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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第二十二章 自分勝手なかなめの『本性』

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第93話 かなめの妙なこだわり

 誠達が到着した浜辺にはすでに観光客達がそれぞれにビニールシートやビーチパラソルを用意して場所を確保していた。


「留守番組……ちゃんと場所は取ってあるのか?」


 島田が先導した先はバーベキュー場ではなく海水浴場の浜辺だった。


「西園寺さんも心配性だなあ……月島屋の女将がついてるじゃないですか。平気ですよ。きっと最高の場所を確保しているはずです」


 ぎっちり場所を占拠している海水浴客達を見ればかなめの心配も当然だった。


「でもあれだけのホテルで、ホテル自体が西園寺さんが来るために建てられたんでしょ?じゃあ『プライベートビーチ』くらいあっても良いんじゃないですか?」


 誠はかなめのお姫様ぶりを見せつけられてきたのでためしにそう言ってみた。


「最初は被官からそう言う提案もあったんだ。でもなあ……」


 苦笑いを浮かべながらかなめはつぶやいた。


「でもなんですか?」


「庶民派で売ってる政治家の娘専用の施設を建てようってだけで甲武国では色々波風が立つんだ。そこにプライベートビーチを作るなんて言ったら問題になるだろ?アタシなりに親父には気を使ってんの!神前も少しは考えろ」


 かなめはたしなめるように誠にそう言った。


「西園寺さんはお父さんを気遣ってその申し出を辞退したんですか?偉いですね。なんやかんや言いながらお父さんの事、尊敬してるんじゃないですか?」


 珍しく誠はかなめの言葉に感心してそう言った。


「まあ、それは口実。アタシは根っからの庶民派でね。プライベートビーチなんて気取った物は嫌いなの。イモ洗いになってる海水浴客を見ながらのんびりと酒を飲む。それがアタシの楽しみ。こっちが泳げないのを良いことに優雅に海水浴を楽しんでる様を見せられるなんてうんざりだ」


 それはかなめの他人に対する嫉妬がもたらした歪んだ意見だった。


「なんだか歪んでますね、その考え方。西園寺さんももっと他人に優しくした方がいいですよ」


「うっせえな!バーカ!」


 誠は他人の不幸を肴に酒を飲もうというかなめの魂胆に心底呆れながらそう言った。



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