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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第十二章 かなめの『荘園』のホテル

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第45話 広すぎる部屋

「甲武の四大公って凄いんですね。こんなすごいホテルを家臣が保有しているなんて……ああ、被官でしたね、間違えました」 


 正直これほど立派なホテルは誠には縁がなかった。誠はしょせんは普通の高校教師の息子である、それほど贅沢が出来る身分でない事は身にしみてわかっている。


「何でも一番安い部屋でも一泊でお前さんの月給くらい取られるらしいぞ、普通に来たら」 


 島田がニヤつきながら誠を眺める。


「でしょうねえ」 


 エレベータが到着し誠と島田はそのまま乗り込んだ。その後ろをなぜか菰田がついてくる。


「なんでオメエが乗ってくるんだ?」


「俺の勝手だ」


 島田はヤンキーらしく顎をしゃくり上げて菰田を威嚇する。菰田は菰田でこちらは顎を引いたまま黙って島田をにらみ返した。


「晩飯も期待しとけよ、去年も凄かったからな……伊州牛の最上級のサーロインステーキのコース。銀座で食ったらうん十万の代物だぞ……それがタダだ。全く西園寺様さまだ」


「うん十万のステーキがタダ……」  


 島田の言葉に誠は正直呆然としていた。食事の話を聞くと誠は自分の胃のあたりにてをやった。体調はいつの間にかかなり回復している。自分でも現金なものだと感心していると三階のフロアー、エレベータの扉が開いた。


 落ち着いた色調の廊下。掛けられた絵も印象派の睡蓮の絵だった。


「この絵、見たことあります……有名ですよね本物ですかね」 


「さすがにそれはないだろうな。まあ行こうか」 


 誠の言葉をあしらうと、島田は誠から鍵を受け取って先頭を歩く。


「308号室か。ここだな」 


 島田は電子キーで鍵を開けて先頭を切って部屋に入る。


「広い部屋ですねえ」 


 誠は中に入ってあっけに取られた。彼の下士官寮の三倍では効かないような部屋がある。置かれたベッドは二つ。大きすぎて誠の理解を超えていた。さらに奥にソファーまでも用意してある。


 大型プロジェクション。高そうな食器の並んだ高級そうな木製の棚。天井にはシャンデリアがぶら下がっている。誠は明らかに場違いな場所に来てしまった事実に気づいて少し圧倒されていた。



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