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13-2

2人はとりあえずその店を出て、人ごみの中をまた歩き出した。


今度は慎一のクリスマスプレゼントを探す番である。



慎『いくら金に余裕があるからって、やっぱりあんま高いものは申し訳ねえよなぁ。せいぜい高くても5,000円くらいが妥当かな…。』





なおも2人が手を繋いで幸せを暖め合っていた、その刹那だった。







商店街のはしゃぐ寒空に一発の銃声が響いた。






慎「な……!!?」



慎一たちを始め、その場にいた全員が驚き、おののいて銃声のもとを探してキョロキョロし出す。





慎一は気付いていた。



これほど人が密集している中、弾丸は他の人に当たることなく、自分の足元のコンクリートをえぐっていたことに。






慌てて辺りを見渡しても、パニックに陥った群衆のせいか、射手を特定できない。




咲「慎一くん、これもしかしたら会員の襲撃かも……。」


慎「くそ、せっかくのクリスマスだってのに!」



慎一は手をつないだまま走り出した。


咲も慌ててついていく。



2発目の銃声が正確に慎一と咲の足元で跳ね返ったのが、見なくても分かった。















――――――――――――――――――――――












2人はとにかく人のいない場所を目指した。



こんなところで会員が人喰いの鬼灯族がどうのこうのと喚き出すのはたまったものではない。


何より、流れ弾が通行人に当たるのだけは避けたい。



幸い、スナイパーは確かな腕なようで、慎一と咲にプレッシャーを与えるだけの弾を何発も撃ってきた。





慎一たちが通った人だかりは順を追ってパニックになっていく。


しかし、誰も巻き込んでいないならそれに構っている暇はない。



とにかく余計なことは考えず、人がいない場所を探して2人は走った。






いくら都会でも、走れば意外と人気のない路地というのは見つかるものである。



弾丸に追い詰められ、半ば誘導されるように2人が走りついた場所は、クリスマスだというのに何の活気もない、薄暗いだけの場所だった。




慎「くそ、会員め、途中探してみたけど全然姿現さねぇ…。」


咲「でもとにかく人気のない所には来れました…。他の人が犠牲になる危険は――――」


慎「俺らが死ぬ危険はものすごく高まったけどな。」


咲「う……。」


慎「とにかく、どうするか…。相手が凄腕となると、俺らじゃ太刀打ちできねぇぞ…。」


?「こんにちは。慎一君と、南 咲。」


慎・咲「!?」



突然聞こえた女の声に、2人は聞こえなくなった銃声に油断していた身をとっさに構えた。



声の方は影が濃く、誰かが立っているようだが顔がよく見えない。距離も少しあった。




慎「だ、誰だ!? また鬼灯族殲滅協会の会員か!??」


慎一が咲をかばう体勢で聞くと、声は落ち着いた声で答えた。


?「いいえ。」


慎「え…?」







声の主が近付いてくる。








慎「……え…、お前…」














現れたのは、両手で拳銃を構えた、明日香だった。




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