表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第三十八章 新たなる日常の予感

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/201

第154話 新居の掃除開始

「それじゃあ行くか」 


 カウラと誠も立ち上がった。ようやく決心がついたとでも言うように、菰田とヒンヌー教徒も誠を白い目で見ながらその後に続く。


「菰田達!バケツと雑巾もう少し物置にあるはずだから持ってきてくれ」 


 食べ終わった弁当容器を片付けながら島田が叫んだ。仕方が無いという表情で菰田達ヒンヌー教団達が物置へ歩き始める。


「ほんじゃあ行くぞー」 


 投げやりにそう言うとかなめは歩き出した。アメリア、カウラもその後に続く。誠も仕方なく通路に出た。当番の隊員はすでに寮を出た後で、人気の無い階段を上り続ける。


「しかし、ずいぶん使いかけの洗剤があるのね」 


 掃除用具を取りに行った整備班員が持っている洗剤の瓶を入れたバケツにアメリアが目をやった。


「ああ、これはいつも島田先輩が掃除と言うと洗剤を買ってこさせるから……毎回掃除のたびにあまりが貯まっていってしまうんですよ」 


 誠は仕方がないというように理由を説明した。


「ああ、あいつ。そう言うところはいい加減だもんな。機械となるとあんなに几帳面なのにそれ以外はまるで……ああ、アイツは犯罪者だったな。じゃあ仕方がねえ」 


 かなめは窓から外を眺めながらつぶやいた。マンションが立ち並んでいることもあり、ビルの壁くらいしか見ることが出来ない。とりあえず彼らは西館一階の目的地へとたどり着いた。奥の部屋にカウラが、その隣の部屋にアメリアが、そして一番手前の部屋にかなめが入った。


「なんやかんや言いながらあの三人。気があってるんじゃないの?」 


 ポツリとパーラがつぶやく。その言葉はいつものようにかなめ、アメリア、カウラに無視され、誠だけが聞いていて苦笑いを浮かべた。


「パーラさん。ベルガー大尉を手伝ってくんねえかな。俺はクラウゼ少佐の手伝いをするから。よろしく頼みますよ」 


 そう言うと島田は真ん中のアメリアの部屋に入ろうとした。


「私はどうせ手伝ってくれるなら誠ちゃんの方が良いなあ」 


 入り口から顔を出すアメリアをカウラとかなめがにらみつける。


「お前と誠を一緒にすると仕事しねえからな。アニメの話とか一日中してたら明日の引越しの手伝いしてやらねえぞ」 


 アメリアのさぼり癖はかなめも知っているのでそう言って脅しをかける。自分の持ち込もうとする荷物が誰かの手助けが必要なほど大量なことを自覚しているアメリアはここは素直にかなめの言うことに従うしかなかった。


「わかりました、がんばりまーす」 


 かなめに言われると、アメリアはやる気の感じさせない調子でそう言うとすごすごと引っ込んでいった。


「こっちこい。神前。テメエはアタシの部屋の掃除を手伝え」


 誠は左腕を引っ張られて無理やりかなめの部屋に引きずり込まれた。誠にはいつも強引なかなめに逆らう度胸は無かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ