138/144
19-1
目の前に、血まみれで横たわる咲。
慎「咲……? ウソだろ…?」
慎一が驚いていると、その遺体の向こうに、銃を持った見たことのない男が笑っていた。
とっさに、そいつが会員であることに気付く。
慎「テメエェッ!!!」
その男に殴りかかりに行った時、ハッと目が覚めた。
しばらく呆然と天井を見つめていたが、頬に違和感を感じて涙を流していることに気づき、そっと拭いた。
春休みももうすぐ終わるという時期。
慎一と咲はその日、春休み最後のデートの計画をしていた。
慎「…たく、何でこんな日にこんな悪夢を……。」
むくっと起き上がりながら、目覚めの悪い頭をかく。
しかし、それが所詮夢だったと気を持ち直してからは、日の射しこむ部屋が幾分明るく感じられた。
慎「さてと、時間もまだあるし、ゆっくりメシ食って、準備して行くか~。」
ゆったりとベッドを下り、部屋から出て1階のリビングへ向かった。
すごく気分が良かった。




