リル11
「リールさん、あなた今まで何やってきていたの?」
新しく同僚となったシュリさんに現在怒られています・・・・。
本日より始めた仕事。メイド頭のクレアさんより、仕事を説明してくれるシュリさんを紹介されました。
そして、早速仕事を始めようとしていた途端です。
「す、すみません」
「いえ、謝罪はいいの。どうしてこうなったのかその経緯を聞きたいわ」
「・・・・・」
私の目の前には散乱した掃除道具達が床に所狭しと寝ころんでいます・・・。
はい、お掃除道具をひっくり返しました。
「その。あの・・・・。全てを運ぼうとしたら・・・・」
その言葉だけでため息が聞こえてきます。
「どうして、そんなことをしたの?自分の力量をご存知ないの?」
「いえっ・・・一度で運んだほうが効率的かなぁ・・・・なんて・・・・」
再び深い溜息が聞こえてきました。
「あなたは馬鹿?こうして仕事を増やされる方が非効率的だわ」
グハっ!!
全くその通りなので言い返す事なんてできません・・・。
「はぁ・・・。いいわ。とにかくここを片付けたら私の所に来て。私は他の仕事をしているから」
そういうと、シュリさんはさっさと行ってしまわれました。
えぇ・・・。そんな事当たり前だと言われれば当たり前なんですけど・・・・。
私は、とにかくここに散らかった掃除道具を片付けました。・・・3往復して。
え?3往復しなければいけない程の量を1度で持ってこようとしたなんて、それは無理がある?
・・・なんでしょう。なんだか、私、物を積み上げていないと落ち着かなくて・・・。
ってぇ!!これってあの人のせいでしょうか!?
い、いやぁ!!これがくせになってしまっているなんて!!あの人がいない場所でもあの人に苦しめられるとか、どういう事ですか!!
くっそう・・・。どこまでも迷惑な人ですね!!全く・・・・。
「いつまでたっても来ないからどうしたのかと思えば・・・・。そこで百面相してる暇があったら、とっとと来なさい!!」
・・・様子を見に来たシュリさんに怒られました。
はぁ・・・。どこまでも私に迷惑をかける人のせいですね。
はい。忘れましょう!忘れましょう!もう、あの人とは何の関わりもないんですから!!
「・・・あなた、私の言った事が理解できていない様ね・・・・」
い、いたたたた!!
耳!!耳を引っ張らないでください!!
あぁ・・・!!そのまま引きずらないで下さいぃぃぃ・・・・・・・・。
こうして、私の初仕事は終わっていったわけです。
え!?何も仕事してないじゃん!?
・・・しましたよ。とりあえず、掃除道具の片付けを・・・・・。




