表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第三十章 ひと夏の経験を終えて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/201

第123話 思い出の海

 ほんの数時間前にバーベキュー場と『特殊な部隊』の陣取る浜辺へ行き来した道の歩道には人影はほとんど無かった。車道は次々と帰路に着く車が通り抜ける。倦怠感に実を包まれるようにして二人は歩いていた。


「今日はいろいろありましたね」


 そう誠が言えたのはバスの止めてあるホテルに入る小道に足を踏み入れたときだった。 


「まあな、最後にとんでもねえ目にあったけどな」


「そして(わたくし)の手に助けられたわけですわね」 


 駐車場の生垣として植えられた太いイチョウの木の陰から現れたのは茜だった。よく見れば東都警察の勤務服にぶら下げられた西洋風のサーベルが違和感を感じさせる。


「オメエ帰れよ。干渉空間を展開すれば隊まで跳べるだろ?とっとと消えろ」


 そう言ってかなめはそのまま帰りのバスに向かって速足で歩く。 


「命の恩人にそれは無いんじゃなくて?それにかなめさんはいくつか私に聞きたいこともあるって顔してますわよ」 


 そう言って口先だけの笑みを浮かべるところが、父である司法局実働部隊隊長の嵯峨惟基を彷彿とさせた。


「まったく親子そろって食えねえ奴だよ」 


 かなめはそう言うと額に乗せていたサングラスをかけなおす。そんなかなめに茜は笑みで答えてみせる。


「ふふっ、そうかもしれませんわね。まずなぜ私が法術特捜に配属されたか。それを知りたいんじゃなくって?」 


 かなめが聞きたいことのまず初めに来るだろう質問に答えようとする茜だったが、かなめはそれを聞くのを拒絶するように首を横に振った。


「ああ、叔父貴から聞いてた。異動はまだ先になるんじゃなかったのか?」 


 つれない感じでかなめは答える。茜は特に気にする様子でもなく話を続けた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ