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祝福されたテイマーは優しい夢をみる【2巻発売中】  作者: はにか えむ


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89.魔法講座

 エルフの里から戻ってすぐ、僕らにブライトンさんとマリリンおばさんの魔法講座受講の案内が届いた。

 たった一日の参加だけど、普通ならすごい倍率らしい。

 七賢者の魔法講座だ、当然だろう。

 僕らは特別枠で参加させてくれるそうなので感謝しないと。

 

 皆で待ち合わせをしておばさん達の拠点に向かう。

 向かうのは魔女の家と呼ばれる宿泊施設だ。ここでは『魔法使い』と『魔女』のジョブを持つ人達が集まって暮らしたり勉強したりしている。寄宿学校のようなものらしい。

 ジョブ持ち同士で集まることで不当に魔法使い達の力を利用できないようにする目的もあるそうだ。

 複数人の魔法使いが集まると、数人で軍隊に匹敵する力があるからね。迂闊に敵に回せないだろう。

 逆に魔法使いの犯罪者が出た時なんかも捕縛に動くらしい。

 今では魔法使い組合なんて呼ばれ方もされたりしている。

 

 待ち合わせ場所に着くと、何やら物憂げな顔をしたグレイスがいた。

「どうしたの?グレイス、元気ないね」

『グレイス、大丈夫?』

 シロがグレイスにすり寄る。モモがグレイスの腕の中に飛び込んだ。

「あ、ごめんなさい。大丈夫です。……講座が終わったらみんなに聞いて欲しい話があるんです。聞いてくれますか?」

 何やら僕達に相談したいことがあるらしい。

「勿論、何かあったなら相談に乗るよ」

「ありがとうございます」

 グレイスはモモを抱いてシロを撫でて、とりあえずは元気を取り戻したようだった。

 ナディア達も心配そうにグレイスを見ている。

「魔法講座、楽しみですね!」

 グレイスが話を逸らしたので、皆で楽しく話しながら魔女の家に向かう。

 

 魔女の家の前の広場に到着すると、そこには沢山の人がいた。

 みんな憧れの英雄に魔法を習えるからだろう、とてもキラキラした顔をしていた。

 ブライトンさんとマリリンおばさんが顔を出すと、広場は歓声に包まれた。

 他にもアシスタントの魔法使いの人達が居る。

「今日は魔法講座に足を運んでくれてありがとう。遠方から来ている人も居るからなるべく有意義な時間になるようにするわね」

 マリリンおばさんが挨拶をすると、みんな期待に満ちた目をしていた。

「まず回復魔法を習いたい人はこちら、攻撃魔法を習いたい人はこちらに移動してください。そこで五人程度のグループになってもらいます」

 ブライトンさんが指すと、みんなそれぞれ分かれ始めた。僕らは全員攻撃魔法だ。回復はアオが居るからね。

『むう……口惜しいの、回復魔法の講義に参加したかったの』

 アオが悔しそうに唸っている。今度マリリンおばさんの時間がある時に教えてもらおうかな。

 僕らは既にグループができているので、そのまま他のグループが決まるのを待った。

 

 それぞれのグループに手伝いの魔法使いの人達がついてくれた。ブライトンさんとマリリンおばさんは各グループを回って一人ずつ個人指導をしてくれるようだ。

 僕らのグループについてくれた魔女のお姉さんが、ブライトンさんが回ってくるまでの間魔法を見てくれる。

 お姉さんもかなりの魔法の使い手らしく、お手本の魔法は非の打ち所がなかった。

 

 一先ず実力を見るためにみんな魔法を使って見せる。お姉さんは僕達が魔法を使う様をじっと見ていた。 

「皆さん年齢の割に魔力操作技術が高いですね。自己身体強化魔法の使い手の方も居るようですが、それにしては魔法技術が高いです」

 メルヴィンは珍しく身体強化以外の魔法で褒められて嬉しそうだ。

「今日は魔力制御を重点的に学びましょう。皆さん少し魔法の無駄が多いので、そちらを克服する方がいいでしょう」

 お姉さんは魔力制御の練習に使う水晶を持ってきてくれた。魔力制御は初歩の初歩だから、だいたい身につけたら練習をやめてしまう人が多い。僕らも最近は魔力操作の練習ばかりになっていた。

 この水晶は魔力を流すとその魔力を乱してくる。僕が杖を買った時も杖との相性を見るために使っていたものだ。

 これを通して魔力をいかなる時も安定させられるように訓練するのだ。

 

 お姉さんの持ってきてくれた水晶は普通の物とは違った。普通の水晶の倍は魔力を乱してくる。僕らは必死で水晶と戦った。普通の魔法が苦手なメルヴィンだけは普通の水晶を使っているけど、こちらも苦戦しているようだ。

 お姉さんが一人一人にどのような訓練方法が合っているか教えてくれる。僕は頑張ればもっと魔力消費量を減らせるみたいで、水晶に魔力を流しすぎないことを意識して練習するといいと言われた。

 魔力消費量が減らせるのは嬉しい。僕は規模の大きい魔法が苦手だった。魔力がすぐに無くなってしまうのだ。その分規模の小さい魔法は得意だからあまり不便は感じていなかったけど、大きな魔法も使えるようになれるならなりたい。

 必死で練習していると僕らの番が来たみたいで、ブライトンさんがやって来た。

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