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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第十八章 球場への道

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第79話 立派すぎる設備と市町村合併

 アメリアのやる気のないのろのろとした走りにいつも全力疾走している誠は物足りなさを感じながら起伏の多い海岸線の道を走った。


 田舎道らしく車のとおりも少ない中、島田とサラがじゃれあう声と海の音だけが誠達の耳に響いた。


「見えたわよ。あの照明のある場所が球場」


 アメリアはそう言うと真後ろを走る誠を振り返って指さした。そこにはプロ野球のフランチャイズ球場にでもありそうな立派な照明施設がそびえたっていた。


「高い照明ですね。プロの公式戦ができそうなくらいじゃないですか」


 先ほどかなめが言った通りのその施設の立派さに感心すると同時に誠にはふとした疑問が生まれた。


「なんでこんな田舎に立派な球場が有るんですか?どこかの企業の硬式野球部とかの合宿場でもあるんですか?千要県のこのあたりに強豪校の高校も大学も無いですよ。普段は誰が使ってるんです」


 確かにこんな海しか見るところの無い田舎にそびえたつ立派な照明施設は誰が見てもこの付近の住民には不必要なものに見えた。


「そんなの無いわよ。町営の球場。三年前の市町村合併の時、国から臨時予算が配られたじゃない。そん時のどさくさに作ったのよ。なんて言ったって借りる値段が安くって……町民以外は一時間千円、町民は三百円ですって……田舎のお役所の金の使い方ってどうなってるのかしら」


 同じ公務員として明らかな税金の無駄遣いである球場施設の存在にアメリアは文句をつけた。


「お金のある所にはあるんですね。うちには予算が無いのに」


 誠は金の使い方が明らかに間違っている立派な照明施設をうらやむ気持ちで見上げた。


「そんな。うちだって厚生費の裏金が有るじゃない」


「アメリアさん。そんなことは自慢になりません」


 平然と『特殊な部隊』の裏事情を口にするアメリアに誠はただため息をつくしかなかった。



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