リル2
さて、ご主人様に命令されてお使いにやってまいりました。
現在の居場所は、コーナ町。
なになに?預かったメモを広げて見ると・・・・。
・・・・・ご主人様のパンツ1ダース?
・・・・・・・・・・・・・ざけんなぁ!!!!
年頃の乙女に何買いに行かせんダ!!このやろう!
もちろん、心の中で叫びましたとも。
町の中で叫ぶなんてそんな恥ずかしい事、年頃の乙女が出来ません。
怒りで震える拳を落ち着け、仕方がないので男性の下着専門店へと赴きました。
顔が真っ赤なのは許して下さい。
っていうか、平然と入っていける16歳いたら出てこい!
・・・・代わって下さい。
「・・・・す、すみませんゅ!」
噛んだ!!しかも、変な所で!!恥ずかしさ倍増だ!!
私の声に、店の奥から初老の男性が出てきた。
「はいはいっと・・・。おや、これまたかわいらしいお客さんだ」
「・・・すみません。こ、これください!!」
私、男の人のパンツなんて買った事無いし、恥ずかしいしで、メモをそのまま店主にみせました。
「あ~はいはい。マルサス侯爵のお使いさんだね?ほら、これが頼まれていたものだよ」
店主は心得ていたかの様に店の奥から紙袋に入ったパ、パンツを持ってきた。
「・・・・こんな可愛いおじょうちゃんにお使いさせるなんて、侯爵様も酷な事をさせるのぉ。ほれ、頼まれていたものはきちんと入っているからこのまま持って行きなさい」
そうでしょう!?そうでしょう!?心の中で酷くその店主の言葉に頷きながら(おじょうちゃんって言うのが何歳くらいを思っていった言葉かはあえてスルーとする)荷物を預かるとお礼を言ってすぐに店を後にした。
「く、こんな辱めを受けさせるほど、ご主人様は私が嫌いなのかしら・・・・」
嫌われていたのは何となくわかっていたが、こうもあからさまにされたのでは本当に心がつぶれそうなくらい悲しくなってしまう。
しかし、ここで泣く訳にもいかず、とぼとぼと屋敷に向かって帰る途中いつもの果物屋さん(毎回同じ果物を買っていく私にも優しい、気のいいおかみさんのいる店だ)から声がかかった。
「リル!今日は寄っていかないのかい?」
おかみさんの笑顔を見ると思わず我慢していた涙がこぼれ落ちてくる。
「お、おかみさぁ~ん!!」
「おやおや、どうしたんだい?」
よしよしと小さい子をあやす様に私の頭を撫でながら私を抱きしめてくれる。
そんなおかみさんにこの買い物の事を話すとおかみさんは困ったように笑った。
「あらら、困った侯爵様だね。まぁ、あの侯爵様もちょっと鈍い方だから、リルみたいな女の子が男性もののパンツを買う事が恥ずかしい事だなんて知らないんだよ。そういう時は他のメイドさんに頼んだらいいさ。もっと年上の人もいるんだろう?」
「っっひっく。・・・・はいい。だけど、私が頼まれたものを先輩に押し付けるなんてできません・・・。そ、それに、きっとご主人様は私を辞めさせたくてこんな事をしてるんです・・・。私がご主人様にぶつかったりなんてしたから・・・・」
以前、荷物で前が見えずご主人様がそこにいた事に気づかずぶつかってしまった事がある。
あの時、ご主人様のお顔を見あげると、般若のごとくお怒りになられた表情をなさっていた。主人にぶつかりその表情を見た瞬間悲鳴を上げて逃げるメイドなどやはりこの世界のどこにもいないだろう。
そんなメイドは必要ないと思っているに違いない。
契約上、ご主人さまから辞めろとおっしゃると違約金を微々たるものでも払わなければいけなくなることが嫌なのだろう。(昔、あまりにも身勝手な理由でメイド使い捨ての様に扱う貴族が多発した為、現在ではメイド達の生活を保障する上で、メイドを保護する契約を交わすこととなった)
くそう・・・。金持ちなんだから微々たる違約金くらいなら払ってもいいじゃないか!!
一人、ぶつぶつ言っている私をおかみさんは困ったように眺めながら笑っていた。
まさか、おかみさんもご主人様の手の者だなんてこの時は思ってもみなかった・・・・・っ!!
リルの背は大体145㎝くらいだと思って下さい。
それでもって、少し童顔な感じの女の子。
そんなイメージで話を作ってます。
こんなところで説明してごめんなさい(>_<)




