第49話 『イベントが多すぎる理由』
店長が休憩室から立ち上がり、軽く伸びをしてドアへ向かう。
「じゃ、また後で」
そう言い残して、扉を開けて出て行った。
残されたのは、カイン、一二三先輩、そして藤咲さんの三人だけ。
しばしの沈黙の後、一二三先輩が腕を組みながら口を開いた。
「さて……状況を整理しようか。この世界には、扉の向こうからやって来た“転生者”が多数いる」
「しかも――このコンビニで働いてる人は、全員転生者だ」
「客にも転生者が混ざってる。ここまでは、いいよね?」
カインは眉をひそめた。
「マテ、それじゃあ……ヒナタさんも転生者ってことか?」
「確かに」一二三先輩が頷く。
藤咲さんは少し考えてから、
「特に……思い当たる節はない、かも」と小さく答えた。
一二三先輩は続きを話す。
「転生者はね、自然に魔力を放出してしまったり、知らないうちに魔法を作っちゃったりするんだ。この世界では魔力の回復手段がないから、魔力枯渇を起こすことがある」
「……そのためには、異世界の食材を摂取しないといけない」
カインが片眉を上げる。
「それで異世界に行って食材を調達する必要がある、ってわけか」
「そう。そして――そういう人たちは自然と、このコンビニに引き寄せられてくるらしい」
カインは小さく笑った。
「やっぱりな……このコンビニ、前々から怪しいと思ってた。コンビニなのにタイムセールがあったり、特殊な期間限定イベントが多すぎる」




