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慎「!?」
?「見つけた!」
逆光で性別も分からなかったが、声からすると男だ。
そいつは持っていた金属バットを振りかざし、窓に思い切り叩きつけた。
バリッと音がして一面真っ白になるほどのヒビが入った。
しかし、割れていない。
?「あれ…変だな……。ソレッ!」
もう1発叩くが、やはり割れない。
今流行りの、防犯用特殊フィルムの貼ってある窓は強かった。
ボロアパートのくせに大したものである。
慎『ヤツらの一味か!? クソ! 咲は寝てるし、このままじゃ……』
慎一は身構えて対策を練ったが、何も考えつかないし、同時に窓も全然割れる気配がない。
しばらくして男は叩くのをやめた。
かと思うと、普通に窓を開けて入って来た。
慎「何でッ!!?」
?「お、何だ、開いてるじゃんか。」
慎「ちゃんと戸締りしとけ―――――――――――――――!!!」
慎一の怒号虚しく、咲は依然すやすやと寝息を立てていた。




