表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】どうも、勇者の父です。~この度は愚息がご迷惑を掛けて、申し訳ありません。〜  作者: 赤金武蔵
第五章 海の国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/113

第97話 勇者の父、最悪を予想する

【勇者の父、予約開始!】

 勇者の父の予約が、各オンラインストアで開始しました!

 Web版からかなり加筆されておりますので、どうぞよろしくお願いします!

   ◆



「二人とも、無事にアジトへたどり着いたみたいですね」



 海底の国ディプシーから、遠隔で二人の様子を見ていたウィエル。

 それを見ていたクロアとネプチューンは、安心したようにそっと息を吐いた。



「無事についてよかった」

「じゃな。一時はどうなるかと思ったが」

「ふふふ、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。ちゃんと地図を描いたのですから、迷うことはありません」

((それが心配だったんだが))



 図らずもクロアとネプチューンの心は一致した。

 方向感覚と直感が優れているミオンが一緒でよかった。もしドーナが一人だけで向かっていたら、恐らくたどり着けずに干からびてしまっただろう。

 そうなったら復讐どころではない。

 こんなこと、ウィエルに言ったら拗ねてふてくされてしまうから、言えないが。

 ネプチューンは咳払いをすると、「しかし」と口を開いた。



「本当に二人だけで大丈夫かの? 相手は、ディプシーの王国軍が長年捕らえられなかった精鋭ばかりだぞ。いくらクロアの下で一ヶ月修行したとはいえ、厳しい戦いになるのではないか?」

「でしょうね」



 ネプチューンの心配をよそに、クロアはあっけらかんと肯定した。

 その様子に、ネプチューンは目をぱちくりさせる。



「心配ではないのか?」

「心配ではありますが、二人なら大丈夫でしょう。なんといっても、このために鍛えて来たのですから」



 根拠のない自信。だがしかし、クロアの言葉には、大丈夫と言えば大丈夫と思える不思議な説得力がある。

 なら自分が心配することではない。

 ネプチューンはそっと微笑んだ。



「でもあなた。あの洞窟の中なのですが、少し妙な構造になっている気が……」

「妙な構造?」

「ここからだと、遠すぎて全貌がわかりません。でも、なんというか……あまりにも巨大というか、長すぎる構造になっているといいますか」

「長い年月をかけて集まった組織なんだ。拡張工事を続けていたら、いずれ……」



 と、クロアも違和感に気付いた。

 海底の国ディプシーから追放された魚人が作った組織、海のギャング。

 組織内での結婚や子作りがあったとしても、その数は限られる。

 ではなぜ、そんなに長い洞窟を作る必要があったのか。

 そして、どうやってディプシー(、、、、、、、、、、)に侵入し(、、、、)ドーナの家族を(、、、、、、、)殺したのか(、、、、、)



「……まさか……」

「あなた?」

「クロア、どうしたのだ?」



 クロアの様子が変わったことに、ウィエルとネプチューンが首を傾げる。

 だがクロアの頭の中は、仮説で頭の中がいっぱいになっていた。



「女王陛下、一つ確認が。陛下の水域探知ですが、どこまでの範囲が可能ですか?」

「む? 舐めるでないぞ、クロア。余の水域探知は絶対だ。水のある場所では、世界中のどこであろうと探知することができる」

「では質問を変えます。僅かに空中に浮かんでいたり、海底より下の地下に潜まれた場合……どれほど探知できますか?」

「う。……と、飛ばれると……わからん。地下も、完全に潜られると……」



 ネプチューンが気まずそうに指をもじもじさせる。

 悪い方の予感が、的中した。



「やはりか……」

「あなた、まさか……?」

「ああ、そのまさかだ。──海のギャングは、長い年月をかけてディプシーに入るための地下洞窟を掘ったんだ」



 本来では思いつかないような、ありえない言葉に、ウィエルとネプチューンは目を見開く。



「そ、そんな……! ありえるのか、そんなこと……!?」

「可能性としては大いにあるでしょう。これがひ弱な人間だったら可能性は低いですが、パワーも体力もある魚人なら話は別です」

「となると、あの洞窟の最奥が繋がっているのは……」

「ディプシーだ。恐らくあの洞窟の中は、二人の足止めで残っている魚人しかいないに違いない」



 クロアの言葉に、ネプチューンが軍団長へ連絡を入れる。

 だがディプシーも広大だ。侵入用の穴も、一つや二つじゃないだろう。

 いつ攻めてくるかわからない上に、穴が十や二十もあったら守り切ることは不可能だ。



「ウィエル、行くぞ。移動しながら、穴の場所を全て見つけて埋める」

「はいっ」



 さすがのクロアも慌てているらしく、超高速で城を出ると街へと走っていった。



続きが気になる方、【評価】と【ブクマ】と【いいね】をどうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  漸く百話……短いようで長かった。  これからもこのシリーズ、楽しませていただきますね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ