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1558年

誤字報告ありがとうございます。

「えっ、斎藤家ご当主がご病気?」


「はい、もはや隠し切れなくなった模様です

 政務はご隠居様や弟君がとられて美濃を纏めているようです」


「そうか・・・」


如月に入り弥七殿が部下達の報告に訪れてくれたのだ。

確かにご病気で早くに亡くなった記憶がある(信長の○○で)

そして、この世界では斎藤道三様がご存命だった。

盛大な親子喧嘩は無かったからだ!

話はそれるが、平手様ご隠居も体調が思わしくないとお聞きしている。


「弥七殿、美濃は引き上げて鳴海城と大高城近辺の正確な地図を作ってくれないか!」


弥七の目がキラリと光る。

目の前の人物が奪還に動くと言っているのだから、静かに体が高揚してきた。


「はっ、かしこまりました」


それと「これを」とある物が手渡された!

そう、綿花の種である「ありがとう」と言いながら手を握ってブンブンと振ってしまった。喜びを爆発だ!

では、次の春からと思い、完成した織田家農業試験場に思いを込めるのであった。

最近は、農業試験場を稼働させる為に走り回っていて、徐々に体制は整ってきている。春からは田植えも正条植えで試験栽培が出来そうだし、牛・馬・鶏も数がそろい出した。勿論落ち葉の肥料作りはスタートしているのだが、その中に綿花が加わり、今後が楽しみになって行く・・・がそれに応じて僕の仕事量は増えていくのであった。




「全員揃ったな!」


佐久間様を筆頭に、重臣方がそろっている。

何故か僕も・・・解せぬ。

そして、殿は機嫌よく話し出す。


「甲斐の武田と同盟を結ぶぞ!

 その為の知恵を出せ!」


(よっしゃー!殿良くご決断頂いた)

(これで、今川と共同戦線を張られる可能性が小さくなる)

(ホント、ピンチだったんだよね)

(あとは武田を・・・・・・・・・)


一番末席の僕の表情は代わる事なく、神妙に聞き入っている振りをして、心の中では悪だくみを開始する。

それから重臣達の意見がでて話がまとまりかけるが・・・


「小一郎、せっかく来ているのだから、お前も意見を述べよ!」


「はっ

 では、年少者の戯言と思いお聞きいただければ幸いです」


小一郎の雰囲気が変わり、柴田様以外が身構えた。

何時もの無茶ぶりが来るのを判っているからだ・・・


「武田家を織田家抜きでは成り立たない国にしましょう!」


「「「「はぁ?」」」」


「はぁ?は無いでしょう!

 美濃で成功している手段ですよ・・・」


うんうんと頷く村井様とハッと気が付く殿!

村井様に説明を受けて理解した、佐久間様・蜂屋様・内藤様と平手様。

それでも???の柴田様がいた。


「では再確認もかねて」と話しだす。

現在、織田家は物納の塩を尾張の価格で美濃斎藤家に販売しています。

美濃は海が無いので、塩・海魚を始め海産物の価格が尾張より高いのはご理解いただけますね!


頷く5人の重臣。


それで、こうで、ああで、そんなことがあり、こうなり、織田家が儲かるのです(エッヘン)

「ほぉー」とご理解頂けたみたいだ。

これを武田家にも行う、しかも塩だけでなく米でもだ!

いっかい安い価格で購入すると、価格を比べだすので尾張のコメと塩が市場を独占できるでしょう。

それが、コメ・塩だけでなく全ての商品に成ればどうなるか、想像をしてみて下さい。

想像を促してから・・・もう武田家は織田家との繋がりを切る事は自滅をする事と同じ事になるのです。

それを気が付いた時には、もう手遅れでしょうし対策として商人達に働きかけても同じ値段での販売は断られる為、織田家との関係が生命線となる事でしょう!


説明を聞き終え、重臣方は納得してくれた。


「では、我が織田家安泰の為に是非とも同盟の締結をお願いいたします」


「では、佐久間しかと頼んだぞ!」


これが上手くいけば、東美濃と南信濃は織田家の影響下になるであろう。

全ては佐久間様にかかっている・・・頑張って貰おう!

あっ・・・お土産に焼酎と清酒を持っていって貰おう・・・!



半年後の葉月!


「殿、武田家との同盟相成りました!」


「良くやってくれた

 流石、筆頭家老じゃ!」


と佐久間様の努力を大いに称える殿がいたのが非常に印象に残る。

それから大宴会になり、殿自らが佐久間様に清酒を注いでいる事に、うれしそうに涙を浮かべている佐久間様がおられた・・・


それからは村井様と僕の仕事だ。

担当者と手紙のやり取りと許可を頂きながら、武田家との国境近くに市場用の広場を作り、道を整備して段取りを整えていく。

勿論、津島・熱田にその事を伝えると、何時からとせっつかれて商魂の逞しさを見せつけられた。ただ開始は武田領の雪解けを待ってからと決まったので、準備万端にするようにと伝えるのであった。

雪解けから初雪までの間に、精出して商売してもらおう。

ただし、お米と塩の第一便はすぐにでもと言われ、稲刈り前の一番高い時だがお構いなしに注文が入る。それに応えるべく内藤様を隊長にした輸送隊を結成し甲府の躑躅ヶ崎館に向い出発したのであった。

なお、この話が駿河に伝わった時には、お歯黒様が激怒したとかしなかったとか・・・




長月に入り、何時もの様に養蜂&へちまと今年は綿花と個人的にも忙しい。

美人水にして、奥さんにプレゼントだ!

そんな事を思いながらも、養蜂をしている農民がだいぶ増えて価格が少し下がり気味になって来た。

何か手を打たねば・・・・・・

それと今年から収穫作業用の試験で千歯こぎを貸し出したし、備中鍬は好評を得ているが農家の所得が上がらないと買い替えまでは行かないみたいだ。

今は、希望者に貸し出しで試してもらっているが、3公7民の織田家でも中々購入までは行かないどのようにしたら広まるか色々考えていかねば・・・


そんな事やあんな事をしていたら・・・「木下様」と弥七殿が・・・

お願いして有った、鳴海城と大高城とを含む三河国境の地図が出来上がっていた。

地図には例の場所(桶狭間)もしっかりと書き込まれていた。


「ありがとう、これでどうにかなる」


素直に頭を下げるのに、いつもビックリする弥七殿であった。

ただ、この地図が小一郎の今後の戦略(対今川)には欠かせぬ物となっていく。

あっそれと、今年も帝、山科様、足利将軍の所には正月用の物を献上せねば・・・

あれ?僕は体がいくつあっても足りないぞ・・・部下が欲しい・・・。

殿にお願いしてみよう!

それと、国友から二家族の鉄砲鍛冶が到着した。

名を権六と太郎といい、若手二人がやって来てくれた。

急いで、仕事場の建設と必要な機材などを揃える為に商人にあれ・これ・それと注文して行く。先行投資だからケチケチしないで太っ腹で。あっ勿論、織田家家臣としての登用であります!これが軌道に乗ればあの計画にも・・・


そんなこんなで、人手が足りないのに仕事を抱え、新しい事をしたそうで体がいくつあっても足りない小一郎であった・・・




それは霜月も終わりを告げるころだった・・・


「えっ・・・・」


僕は言葉に詰まった。

平手様より村井様に使者が来て・・・ご隠居様が亡くなられた・・・

この国の大黒柱が精神的支柱が旅立たれた・・・


・・・

・・・

・・・


特に殿の気落ちが凄く、いかに平手様を頼りにされていたかが解る。

殿だけではない、僕も村井様・佐久間様にしても困り事の最終相談先は平手様であった。

そんな殿は、いつまでも哀しみにとらわれていたらご隠居様があの世に旅立てないと心を強く持ち、平手様の為に沢彦を開山として政秀寺を建立しその冥福を祈ったのであった・・・




つづく。






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