ベネディクト 1
はい、拙い小説をお読み頂きありがとうございます!
今回は侯爵様です。
はじめまして、私は、ベネディクト・マルサス。
爵位は侯爵だ。
ここに出てきたのは、リル一人の語らいだとどうも誤解を受けてしまいそうなので、リルに内緒でここに登場させてもらう。
決して、誤解などしないでほしいのだが、私はリルの事が嫌いなどと言う事は決してない!!
むしろ、好きだ。大好きだ!!
この想いを常に彼女に伝えているにも関わらず彼女は斜め上に受け取ってしまう。
・・・多少、私も感情表現が苦手なので、誤解を与えることもあるかもしれないのだが・・・・・(ぼそり)
ご、ごほん!!
ともかく、だ!
私は彼女を私の妻にすべく日々奮闘している。
ん?身分差?
はっ!そんなものどうにでもしてやるさ。
・・・・現在の陛下の秘密は・・・・・・。
いや、なに、そんな脅したりなどはしない。多少、内緒にする代わりにこちらの願いを聞き届けてもらうだけの事。現在侯爵となった身ではあるが、元々陛下とは騎士時代の仲間。
人に言えない事の一つや二つ・・・・。
いや、決してこの様な事を見越していた訳ではないぞ?よ、弱みを握っておく事は戦略のひとつだ。
・・・・まぁ、私の弱みを他人に握られるなど、あっていいわけはないがな。
あぁ、話がそれてしまった。
そう、それでだ!私は、屋敷に戻り父の後・・・つまり侯爵業を継いだ。
そこでまっていたのが、小動物のように動き回る可愛い小娘だ。
小さいくせに、色々なものを抱えて走り回る彼女の姿を始めは危なっかしいなと見ている内に荷物に紛れた彼女から目が離せなくなった。
多少、メイドとしては口が悪く、そそっかしいところはあるが・・・(決してメイド失格などと思った事はない!!)それもまた愛らしく私の胸が苦しくなる。
その苦しさも始めは何なのかわからなかった。この年まで恋をしたことなどなかった。(誤解のないようにいっておくが、決して女を知らない訳ではない!騎士時代は女が寄って来ていたので多少摘み食いはした。だが、心を持って行かれることなどないと言うだけだ!)
そんな、胸の苦しさを抱えるある日、彼女が相変わらず前が見えないくらい荷物を抱え、よろよろと歩きながら私に近づいてきた。ぶつかると解っていたが、私はよけなかった。いや、そのかわいらしさに見入ってしまって動けなかった。すると彼女は私の胸に飛び込んできた。
そのときに体中に走った電撃のようなしびれは今も忘れる事が出来ない。
思わず、彼女を荷物ごと抱きしめてしまった。
彼女は眼を丸くして叫んで逃げて行ったが・・・・・orz
それ以来、用事があるときは彼女を呼び彼女だけに私の用事をまかせる。
私の事を知ってほしいので、ある時は私の好みの本を持たせたり、またある時は私の仕事を知ってもらいたく、書類を読ませてみたり、またまたある時は私の好みの果物を知ってもらう為、一箱それを買ってきてもらったり。
彼女は私の好きなものを少しずつ把握している事だろう。
だけど、最近はそれも物足りなくなり、無意識のうちに彼女の傍に近寄ってしまう。
急に私に近づかれるものだから、彼女は身分を考えてすぐ身を引いてしまうが・・・・。
あぁ・・・・、じれったい。
早く、彼女を自分のものにしたい。
さて、それにはまず、彼女の身分からどうにかしないと結婚までもっていけないな・・・・。
・・・・い、イタイ・・・・。
はぁう・・・・。
侯爵が良く務まるな!と、お思いの方。
この侯爵恋愛事には変態のごとく突っ走るお方なのですが、仕事は完璧です!!
・・・人間どこかに欠点があるものですよね???




