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激愛  作者: Lavia
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恋の試練 十話

「何騒いでいるの?千夏帰ってきた?」



玄関から毛皮のコートを着た母親が出てきた。



「どうしたの?」


千夏が母親の前に駆け寄って



「ママ うちこんたと結婚するからね。」



一瞬の沈黙が俺を緊張の絶頂に追いやった。



「何を言ってるの?気でも狂ったの?」



母親が俺を睨みつけた。



「あ…千夏さんとおつきあい…」まで言ったところで



千夏の頬が音を立てた。そしてそのまま吹っ飛ばされた。



「ママ~~おねーちゃん可哀そうだよ~」恵美が泣きだした。




「このバカ娘が、あれだけやめなさいって言ったわよね。

別れたって散々言ってたのに…嘘ついてたのね……

嘘までついて…あれはみんな私たちを騙す嘘だったの?」



俺は慌てて千夏を起こしに手を出したら



「触らないで!私たちの大事な娘よ。気安く触らないで!!」




「俺にとっても大事な人です。

一緒にこれからずっと生きていく約束をしています。」


俺はやっと言葉を言えた。




「何が・・・?千夏の将来はもう決まってるのよ。

将来の夢が叶って 少し人生になっとくしたところで

私たちの選んだ最高の夫を見つけてあげるって。

それがあなたじゃないことは もう決まってるでしょ。

千夏だけが女じゃないわ。あなたはあなたにふさわしい女の子がいるでしょ?」




「千夏 出かけるぞ。

用意しろ。」




「やだ 絶対に行かない。」




「千夏!!!」

父親が怒鳴った。



俺は千夏を抱き起こして 抱きしめた。



「千夏と結婚させてください。」俺はすがりつく千夏をしっかりと抱きしめた。




「なにを・・・バカなこと・・・

まだ何もできないのに 夢みたいなこと言って…」父親は千夏の腕をつかんだ。




力の強い父親に引っ張られて千夏は俺から離れそうになった。



俺は千夏をなんとか抱きしめて

「乱暴しないでください!!!」と叫んだ。



「俺は千夏の親だ。おまえに言われる筋合いは何もない。

手を離せ。今後一切千夏とは会わせない。」




「やだ!!こんたと引き離すんならうち 死ぬから!!

恨んで恨んで…ずっと恨んでやる!!」千夏はもう気が狂ったようになっていた。



「落ち着いて…からだによくないよ……」


俺は千夏の背中をとんとんと叩いた。



「俺の娘に気安く触るな!!」父親の拳が俺の頬にヒットして俺は雪の中に倒れた。




「こんた~~!!」千夏が叫ぶと 恵美も大泣きをした。


父親は千夏の腕をねじあげて ジャンバーのポケットから携帯をとり上げて

俺の目のまえで真っ二つに折った。



「パパ!!何すんのよ!!」千夏が抵抗すると今度は

千夏の頬を殴った。



千夏は吹っ飛んで雪の中に倒れた。



「とにかく帰ってくれ!!!」父親は俺を見て怒鳴った。



「痛い…痛いよ…こんた…助けて…」と泣きだした。




「なっち・・・」俺は立ちあがって駆け寄ろうとしたら

母親が千夏を抱き起こしに行った。



「こんた…痛いって……」俺の血の気はすーっとひきだした。



母親が千夏を抱えて動きが止まった。



「え・・・・ちょっと・・・・ちょっと…!!!」


いきなり半狂乱になった。




「どうしたんだ!?」父親がそばに駆け寄った。



「パパ…千夏…まさか…まさかよね……」



千夏が泣きじゃくりながら「私の赤ちゃん…痛いって…言ってるよ……」




両親は茫然としている。

恵美の泣き声と 千夏のうめき声




「なんて・・・?なんて言った?」父親は俺を見た。




「千夏は妊娠しています。俺の子供です。

6月に生まれます。だから俺たちを結婚させて下さい!!」


俺は大きな屋敷に向かって大声で叫んだ。



雪がまた・・・・振ってきた・・・・。

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