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咲「あ…あれなんですよ……。」
勇「? あれって?」
もう既に不自然なほど時間が経っている。
慎『…クッ! こうなったら…。』
慎一はふと思いついたのを、なるべく咲をかばうような、落ち着いた雰囲気で言うためにフッと息を吐いた。
慎「実はさ、咲、そん時にはもう風邪引いてたんだよ。それで、他の子にうつさないようにと思って言ったんだけど、悪いけど実家の環境が環境だったから、どう言えばいいのか分かんなかったんだよな。それで誤解されるような言い方になっちゃって。ってこないだ聞いた。」
咲が一番驚いていた。
というのも、他2人はむしろ安心の方を表情に出していたからだ。
木「そうだったの?」
咲「あ……え……は、はい……。」
勇「なぁんだ、ならそう言えばいいのに。」
咲「う…」
慎「それはホラ、恥ずかしがりで緊張してるし、自分が気ィ遣ってたって知られて気ィ遣わせたらいけないって思ったんじゃない?」
慎一は咲に質問する形で咲の顔を見て、小刻みに口を動かして合図した。
咲はそれを見て、黙って大きく頷いた。
勇「そっか、ただの度を越した友達想いってだけだったんだな。」
木「正直人間嫌いなのかなって思ってたからちょっと安心したわ。」
咲「そ、そげなこと……そんなことないDEATH…。」
慎「まぁ恥ずかしがりではあるけどな。」『よし! よくやったオレ! マジGJ! 略してマGJ!!』
ガッツポーズしている慎一の心理描写がそこにあった。




