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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第2章:新たなる戦乱の影

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2−2:アルカディア王立魔法士学校入学試験・中編


「……時間です、ペンを置いてください」


 広い試験会場内に、試験官からの試験終了の合図が響く。それと同時に、僕はペンを机に置いて前を向いた。

 机の上には古代魔法文字の試験問題用紙と、その全ての問いに対する答案を書いた回答用紙が置かれている。その回答用紙を、巡回してきた試験官が丁寧に集めていった。


 ……この部屋自体は、100人入るかどうかといった広さだろう。実際に80人しかここには居ないのだけど、同じような部屋が他にもいくつかあり、総受験者数は2000人を超えているという。その中の30人も合格すれば、その年は豊作だと言われるのだから……いかに王立魔法士学校に合格するのが難しいかが分かる。


「78、79、80……受験者全員分の回答用紙が揃っていることを確認しました。これにて筆記試験を終了いたします。

 なお、90分後に魔法実験用グラウンドで実技試験を実施しますので、遅れないようにご集合ください。1秒でも遅刻した場合は問答無用で不合格といたしますので、あらかじめご承知おきください。では、解散」


 試験官の言葉に、僕を含む全員がわらわらと席を立つ。これで3科目、全ての筆記試験が無事終了した。


「……ふう、なんとかなったな」


 とりあえず、3科目とも手応えは十分だ。特に魔法理論と古代魔法文字は、満点を取れている自信がある。

 一方のマナーは1問だけやけに難しい問題があったので、それだけが解けているか不安だけど……まあ、9割は下回っていないと思う。


「お疲れ様です、エリオス様」


 控室で待機していたティアナが、僕を迎えに来てくれた。


「ありがとう、ティアナ……と言いたいところなんだけど、実はここからが本番なんだよね」

「魔法実技試験ですか……」


 この後は、試験官の前で実技試験が行われる。場所は外のグラウンド (運動用ではなく、魔法実験用という名目のグラウンドらしい。一体どんな実験を想定してるんだろう?)で実施されるようだ。

 さて、早速グラウンドに……と、その前に。


「お腹空いたね」

「はい、もちろんご用意しておりますよ。ソリスバーガーとオレンジ果汁水、ちゃんと持ってきていますから」

「やった!」


 ソリス男爵家の伝統的な野戦食、ソリスバーガー。肉とレタスとチーズをバンズで挟んだだけのシンプルなハンバーガーだけど、オレンジ果汁水と合わせると本当に美味しいんだよね。


「午後の実技試験に向けて、力が漲るよ」


 早速、お昼を食べられる場所を探しに出る。今日は天気も良いし、ベンチとかでゆったり座って食べるのもいいかもしれないね。



 ◇



 昼食を終えて、体調を整えた僕は少し早めに実技試験会場へと移動する。1秒でも遅刻すれば1発アウトなので、早め早めの行動はリスク回避のために重要だね。

 そうして会場となるグラウンドに行くと、既に実技試験官が待っていた……って。


「ヨハネス教授?」

「やあ、エリオス君。さっき振りだね」


 筆記試験の前に会ったヨハネス教授が、『地属性』と書かれた立て札を持ってグラウンドに立っていた。他にも5人ほど試験官っぽい人が居て、それぞれ『火属性』『水属性』『風属性』『光属性』『闇属性』と書かれた立て札を持っている。


「もしかして、ヨハネス教授が地属性実技試験の試験官なんですか?」

「そうなんだよね」


 モノクルの位置を手で直しながら、ヨハネス教授が答えてくれた。受験願に得意属性を1つだけ書く欄があったから、闇属性とどちらか悩んで"地属性"と書いたんだけど……なるほど、実技試験でどの属性を受けるかを事前に確認していたのか。

 他の立て札を持っている人たちも見てみると、『火属性』なら赤いオーラ(火属性)、『風属性』なら緑色のオーラ(風属性)といったように、全員がそれぞれの立て札に書かれた属性魔力を身に纏っている。そのオーラが全員非常に力強いので、実技試験官は一流の魔法士のみで構成されているのだと一目で分かった。


「あ〜、確かに適任ですね。周りの皆さんも」

「うん? 適任とはどういうことだい?」

「ヨハネス教授は地属性が得意な方ですから。そして、あちらの『水』と書かれた看板を持った女性は水属性が得意……あ、光属性も少しできるのかな? 正確な採点ができるように、皆さん得意属性を担当されているのかなと思いまして」

「……どうして、その人を見ただけで得意属性が分かるんだい?」


 ……あ、確かにそうだよね。どんな一流の魔法士でも、相手が行使した魔法を見るまで得意属性は分からないものなのだから。


「僕は【魔眼】のスキルを持っています。なので、その方が纏う魔力の強さや色で魔法士としての力量や得意属性が分かってしまうんです」

「へえ、なるほど。そうだったんだね」


 思ったよりも簡単に、ヨハネス教授は納得してくれた。

 ……なんでだろう、という疑問が僕の表情に出ていたのだろう。ヨハネス教授が理由を教えてくれた。


「そりゃあねぇ、うちの学長も【魔眼】持ちだから、その辺はわりと慣れっこなんだよ」

「そうだったのですか」


 さすがは王立魔法士学校で一番偉い人だ。魔法士としても相当に優れた人なんだろうな。


「……さて、話してるうちに試験時間が近付いてきたね」


 向こうから、受験者と思しき人たちが色とりどりのオーラを放ちながら、続々とグラウンド入りしてくる。

 ……改めて【魔眼】で見ると、彼ら彼女らの実力はなかなかのものであるように思えた。レベルに換算すれば、ほぼ全員が40〜50くらいはあるのかな?


 特に驚いたのが、()()()()の4つ全てのオーラを併せ持つ人が受験者の中にいたことだ。どの属性の魔法も満遍なく扱えるみたいだけど、ほんの少しだけ()が強いのかな?

 案の定、その人は『火属性』の立て札を持つ試験官のところに歩いていく。【魔眼】を切って顔を見てみると、10代前半くらいの女の子だった。レベルは少し低めみたいだけど、それでも35くらいはあると思う。


「エリオス様、頑張ってくださいね!」

「ああ、これはだいぶ気合入れていかないとね」


 いくらレムレース討伐を頑張ったとはいえ、僕のレベルは25だ。ここにいる人たちの中では最弱クラスだろうし、保有魔力量も彼ら彼女らに比べれば少ない。

 しかし、その分は魔法の精度で十分に補える。前世の僕(ドグラス)がくれた技術に頼りきりの身で、あまり偉そうにはできないけれど……実技試験で、しっかりと実力を出し切ろうと思う。


「よし、開始時間だ。受験番号が小さい人から順にやってくよ……まずは受験番号7番、ヤン。前へ」

「はい」


 ヨハネス教授に呼ばれて、ローブを着た年嵩の男性が前に出る。ちなみに他の受験者は、邪魔さえしなければ見学していてもいいらしい……流れ弾で怪我しても自己責任らしいけどね。もちろん、僕は見学するつもりだ。

 さて、この人はどんな魔法を見せてくれるのかな?



 ◇



 実技試験の内容は毎年同じで、試験官の前でオリジナルの魔法を見せることだ。その魔法を見て、出来栄えを試験官が採点していくわけだね。

 実技試験は受験番号の小さい人から順にやっていくんだけど、僕は受験番号が一番大きかったみたいで最後になるようだ。


 僕より前の人たちが、次々と実技試験をこなしていくのを眺める。色んな人たちの色んな研究成果を見ることができて、確かに興味深かったんだけど……。


「なんか物足りないんだよね……」


 僕が見た感じ、ここで披露されたのはほぼ全てが攻撃系の魔法だった。それも岩を成形して飛ばしたり、降らせたりといった魔法がほとんどを占めていて、パターンがかなり少なかった。オリジナリティが無いとは言わないけど、既存の魔法を少し改良しました、みたいな魔法ばかりだったのだ。


「うーん……」


 現に、試験官のヨハネス教授は終始渋い顔だ。僕も受験する側なので、他の受験者を採点したりはしないけど……もし僕が試験官だったとしたら、全員間違いなく落第点だね。

 レベルや保有魔力量で比較すれば、僕より上の人はこの場にたくさんいる。むしろ、その観点で言えば僕はぶっちぎりの最下位だろう。

 でも、魔法の出来は残念ながら僕より下だ。地属性の特長を活かした魔法が、ほとんど無かったように思う。


「火は"破壊"、水は"清浄と汚濁"、地は"物質創造"、風は"自然"、光は"親和と拒絶"、闇は"精神"……地属性の得意分野は、物質創造なんだよ」


 前世の僕がしきりに呟いていた言葉だ。それぞれの魔法属性の特長を、一言ずつで言い表した言葉になる。

 そして、地属性の特長は"物質創造"。特に金属の扱いに関しては、地属性魔法の専売特許だと言える。優れた地属性魔法士は優れた金属を魔法で生み出したり、精錬したり、自在に成形したりできるのだ。

 なのに、受験者が魔法に使っていたのはほとんどが岩で、稀に鉄が混ざっていたくらい。その鉄も不純物が多すぎて、強度的に脆いものばかりだったのだ。

 ……周りに地属性魔法士が居なかったから、前世の僕(ドグラス)がどれくらいの実力を持っているのか、いまいち測りにくかったんだけど……今回の実技試験を見ていて、確信に変わった。


 前世の僕(ドグラス)は、トップクラスの実力を持つ魔法士だった。冗談抜きで世界一なんじゃないかと思えるくらいに、突き抜けた能力を持つ……というね。

 もちろん、だからといって僕まで世界一などと、驕り高ぶるつもりは全く無い。しっかり努力を続けなければ、才能など簡単に錆び付いてしまうものなのだから。


「最後、受験番号1988番、エリオス・ソリス」

「はい」


 遂に僕の名前が呼ばれた。さて、これまで必死に練習してきた成果をここで披露するとしようかな。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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