表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝福されたテイマーは優しい夢をみる【2巻発売中】  作者: はにか えむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/186

61.スーパーモデルアオ

 次の授業の放課後、僕はダレル君と一緒にダレル君の家に向かっていた。アオは今日までずっと上機嫌で楽しそうだった。

 お店の方じゃなくて、二階にある住宅の方に通されると、日当たりのいいサンルームに撮影の準備が整えられていた。

 

「初めまして、今日はよろしくお願いね」

 撮影機をいじりながらダレル君のお父さんは僕に挨拶してくれた。

 僕もあわてて挨拶を返す

「こちらこそ、今日はよろしくお願いします」

 ダレル君のお父さんはシロを見て言った。

「わあ、大きなウルフだな!シロ君だっけ?カッコイイな」

 事前に話を聞いていたところ、ダレル君のお父さんもテイマーらしい。スライムが三匹とキャット系の従魔が一匹居るんだそうだ。

 僕はキャット系の従魔を見たことがなかったので見てみたかった。

 どこにいるのかなとサンルームの日当たりのいい場所を見ると、スライム達と一緒に日向ぼっこしていた。

 ジャガー系の従魔より小さくて猫よりは少し大きくて可愛い。

 みんなで写真を撮ったら可愛いだろうな。

 

 見つめていたら起き上がって挨拶に来てくれた。アオ達も何事かを話しているようだ。

「お、早速仲良くなったね!よかったよ」

 ダレル君のお父さんはからりと笑うと、今日撮影する商品の準備を始める。

 可愛い新商品がいっぱいだった。モモがいつの間にか僕の肩に乗って商品を見つめている。今のモモはお母さんの作ったリボンを身につけているけど、欲しいのかな?

 日替わりでつければいいし、何か買ってあげても良いかもしれない。

「そのピンクラビットも可愛いね。少し小さいようだけど、まだ子供なのかな?それとも特殊個体かな」

 僕が特殊個体だと言うと、ダレル君のお父さんが目を見開いて驚いていた。


「モモちゃんはこれを付けてくれるかな?シロ君はこれで、アオちゃんはこっちね」

 僕は渡された商品をみんなに着けてやる。

 そして一匹ずつ写真を撮り始めた。撮影風景って面白いな。ダレル君は光の加減を調整するために、周りにある機材の角度調整を頑張っていた。

 アオは昨日まで鏡を見ながら可愛く見える角度なんかを計算して頑張っていた。ここまで本格的ならアオも納得する写真が撮れるだろう。

『次は私の番なの!』

 アオは軽やかに飛び跳ねるとポーズをとった。

 ダレルくんのお父さんがすかさず撮影機を操作する。

「アオちゃんは表情豊かだね。スライムとは思えないよ」

 褒められてアオは有頂天だ、可愛くウインクしたりちょっと縦に伸びてみたり、色々なバリエーションのポーズを決めている。凄いな、流石アオだ。

 ダレル君のお父さんは笑いながら沢山写真を撮っていた。

 

 次々に商品を付け替えて写真を撮ってゆく。数匹で固まって撮影することもあった。四匹のスライムでみんな別々の飾りをつけた写真は可愛かった。これは商品が売れるだろう。小さなモモがスライムとお揃いのリボンをつけたり、いつも通りシロの上に乗ったりして、撮影は進んだ。

 全員の集合写真も撮って、撮影は終了となった。

 

「いやー良かったよ、特にアオちゃんはすごいね。僕の従魔もスライムなのに、こんなに表情豊かな子がいるとは知らなかったよ」

 アオは得意げに胸を張っている。

「エリスくんの従魔はみんな凄いね。テイマーコンテストには出ないのかい?」

 ダレル君のお父さんの言葉に僕は首を傾げる。テイマーコンテストってなんだろう?

「ああ、エリス君は知らないんだ。毎年やってるんだよ、ちょっと待ってて」

 ダレル君が何か薄い冊子を持ってきた。

「これね、月間テイマーっていう雑誌を出してる団体が毎年やってる企画なんだけど。ほら、対抗戦の会場あったでしょう?あそこにテイマーが集まって、レースをしたり、可愛さを競ったりするんだよ。珍しい従魔が沢山見られるから、毎年行くんだ。優勝すると賞金も貰えるし、雑誌で特集されたりするんだよ」

 冊子を見てみると、確かに楽しそうなコンテストだ。アオが飛び跳ねて出たいとアピールしている。

『可愛さなら負けないの!絶対出るの!』

 シロもレースを見てしっぽを振っている。

『追いかけっこするの?楽しそう』

 コンテストに出るには出場料がかかるみたいだけど、そんなに高くない。楽しそうだな。出てみようかな。

「コンテストはもうすぐだから、出るなら早く受付しないと。最初に簡単な書類審査があるけど、レア種持ちのエリスなら間違いなく通ると思うから、急いで受付しよう」

 書類審査なんてものがあるのか。確かに人が集まりすぎても困るもんな。

「コンテストに出るのは仕事の宣伝のためって人が多いんだ。レースだと郵送関係とか、可愛さだとトリマー関係とかね。そういう人を優先的に通すために書類審査があるんだよ」

 ダレル君のお父さんが教えてくれた。なるほど。看板従魔とか、実際に働いている従魔に競わせることで地域活性化にもなるのか。

 

 その日はダレル君に教えて貰ってコンテストの受付用紙を記入して、報酬を受け取って帰った。数日後にはお店に写真が張り出されるらしい。楽しみだな。

 

ブックマークや評価をして下さると励みになります。

お気に召しましたらよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ