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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第四十二章 入寮前祝の飲み会

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第177話 場を読まないカラオケの選曲

「ああ、これ以上アイツの話をしてると酒がまずくなる。誰かカラオケでも歌えよ」


 最初に話題を振っておきながらそれをすっかり忘れたというようにかなめは周りを見渡した。


「正人!デュエットしよ!じゃあ『愛の歌』よろしく!」


 かなめの言葉を待っていたかのようにこれまでおとなしくしていたサラが島田の手を引いて巷で人気の曲名を言って歩き出した。


「えー、俺その曲歌えねえよ……ってまあ、サラには付き合ってやるか。なんたって『彼氏』だからな」


 笑顔の島田はそう言うと茶髪のヤンキーが歌うにはふさわしくないようなポップな局長のイントロに合わせてマイクを掲げた。


 モテない人間が集まった国の国民であるその他の面々は、二人のラブラブぶりに明らかに嫉妬の表情を浮かべる。


「班長頑張ってくださいねー」


「島田君、サラに恥をかかせないでね」


 技術部員の応援もパーラの言葉もどこか白々しい響きをたたえていた。


 サラが歌い始めると全員がサラと島田を無視して焼鳥に集中した。


「こんなにあからさまに島田先輩達を浮かせなくても……」


 誠は少しはモテたいという意識があるのでそう言って仕方なしに曲に合わせて拍手をした。


「いいのよ、いつも見せつけてくれちゃって。どうせ島田君は本当にこの曲を歌えないんだから画面の文字を棒読みするだけで盛り上がらないわよ」


 一番二人の関係に嫉妬しているアメリアはそう言いながらビールを一気に口に流し込んだ。


 予想通り島田の棒読み口調とノリノリのサラのデュエットの時間はある種の地獄だと誠には思えた。


「アメリア、オメエ飲みすぎだぞ」


 ご機嫌にビールをあおるアメリアを見てラムをちびりちびりとやっていたかなめが珍しく常識的な指摘をした。


「そうかしら?いつも通りよ。飲みすぎるのはかなめちゃんと誠ちゃんだけで十分。私は決して酔ってないわよ」


「いや、酔ってるね。酔っ払いほど自分は酔ってないと言うもんなんだ」


 笑顔のサラを横目で見ながらそれを無視してかなめとアメリアは会話を続けていた。



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