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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第三十六章 『護衛達』の新居

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第149話 封印されてきた部屋の惨状

 誠は幽霊部屋に十分人手が集まってきたのを察して廊下に出た。


 隣の二つの部屋では倉庫扱いされてきた部屋の汚れを予想してか、普段着から仕事中に来ている作業服に着替えた整備班員らしい住人が三人、埃に咽ながら積まれた段ボールを運び出しているのが見える。


「でも、これどこ置くよ……屋上か?」


「捨てるに決まってるだろ?この二年誰も手を付けなかったんだ。庭にでも投げとけ」


 段ボールを抱えた整備班員達はそう言うと次々と山のような段ボールを運び出し、十分もしないうちにシミだらけの畳が顔をのぞかせた。


「三人とも……本当にここで良いんですか?」


 そう言って誠について廊下に出てきたかなめ達に声をかけた。


「アタシは住むところにはこだわらない質でね。東都戦争でアタシが最初にあてがわれた部屋の方がもっとひでえ。それに比べたら百倍マシだ。軍人なんて職業は寝るところにこだわってたら勤まる職業じゃねえぞ」


 かなめは気にする様子が無いというように再び自分の幽霊部屋に入って窓に向かって歩み寄った。


 島田が新しい雑巾で丹念に汚れをふき取ったので窓ガラスは本来の透明感を取り戻していた。


「こりゃあ西日が強いな……クーラーはちゃんと動くのか?」


 窓から夏の日差しが照り付ける空を見上げながらかなめは誠に尋ねてきた。


「知りませんよ、そんなの。僕がこの部隊に配属になってから二か月経って無いんですよ。まあ、幽霊が出る部屋でクーラー使う人なんかいないですし……動かないかも」


 突然話題を振られて誠はそう答えるしかなかった。


「そうか。クーラーは買い替えだな。でも、今の時期はクーラーの交換もすぐにって訳にはいかないだろうから……島田に直させてしばらくはだましだましで行くか」


 かなめは納得したようにそう言うと窓から身を翻して誠達に目をやった。


「そう言えば、私が住む部屋もカウラちゃんが住む部屋も物置だったわけよね。確かに今の時期、クーラーが無いと辛いわよ。いざとなったら島田君と菰田君の部屋のクーラーを取り外してここに付けましょう。自業自得よ」


 この酷暑にクーラー無しで過ごせと言う残酷な言葉をアメリアは平然と吐いた。


「そうだな。私達の神前を警護すると言う任務が連中の快適さより優先されるのは当然の話だ」


 誠が想像するより女性陣の神経はタフだった。そして女性は怖いと誠は心底感じていた。




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