表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/34

26、初鑑定とワープポータル

 魔法とついでに称号を授けてもらった後、俺は手に入れたレジェンダリー武器を早速鑑定してみようと試みた。

 なにせあんな強敵が持っていた武器だ。かなり強いに違いない。


 鑑定のやり方は簡単で、対象のアイテムに向かってマナを放出すればいい。それだけでそのアイテムが持つ隠された効果などを確認できるのだ。

 早速、巨大なレジェンダリーメイスへマナを放出。すると、紫色の文字がメイスの頭上に浮かび上がりだした。


 そこには色々書いてある。

 追加ダメージプラス50。

 攻撃速度マイナス50パーセント。


 25パーセントの確率でクリティカルダメージ。

 クリティカルダメージプラス30パーセント。

 骸骨系モンスターに追加ダメージ100。


 ……うーん、結構強い……のか?

 ちなみにロングソードは追加ダメージプラス5だ。数字だけ見ると10倍は強い。


 しかし攻撃速度が50パーセントも減るなら、実質ロングソードの5倍程度の強さということではないだろうか。

 クリティカル率やクリティカルダメージが増えるから、明らかにロングソードよりは強いだろうけど……地味だ。レジェンダリーなのに地味。


 とはいえまだ中級鑑定スキルしかない俺には、この武器の真の効果を把握できていない。もしかしたら隠された能力があるかもしれない。

 いまいち地味なレジェンダリーメイスを前に考え込んでいると、アルティナがいつの間にか近づいてきていた。


「お困りのようですが、どうかしましたか?」

「困ってると言うか……あのクロウラーが落とした武器、そこまで強くなくてさ」

「ふむ……鑑定スキルとは別に、まだ真の力を発揮できてない可能性がありますね」

「……そうなのか?」

「ええ、レジェンダリー武器はそれ以下の等級武器と違って、成長する余地を残しております。レジェンダリー武器自体にレベルが存在し、マナを使ってレベルを上げる事でより強力になるんですよ。ただ……」


 アルティナは困ったように眉をひそめた。


「それができるのは、知識を司るクリスだけなのです。彼女を助けるまでは、このまま運用するほかありません」

「なるほどねぇ」


 どうやらレジェンダリー武器は強化することができるらしいが、それができるのがまだ封印されている女神らしい。

 とりあえず現時点でもロングソードの5倍以上は強いから、それで満足するしかない。


 問題は……重いことだ。

 メイスを手にしてみると、ずしっとした重量感。両手でしっかり握って振ってみるが、やはり攻撃速度はどうしても遅くなる。


 だがその重量で攻撃時の手ごたえは十分。この先スケルトン以上の敵が現れた場合、この強力な一撃が頼りになるだろう。


 ひとまず試運転としてこのメイスを使って地下攻略に乗り出してみよう。


 そう気合を入れ、地下へ向かう階段へ向かった。

 するとそこでメルトが何やら作業をしていた。


「何してるんだ?」


 不思議に思って尋ねてみると、彼女は勝ち誇るように胸を張った。


「見なさい! あんたの為にワープポータルを作って上げたのよ!」

「ワープポータル?」


 見れば、階段近くに赤色のポータルが設置されている。


「これを使えば、今到達している階層ならどこでも自由に行けるのよ。完全な一方通行だけど、わざわざ毎回地下一階から降りずに済むのは楽でしょ?」


 それはかなり楽だ。これから先地下へ進めば進むほどそこまでの道程が大変になると思うと、到達していればどこでも好きな階層に行けるのは嬉しい。


「すげー。さすが女神様」

「そうでしょそうでしょ! あっはっはっはっ!」


 尊敬半分、わざとらしく崇めると、メルトはかなり気を良くして高笑いをした。


 ……本当に女神の威厳ないよなメルトは。完全にただの小娘だよ。

 それを口にしたら絶対に角が立つので、胸に秘めておく。


「んじゃ、がんばって地下攻略してきなさい。その間に聖堂は改装しておくから、楽しみにしてる事ね」


 メルトは鼻歌混じりで去っていった。本当に聖堂にベッドや風呂場を設置するつもりなのだろうか。

 まあ、いつまでここに囚われているか分からない以上、快適な暮らしができるのなら申し分はない。


 俺はワープポータルに入り、そのまま地下二階へ向かうのだった。

ブックマークなどありがとうございます!

ストックが切れたので、しばらく書き溜めをしてゴールデンウイークに更新したいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ