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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第四章 縁の下の力持ちのおばちゃん達

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18/201

第18話 これまでにない『特殊な部隊』の見方

「それにしても大変なお仕事よね、機動部隊のパイロットって」


 白石さんは誠がサツマイモを食べ終わるタイミングを見計らってそう言ってきた。


「そうですか?いつもはランニングなんかの体力トレーニングをして、空いた時間にはシミュレータで訓練する毎日ですよ。それほど大変と言うわけでは……」


 暇人扱いされている誠達『特殊な部隊』の隊員達の仕事を『大変』と言う白石さんに少し違和感を感じながら誠はそう答えた。


「だって人間切り替えが難しいのよ。いつもは暇でもいざことがあるとそれこそ不眠不休で任務に当たらなくてはいけなくなる。そっちの方が私達みたいにいつもルーチンワークをこなしてる経理職より大変じゃないの」


 白石さんは笑顔でそう言ってきた。その安心できる笑顔を見て島田の言う通り白石さんは裏表のない頼りになる人だと初対面の誠にもすぐに理解できた。


「白石さんは隣の工場で勤めてたんでしょ?工場だって納期が厳しい仕事が有ればそれこそ徹夜とか平気でするんじゃないですか?そっちの方が大変ですよ」


 自分の仕事をあまり大変だと思っていない誠はそう答えた。


「十年前まではそうだったんだけどね。でも、工場の仕事は危険と言えば機械の操作ミスとかの労災だけ。それに比べて司法局実働部隊の出動ではシュツルム・パンツァーで戦ったりするんだから。やっぱりそっちの方が大変じゃないの」


 白石さんの表情から笑顔が消えていた。


 確かに工場なら事故でも怒らない限り命の危険はない。ただこの『特殊な部隊』の任務の中には白兵戦闘やシュツルム・パンツァーでの戦闘も含まれている。命の危険は白石さんが言うように圧倒的に高いのも事実だった。


「確かに白石さんが言うように他の仕事よりは危ないことが多いですけど……その分危険手当も出てますし」


 その『もんじゃ焼き製造マシン』体質から誠には友達がほとんどおらず、軍以外の仕事については社会常識程度の物しかなかった。


「お金で命は買えないわよ!命は大事になさいね。私達は戦うことは出来ないけど、その準備とかを助けることができるから。何か心配事が有ったらいつでも言ってね」


 そう言う白石さんの顔には最初に誠が見た笑顔が戻っていた。


「はい、大事にします!」


「本当に素直。あの西園寺さんとかベルガー大尉とか気難しい人達と上手くやれてるのも、そのせいかしらね」


 白石さんに褒められた誠は少しいい気分になって満面の笑みを浮かべた。



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