、服を脱がせようとした。
「やめ、やめてください!」
可愛い声で服をつかみ恥ずかしがる。
その恥ずかしがるリルも可愛すぎて悶えそうになるが、今は我慢する。
それに、恥ずかしがってたらサイズなどはかれないだろう。そう思いながら優しくボタンをはずすもリルは抵抗をするので、ついつい怒鳴ってしまった。
「・・・こら!リル、大人しくしろ」
するとリルは涙を浮かべながら、
「ご、ご主人様!!お、おやめ下さいぃ」
顔を真っ赤にさせ、うるんだ瞳で私をしたから見つめてくる。
り、リル・・・・・・・・・・・・・!!!!
暴れだしそうになる何かを抑え込むように思わず右手で自分のこめかみを押さえる。
た、耐えろ!!ま、まだだ!
私が自分と戦っている内にリルは私の部屋から走り去って行った。
彼女はなぜ、あんなにも採寸をすることを拒んだのだろう?
あぁ・・・そうか、やはり彼女も女だ。美しいドレスを着るのに今の体型では気になるのかもしれない。
しかし、リルは今のままで十分だ。あの小さい背も、背丈に似合わない豊かな胸も、全てが完璧なのに。
・・・・・あぁ・・・・。結婚をする前に私の理性はどこか空の彼方に飛んでいくかもしれない・・・・。
彼女の事を思うだけで熱くなる身体。しかし、けじめをつけないうちから彼女に触れたりはできない。それが男と言うものだ。だが、体は正直なもので先程の熱は収まらず、リルを欲しいという欲望の熱を冷ます為、私は浴室へと向かった。
もちろん冷水を頭からかぶりながらも先程のリルの表情が離れなかったのは言うまでもない。




