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19-4

とことん意味が分からず、首をかしげていると、机の上で何かが光った。



慎「ん?」


見ると、咲の携帯が置いてある。


何気なく手にとり、開くと、新着メールや不在着信の案内が数件表示され、いずれも慎一からのものだった。



慎『携帯も持ってない…?』



携帯を閉じ、そのまま机の上に視線を落とす。





机の上に書き置きがあるのに気付いたのは、その時ようやくだった。



慎「何だこれ?」


慎一は携帯を置き、代わりにその書き置きを拾って読んだ。



随分走り書きだった。









慎一くんへ。



きゅうでごめんなさい。



たった今、鬼灯族のものがいえに来ています。



村がせんめつきょうかいのかいいんに見つかり、ほかの一族のものはみな、すでに国外へにげているとのことです。



わたしも、行きます。



今までありがとうございました。



こんなにとつぜんおわかれになるのはかなしいですが、またどこかであいましょう。



さようなら。



南 咲













慎「………。」



慎一は黙ったまま手紙をきれいに折り畳み、ポケットにしまった。




咲の携帯もポケットにしまった。




そうして、生活感だけの残る部屋を後にした。




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