表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】どうも、勇者の父です。~この度は愚息がご迷惑を掛けて、申し訳ありません。〜  作者: 赤金武蔵
第三章 師弟相見える

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/113

第44話 勇者の父母、惚気ける

 紹介状をホテルのコンシェルジュに渡すと、流れるように案内される。

 地上六十五階、地下五階の超高層ホテル。その最上階だ。

 最上階には転移の魔法陣で移動するのだが、専用の魔法陣が付与されたカードを持った人じゃないと入れない仕組みになっている。

 ルームサービスも何もかも最高クラスで、流石のクロアとウィエルもこんな所に来たことがない。

 広大なリビング。

 バスルーム二つ。

 寝室二つ。

 団欒室。

 バルコニー(魔法による風よけ付き)。

 他にも室内プールは勿論、飲み放題のワインセラーまである。



「とんでもないな」

「流石王族、と言ったところでしょうか。こんな所をポンと用意してくれるだなんて」

「はわっ、はわわわわわ……!? た、高いですっ、凄いです……!!」



 いつもは冷静なクロアとウィエルも、今ばかりは気分が高揚しているみたいだ。

 ミオンはバルコニーから身を乗り出し、大興奮の様子。

 下には薄らと透明の膜が張られている。魔法による落下防止策だ。

 下にはビーチや海が広がり、遊んでいる人々や船、ボートが小さく見える。



「あそこのビーチで遊ぶんですかっ?」

「ああ。まあちょっとした訓練もしてもらうが」

「……してもらう、って?」

「歩行だ」



 …………。



「え?」



   ◆



「わきゃっ!?」



 ザパァッ!!



「けほっ、けほっ。うぅ、しょっぱい……! 噂に聞く以上にしょっぱいです……!」



 海に頭まで浸かり、涙目で咳き込むミオン。

 そんなミオンを、二つの影が見下ろした。

 当然クロアとウィエルなのだが……ここは海の上。しかもかなりの沖合だ。

 ミオンはゆっくりとそれを見上げる。

 そこには、海の上に立っている(、、、、、、、、、)絶世の水着美女と、ゴリゴリのマッチョがいた。

 優雅に佇むウィエルの肉体のなんと美しいこと。

 白い肌に黒いビキニが映え、普通の水着なのに艶めかしく見える。同性でも見とれてしまうほどだ。

 クロアの肉体は、文字通りゴリゴリ。

 ピッチリめの海パンだが、こんな人がビーチにいたら、怖すぎて誰も近寄らないレベル。


 そんな二人に圧倒されるも、ミオンはムスッとした顔をした。



水上歩行(、、、、)なんて、普通魔法が使えたとしても出来ないと思うんですけど」

「私が出来てるじゃないですか」



 ぐうの音も出ない。

 でもウィエルが特別だと思うのは気のせいだろうか。



「コツは脚全体ではなく、足の裏に魔力を溜めることです」

「うぅ。普通に遊びたい……」

「五秒立ってることが出来たらいいですよ。ほら、もう一度」



 ウィエルがミオンの手を取り、持ち上げる。

 ミオンの水着は青のモノキニタイプだ。

 年齢相応の体型だが、運動量が桁違いだからか全体的にスラッとしている。

 ウィエルも、ミオンの水着姿を見てちょっとドキッとしたくらいだ。



「はい、どうぞ」

「足裏、足裏、足裏……!」



 念仏のように唱え、足裏に魔力を集める。

 が。



「にきゃっ!?」



 一秒も経たず、また海に沈んで行った。



「出来ないですー! 無理でーす!」

「繊細な魔力コントロールが必要な技術です。これが出来れば、かなり使える魔法の幅が広がりますよ」

「ぐぬぬ……! ……ん?」



 そこで気付いた。ウィエルは魔法を使ってるから、海面に立っているのはわかる。

 だが魔法を使えないクロアも立てているのだ。



「あの、クロア様。何故クロア様も海面に立てているのですか?」

「よく足元を見ろ」

「え? ……んん?」



 よく見ると、海面が僅かに波立っている。それに、少し足が震えているような。



「超高速で足を動かして、水を固めて立っているんだ」

「嘘やん」



 いよいよクロアが人類かどうか怪しくなってきた。元からだけど。



「いやー、懐かしいですね。昔、二人で一日中海面散歩をしたことを思い出します」

「だなぁ。周りに灯りがないから、満天の星空が綺麗で」

「そこでファーストキスしたんですよね」

「そうそう。ウィエル、意外と大胆で焦った」

「そ、それは忘れてくださいっ!」



 唐突にイチャイチャしだした。

 そんな二人を見て、ミオンはジト目でゆっくり海に沈んでいったのだった。

 やってられるか、という意味を込めて。

続きが気になる方、【評価】と【ブクマ】をどうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] キスした時も実は超高速で足動かしてたかと思うと笑う
[良い点] このご夫婦は今も恋愛してるんですなー。 ミオンがジト目で潜水していく様が目に見えるようだ… でも、ミオンも結構大胆水着で海堪能してそう。 後で海の家でご夫妻に何か奢ってもらって下さい。
[一言] 白鳥『水面下の努力は見せない主義』 某親父『水面下である必要、あるか?』
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ