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【Web版】どうも、勇者の父です。~この度は愚息がご迷惑を掛けて、申し訳ありません。〜  作者: 赤金武蔵
第五章 海の国

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第104話 勇者の父、力の差を見せつける

【キャラデザ公開】

 Twitterにて、クロア&ウィエルのキャラデザを公開しました。

 よければご覧下さい。そして感想も是非!

   ◆クロア◆



 ネプチューンはクロアに、神域・天冥水領の中でも自在に動けるよう魔法をかけた。

 そのおかげで幾分か楽に動けるし、呼吸もできる。

 クロアはネプチューンに感謝すると、巨大イカに向き直った。



「ふむ……クラーケン、か? それにしては小さいが……」

「奴の倅だそうだ」

「なるほど」



 過去にクロアが対峙したクラーケンは、ディプシーを覆い隠すほどの巨大さだった。

 それを考えると、だいぶ小さい。

 20年やそこらでは、これくらいの成長が限界なのだろう。


 クラーケン・ジュニアは切られた手足を再生させる。

 が、その間クロアは動かず、またクラーケン・ジュニアも動かなかった。

 クロアは余裕から。

 しかしクラーケン・ジュニアは、本能で動けなかった。

 間違いなく、自分やネプチューンを超える化け物の存在に、本能が動きを固めた。



「あ? おいジュニア、何してやがる! さっさとあの女を嬲り殺せ! あの男もついでに血祭りにしろ!」

「────!」



 育ての親に恩は感じているが、その命令だけは聞けなかった。

 殺ろうとすれば、殺られる。

 動くに動けないのだ。



「クロアにビビって動けないようだ。さすが、余を孕ますことのできる唯一の男……♡」

「それ、ウィエルに知られたらまた怒られますよ」



 さっきまで大変な目に合いそうだったのに、ネプチューンは通常運転だ。

 精神的ダメージはないらしい。

 その時──切った触手が、クロア目掛けて迫ってきた。



「クロアに手を出すな、痴れ者がッ!」



 ネプチューン、激昂。

 直後、ネプチューンの放ったトライデントが全ての脚を貫いた。



「ありがとうございます、陛下」

「気にするでない。余のクロアを手篭めにしようとしたこいつらを罰したまでよ」

「誰があんたのものですか」



 本当、ここにウィエルがいなくてよかった。

 今のネプチューンは、『クロアに助けてもらっちゃった♡』という事実に、いろいろと混乱しているらしい。

 こんなところをウィエルが見たら、ネプチューンと喧嘩になりかねない。

 それを止めるのはクロアでも至難すぎた。



「っと、こうしている暇はないか……外はウィエルと王国軍が頑張ってくれています。俺らもやりましょう。時間が惜しい」

「そうであるな。しかしどうするのだ? 奴は物理攻撃しか効かない上に、動きも相当速いぞ」

「速い……ではまず、捕まえないといけませんね」



 クロアはゴキッと関節を鳴らし──爆発的な推進力で、クラーケン・ジュニアへ迫った。



「────!?」



 クラーケン・ジュニアも離脱。

 追い付かれないよう、クラーケンジュニアは高速で神域の中を泳ぐ。



「逃がさん」



 クロアは剛腕、豪脚を駆使してクラーケン・ジュニアを追う。

 速い。人類ではありえないほど、速い。

 いくらネプチューンが水中でも動きやすい魔法を掛けたとしても、速すぎる。


 クロアが更に加速。

 クラーケン・ジュニアも負けじと加速。

 しかしクロアの方が速いのか、その距離も徐々に縮まっている。



(この速さ、もはや魚人族を超えているのでは……?)



 ネプチューンや、スピードに自信のある魚人族は抜きにして。

 平均的な魚人族のスピードを考えると、明らかに今のクロアの方が速い。



「おぼっ! おぼぼぼぼぼっ……!?」



 クラーケン・ジュニアに必死に捕まっている頭領も、あまりの速さに振り落とされそうになっている。

 しかし両者の動きは止まらない。

 むしろクロアには余裕があるようにも見える。



「────!」



 いい加減追われることにキレたのか、触腕を伸ばしクロアへ攻撃を仕掛ける。

 が、クロアはそれすら手刀で簡単に切り落とした。



「奴より小さい分、切るのが楽だな。これなら、まだ武器を使う必要もなさそうだ」

「────!?」



 再生した触腕を鷲掴みにすると、自分の方に引き寄せる。

 それだけで、クラーケン・ジュニアの動きはぴたりと止まった。

 必死に逃げようとするが、ビクともしない。

 クラーケン・ジュニアの力より、クロアの馬鹿力が勝っている証拠だ。


 クロアは綱引きの要領で、クラーケン・ジュニアを引きつける。



「さあ捕まえたぞ、ジュニア。……絶対逃がさん」

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― 新着の感想 ―
[一言] 身体を使う事に関しては泳ぎであろうと完全に敵無しか。 息子もいつかこの領域に達するんだろうか。
[良い点]  クロアきた! これで勝つる!! [気になる点]  クラーケンて、食べられましたっけ?
[一言] 次回‼︎イカの刺身って美味しいよね‼︎‼︎
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