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全ての大人たちへ

全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。


https://book1.adouzi.eu.org/n7465gz/1/


分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。


まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。


よろしくお願いします。(* .ˬ.))





《登場人物》


 林堂 凜


 主人公。 小6、男。


 幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。

任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。


エヴァ


すももの母で、シングルマザー。ロシア人。スナックを経営していた。


すもも


主人公と同居することになった。眠そうな半眼と赤髪ロングが特徴の美少女。

北朝鮮・支配者一族と、ロシア人ダンサーの間に生まれ、富田林学園に軟禁されていた。



山田


ジャスミンが宿泊しているホテルのコンシェルジュ。

自衛隊秘密組織、『別班』を指揮する。


刈谷 麻美


山田の主治医。腕利きの外科医で、四〇過ぎの美女だが、酒飲みでポンコツ。


本部長


自衛隊・大阪本部長。山田より偉い。四〇過ぎに思えるが、もう少し若く見える。




黒沢二佐(目ん玉繋がり)


別班の隊長代理。本来の隊長である、山田が不在なため。


主人公達ごと、抹殺を企む。


源氏


別班隊員。



ほのか


すももと同じく、北朝鮮・支配者一族の血を引いている。学園に軟禁されていたが、逃走に成功、現在は、身を隠している。



ニセ・ほのか(温水 ぬくみず:抜くビッチ)


ものべに雇われた、役者。元々は、メグの事務所にいたが、素行が悪くて、退所。


ものべ


主人公たちの通う、私立・あおせ小学校の校長。

色々と間違っている、教育者。



梁 梨花リャン・リーファ 


 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。

民間軍事会社・イージス・システムの社長である、父を持つ。


香咲こうさき ナディア=マフディー


小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。


ジャスミン・マーカス


アメリカ人。小5。女。

スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。

紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。 



氷室 メグ


小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。


五代珠乃(タマ:店長)


小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。

朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。主人公が好き


 エディ・田中(五代)(ジョーカー)


 五代珠乃の、血の繋がらない父。犯罪組織、HAZEの創始者。北朝鮮の工作員。

 ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。




 マフディ=ヨシヒコ(パンサー)


 ナディアの父。パキスタン、バロチスタン地方の豪族。元、パキスタン特殊作戦群隊員。神の声が聞こえるギャンブラーでもある。


ジェーン

 

梁の相棒。伝説の工作員。主人公の父でもある。


キム

北の上級工作員。学園に於ける、影の責任者。


______


地名など


富田林学園(学園)

表向きは、韓国系財閥の経営する、小中高一貫校。実際は、北朝鮮が経営する、スパイ養成学校。


伽藍町

沖縄・那覇にある、家出した未成年達を受け入れる、違法な集落。






 こうやってソファで、膝枕してあげてると、年下の子をあやしてるみたいにサッカクする。

 


 午後8時前。


 窓の外でうるさく回っていた、救急車の赤色灯も、もういない

 

 アタシと本部長だけを残して、慌ただしく麻美の病院へと去った。

 


 麻美が、山田さんの安否どうこう以前に、


「ああああッ! 非番でも、サイレン聞こえるたびに、『うちには来んなよ⁉︎』ってつい、身構えるのに…… 自分が乗るだなんてッ!」


「なら、タクシーがわりに、乗ってくんなし⁉︎」


「また手術(仕事)かよォ!」


 って、頭を掻きむしってたの、メッチャ、リアルだったワ。


 医療現場あるある、なんだろうなあ。

 


 太ももから、伝わってくる体温。


 ドアにしっかり鍵を掛けてから、のろのろとアタシの隣に座るもんだから、自分の膝をペチペチしたら、転がってきてくれた。


 かわいい。


 顔を見られるのが、恥ずかしいんだな、ずっと手首で目を覆ったままだ。


 アタシは気にせず、そっとおでこにかかった髪を払い、ゆっくり撫で続けた。


 カーテン越し、窓から差し込む月の光。


 部屋の明かりは、間接照明だけだ。


 背丈をかせぐため、二つ折りにして、椅子に敷いてあった、唐草模様のざぶとんを足にのせてる本部長。


 そこからはみ出た膝から下は、淡い光に浮かんでる。


 今日、大事なことがわかった。


 大人って、がんばって大人のふりをしてるんだ。


 泣きたいことも我慢して、言いたいことも飲み込んで。


 心を込めて、髪を撫でつづける。


 ありがとう、ご苦労様って気持ちを込めて。


 伝わればいいな。


 アタシはポツリと呟いた。


「山田さん、大丈夫かな」


「……大丈夫だろ。麻美、腕だけはいいからな」


 さっき殴りかかってた相手なのに。


 距離感のない呼び方に、長い歴史を感じた。


 アタシが何かを聞く前に、小花が呟く。


「彼のことは聞かないでくれ…… これ以上、嫌われたくないんだ」


 アタシは、軽く驚いた。


「それ……麻美も言ってた。一体なんなの…… って、聞いちゃいけないのか」


 次の言葉でアタシは凍りつく。


「麻美から、昨晩メールが来たんだ。陸奥一佐の、健康状態に関してのな」


 混乱したのは、一瞬だった。


 血の気が下がり、声が震える。


「それって……」


「告げ口だよ。私がそれを読んだことを認めれば、処分せざるを得なくなる」


 息を吐いた。


 熱くて、重い、思い吐息。


「私は初めて、今の立場を恨んだ。同時に……」


 隠した目元から、涙が流れていくのを見て、アタシの視界もぼやけた。


 その時が来ただけだ。


 来るべき時が来ただけなんだ。


 ぽたぽたと、アタシの涙が、小花の手首とおでこに落ちた。


「私しかいないんだ、彼を止められるのは…… なのに」


 身を起こし、子供みたいに両手で顔を覆う。


「言えなかった…… 自分が卑怯者なのは、生まれた時から知ってたけど…… 死んじゃったら…… 私」


 背中をさすりながら、アタシは訊いた。


 聞きたくなかったけど。


「そんなに…… 悪いの?」


 返事は…… アタシを打ちのめすのに、充分だった。


「死んじゃう…… このままだと」


 ◇◇◇


 前までのアタシなら、ソッコー、病院に向かってたろうな。


 街灯に照らされた背中が振り返る。


「リーファ、本当にコンビニ弁当でいいのか?」


「……ん。食べにいく気分じゃないし、疲れたし。小花んち着いたら、シャワー借りて、さっさと寝たい」


「……そうか」


 小花は手に持ってる、コンビニ袋を、わざとらしく覗き込む。


「寝る気があるようには、見えんな…… こんなもの、飲むのか、子供のくせに」


 大量のお菓子の間に見える、モンピン(モンスターエナジーのピンク)を見て、顔をしかめる、小花。


「自分は500ミリ缶買っといて、そりゃないじゃん?」


 小花が顔を上げて笑った。


 弱々しい、月光に照らされた白い顔。泣き腫らした目が目立たなくて、ちょうどいい。


 お互い。


 肩を並べて歩きながら、小花が言った。


「父上、よく外泊を許したものだな?」


「知ってるだろうから、言うんだけど、みんなと中国に行ったよ……アタシだけ残していくの、心配してたし、 むしろ、安心してたけど?」


 アタシは、庁舎の近くに借りてる、小花のマンションに泊めてもらうことになった。


 お金に不自由してない、彼女が賃貸ってのが、意外だったけど、いつでも引っ越せるのが、メリットらしい。


 小花は、アタシが心配みたいだったし、アタシは、小花を一人にしたくなかった。


 学校は、凛や、メグたちと同じで、休暇扱いだ。


 さすが、物部校長、テキトーだワ。


 住宅街の切り取られた、夜空を見上げる。


 風は、もう涼しい。

 


 ……山田さんの再再手術のことは、考えない。


 別班を辞めることになるのも考えない。


 でも、小花がさっき言ってたセリフは頭を離れない。


 『リーファ。陸奥一佐…… 山田をお願い。キミにしか出来ないことだから』


 アタシは黙って頷いた。


 何も訊かなかった。



 だって……



 きっと、自分でも分かってたから。



 アタシのママのパパ……



 おじいちゃんを救えるのは、アタシだけだって。








【毎週火・木は更新お休みします】


(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。


深夜0時過ぎ、週五更新を目標にしてます。


宜しくお願いします!


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