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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第七章 誠が知らない『駄目人間』の過去

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第27話 混血児が『法術師』になる可能性

「でも『法術特捜』って名乗る以上、その茜さんも『法術師』なんですか?」


 誠は突然沸き上がった疑問を素直に口にした。


「そうだよ。法術の汎用性についてはお前さんよりかなり上。しかも、あるお方にその使用方法の訓練まで受けてる。今、素手で遣り合ったらお前さんには1%も勝つ確率は無いだろうな。素質じゃあ……どうだろ?俺は買ってるよお前さんを。ある意味完成されている茜より伸びしろは有るかもしれないけど」


 勝ち誇ったように嵯峨はそう言った。それでも誠へのフォローは忘れないところが嵯峨のある意味信用置けないところだった。


「そんなに優秀なら僕の代わりに茜さんをうちに引き込めばよかったのに。僕みたいな出来損ないよりよっぽどスマートに『近藤事件』を解決できたんじゃないですか?」


 嵌められてこの『特殊な部隊』に配属になったことにいまだに納得がいっていない誠はその嵌めた張本人である嵯峨に向けてそう言った。


「人にはね、向き不向きってもんがあんの。シュツルム・パンツァーを使っての火力じゃあお前さんのほうが茜よりはるかに上だ。でも、これまでお前さんが疑問を持たなかったある事実があるのを知ってるか?」


 いつも話をはぐらかす。誠は嵯峨と話していて振り回される感覚にとらわれることになれることができなかった。


「それは何でしょう?」


 嵯峨が話題を変えて振ってきた疑問についていけず誠はそうつぶやいた。


「俺は地球人なのか?それとも遼州人なのか?って知りたくならなかったの?」


「あ!」


 誠は嵯峨が甲武国出身だと知っていた。甲武国は地球人の国である。地球人に法術師はいない。


「隊長は産まれはどちらなんですか?」


 自分でも今更間抜けな質問だと思いながら誠はそう尋ねた。


「俺はランと同じ遼帝国出身。西園寺家には養子に入った。だから茜も遼州人の血を引いてる。かみさんはゲルパルト貴族で地球人だからハーフだな。その点ではかなめと一緒だ。かなめのかあちゃんは遼帝国出身。親父は甲武国出身の地球人だ」


 誠は嵯峨が法術師である以上、遼州人であることは予想がついていたが遼帝国出身だとは知らなかった。それと同時にかなめはあまり母親の話をしないので、彼女の母親が遼帝国の出身だと言うことも嵯峨の言葉で初めて知った。


「ちなみに法術師の遼州人と地球人の子供は高確率で法術師であるという研究結果もある。かなめの妹に日野かえでってのが居てな。そいつも法術師だ」


 嵯峨の言葉は誠に衝撃を与えた。法術師の子供の混血児が高い確率で法術師に成るのであれば、地球との交流が増えそうな今の時代。法術師が爆発的に増える可能性があることを嵯峨の言葉は意味していた。


 だが、それ以上に誠には驚いた事が有った。


「西園寺さんに妹が居たんですか……知りませんでした。あの我儘は一人っ子だからだと思ってました」


 誠は明かされる誠の知らない西園寺家の家系に驚きを隠せなかった。


「そうだよ、妹が居るよ。しかもこれも甲武海軍では知られた切れ者その官位から『斬弾正(ざんだんじょう)』って呼ばれてる。問題児の姉とは大違いだ」


 そう言う嵯峨の言葉に何かと言うと銃で問題を解決しようとするかなめの性癖を思い出して誠は苦笑した。


「じゃあついでに聞きますけどなんでかなめさんは法術師じゃないんですか?やっぱりサイボーグ化すると力が覚醒しにくくなるんでしょうか?」


 思いついた疑問を誠は目の前の『駄目人間』に尋ねてみた。


「お前さんにしては良い質問だね。未覚醒のまま一生を終わる法術師もいる。と言うかそっちの方が圧倒的に多い。かなめはまだ覚醒していない。覚醒する予兆もない。俺が知っているのはそんなとこかな。俺も法術の研究者じゃないんだ。あくまでこれまで話した法術師の話は本で読んだり人づてに聞いたりした話だ。事実だと言う確証は無い」


 嵯峨はとぼけたようにそういうとタバコをふかし廊下の奥に目をやった。



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