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100日目~149日目。



100日目。

おーまいごっど。あの目玉め。謀ったな。

なぜあいつが、麗火がこの世界に居るんよ。目玉め。

もしかしてあれか? この世界に来て学んだ縁ってやつか。

アイツと俺を間違えたって、もしかして兄妹で間違えたってことだったのか。

麗火は俺と違って、元々主人公属性兼ね備えてるとしか思えないキャラだし。まぁ、理解は出来る。納得は出来ないが。

女の子を異世界召喚て。鬼畜かあの目玉。

何とかして早めに接触しなければ。


101日目。

この世界、本当に空に対する防衛網が軟過ぎる。簡単に警戒網に割り込めた。

そして久々に対面した我が妹。相変らずツンデレだった。俺はシスコン入ってるから別にいいんだけど。

したらば麗火、なんか勇者に目覚めてた。世界を救うって張り切ってた。なんという。すわ、あの目玉に洗脳されたか、とも思ったんだけど。なんだ、滅ぼされた村を目の当たりにしてしまったのだとか。怒りは判りやすい決定力になりますからね。問題はソレを誰かが促したッぽいと言うところなのですが。

おにぃも一緒に来てくれる? なんて問われて、危うく頷きそうになった。何せシスコンですから。

今回は断っておいた。なにも一緒に行動するだけが妹を助ける術ではあるまい。

というわけで、新たな行動目標も決まった。

とりあえずあと二ヶ月。この学校が冬休みに入るまでは、此処で修行して、冬休みに入ると同時に此処を旅立とう。影ながら妹を助けられる、格好いい兄ちゃんを目指してみようと思う。


102日目。

夢の中に自称女神が現れた。目玉の友達っていう一柱。ニースって名乗ってた。

彼女曰く、ツァリは別に偶々俺を巻き込んだわけではなくて、意図的に俺を狙って召喚したのだとか。

説明ついでに、封印されてた俺の記憶を開放したらしい。おかげでさっぱり消えてた封印の前後を思い出してしまった。

うぇ。何処の映画だよ、って感じの死に方。テロリストから拳銃を奪い取って、テロリスト射殺とか。

撃ち返されて、心臓撃たれて死んだ筈なのだ、俺は。

ニース曰く、俺がテロリストを殺して人質になっていた生徒を助けたのは、運命を覆した出来事だったのだとか云々。運命を覆す存在を英雄と呼ぶのだとか云々。

で、そんなかっくいー俺をそのまま逝かせるのを勿体無いと思ったツァリが、他の二柱に働きかけて、俺をこの世界に召喚したのだとか。要するに、俺はあの目玉に死の直前で助けられたらしい。

でもアイツ、そんなこと何も言わなかったんだけど、ってニースに聞いたら、「あの娘ツンデレだから」って


。神も使うのか、2ch用語。

礼を言っといてくれって頼んだら、「今度あの娘にあったら、名前で呼んであげて」って言われた。それって不敬じゃないんだろうか? よくわからんから頷いておいたが。

あと、俺がツァリのことを目玉と認識したのは、ツァリが俺のことをガン見してたかららしい。さすが神。ガン見のスケールが違うというか。



103日目。

取り敢えずは修行と貯蓄。そして装備の充実を狙う。

防具はマントが手に入ったし、服ももう少しいいのを探そうかと思う。武器だって、何時までもばあちゃんに貰った魔銃だけというのは心許ない。

魔銃を買い換えるなり、新たに武器を買い足すなりせにゃならん。

取り敢えずの目標は、「旅する街人」っぽい姿を脱却する事。



110日目

ふおおおおおおwww

シーファとサムがくっついた!!

事はシーファが他のクラスの男に告られたことから始まって、そこからサムが頑張った。

主にたきつけたのは俺。だってサムもシーファも両思い見え見えの癖にじれったい事この上なかったし。

まぁ、実際に頑張ったのはあの二人なのだ。祝福してる!!



113日目。

男の嫉妬ってのは見苦しいね。魔術科の馬鹿がシーファを誘拐しやがった。

サムは武術科の連中にのされてた。仕方が無いから俺がこっそりと奇襲を仕掛けてみた。

具体的に言うと、戦力の九割を再起不能にして、サムと馬鹿男との一騎打ちを演出してやったわけだ。

当然の如く勝利してくれるサム。治療しておいたとはいえ、キメるべき所でキメられる男ってのはやっぱり格好いいね。何時ものヘタレ具合が嘘みたいだ。

二人の恋に華を添える結果となった馬鹿男には、ちょっとだけ感謝してやろう。褒美に鼻で笑ってやった。


115日目。

くっつく二人がうっとおしくなって来た。

こいつら休み時間のたびにイチャイチャするんだもん。ちょっとマジ勘弁して。



117日目。

マントの改造を開始。これをロングコートにするつもりだ。

何せ布が矢鱈と余っているし、マントよりコートの方が身につけやすい。

第一、似合わないのだ。マントって。

幸い魔導工房でその手のマジックアイテムに対する知識は仕入れてある。依頼で仲良くなった工房の親方に教えてもらったり、学校でその方に詳しい先生に師事したりする。

術式解析も平行してやっている。いい感じだと思う。


118日目。

工房と学校を移動するのに、何気に労力がかかっている事に気付く。

俺は空を飛べるから特に問題は無いのだけれども、飛行を使えない人間には、工房と学校の往復は結構な労働になるようだ。

そこで、自転車、もしくは原チャリあたりを作れないかと画策中。

自転車は構想と草案を記述して工房に提出。原チャリの原動機部分を自室で考え中。

CADでもありゃ楽なんだろうなー。


119日目。

自転車のベルトと油圧ブレーキを考えている。

ベルトはどうした物か。ゴムで代用は……難しいなぁ。ギア比は無しでいいとして。歯車式にすると空転機構を組み込むのが厳しいしな。

油圧ブレーキは、一番近くにあるらしい賢者育成学校なるところに出向き、ベルヌーイの法則を伝えておいた。とりあえずのブレーキは勝手に作るとして、細かい原理は勝手に理解してくれる事だろう。


120日目。

久々に麗火と昼食を食べた。妹はツンデレだから、中々一緒に食事してくれない。でも、かといって完全に放置してしまうと段々機嫌が悪くなって、それでも放置するとちょっとションボリするのだ。そんな様も可愛いのだが、あんまり悲しそうな表情は見たくないので、ちょっと機嫌が悪い辺りで食事に誘った。

この世界、食事は割と良い。乳製品が多いけどさ。

後、何故かエレインが不機嫌そうだった。訓練で思い切りボコられた。何故に?


121日目。

改造中のマントの術式が解析できた。

これを完璧に転写できれば、少ない魔力で空を飛ぶマジックアイテムを製造可能になる。……のだが、残念ながら一面の上に多重構造に魔方陣を編みこむというのは、今の裁縫技術では難しいのだそうだ。出来ても相当な時間を書けた高コスト品だとか。記録に残していろんなところに保管してもらいはしたが、多分滅多に出回らないんだろうなぁ。

あ、術式の解析が終わった事で、いざ本格的に改造に入る。


122日目。

凄い速度で完成に向かっている。既に仮縫い。ちょっと大きめだが、動きには全く支障がない。

伝説の裁縫師なる人まで出張ってきてくれたとかで、明日には完成するとか言われた。

其方はもう完成を待つだけなので、俺は魔力式原動機の開発に打ち込むことにする。


123日目。

ひゃっほう。すげー。

仕立て上げたロングコート。保温性、通気性抜群。属性防御有り、対物対刃性能も高く、飛行性能をも兼ね備えた、葡萄色のロングコート。フード付。

完璧すぎる。

完璧すぎるのだけれども、今現在、原動機を開発する為の資料を探索中に転移魔術を発見して、其方の習得を急いでいる。

コートはそのうち実践テストするつもり。


124日目。

工房に出向く最中、ふとギルドに立ち寄ったら仕事が溜まってるとか言われた。いや、義務じゃないですよね?

雑務を引き受けてくれる人間は近隣住民のウケが良いのだとか。知らんがな。

とりあえずまたその内と誤魔化して、工房を訪れた。

思いついたというか、思い出したのだ。自転車に必要な機構。確か、クランクじゃなくて、ラチェット機構ってやつ。一報の方向にはツメがひっかかるものの、反対には引っかからないというの。

草稿を提出したら親方勝手に脳内補完してくれた。

くくく、これで自転車の後輪は完成する。後はベルトだな。もう面倒くさいので皮で代用。多少空転するかもだが、そこはベルトのウケの摩擦抗力を上げるように工夫して、何とかするしかないさ。


125日目

魔導式原動機を練ると共に、ギルドの雑務を受ける。

この時期に安い仕事を請けるのはなんかなぁ。

暫くは断るつもりだと伝えたら、ギルドの受付に泣きそうな顔をされた。

そんな顔されたって、俺だって自分の用事最優先だ。


127日目。

自転車が形になってきた。

まだちょっと危ないものの、俺ならば辛うじて乗りこなせられる程度の代物は仕上がった。このまま行けば、近いうちに自転車は完成するだろう。

タイヤが単純な木のわっかだったので、皮を巻いてちょっと振動吸収。腰掛にも皮をまいて、バネを仕込んでと色々企んだ。


129日目。

魔導式原動機は中々に難しい。

ちょっと暇つぶしに魔術を組み込んだスターリングエンジンを設計してみた。割と良い感じ。

でも低コストとはいえ、これも環境に負荷掛けるしな。やっぱり魔導式原動機の設計を優先する。

あ、試しに工房で作ってみてもらう事に。


130日目。

ついに自転車が完成した。イィィヤッホウ!!

とりあえず30台ほど生産してもらう事に。一台は自前で街中を乗り回して宣伝。他のは学校に寄付する事に。宣伝宣伝。

あ、利権は俺の物だが、利益は工房に流れるように調整してもらった。働かないでも金が入ってくる環境って嬉しいが、働かなきゃダメ人間になる自信がある。


132日目。

街中の人たちは自転車に興味を持ってくれているようだ。

量産態勢こそ整っていないが、機構自体はそう難しい物ではない。ぶっちゃけ、完成形を知っていれば、廃材を削ってでも短時間で作れる程度のものだ。原価は安く、それでいて割りと早くに出来る。

ソレとは別に、擬似魔術式エンジンが完成した。スターリングエンジンの奴だ。

試しに自転車に搭載してみたところ、徐々に加速して最後には手がつけられなくなった。諦めて放棄したところ、勝手に走って行って、走りながら燃えてしまった。さすがスターリングエンジン。勝手に回転し続けるとか、流石。制御機構入れ忘れたのはお茶目。


133日目。

諦めて魔術式原動機を設計する。

魔術式原動機の燃料は魔術なのだが、そのものに直接魔力を流すのでは、使用できるのが魔術師だけになってしまう。それに魔術師とて、戦場に急行して、原動機に魔力を使い果たしましたじゃ意味がいない。

此処は件の青水晶の出番だろう。魔力の蓄積装置。

でかいのを買うために、久々にギルドで仕事を請けた。近場の村でのオーク退治。

空爆したら簡単に殲滅できた。


134日目。

アニメみたいな錬金術でもありゃもう少し楽なんだろうがと思う。少なくとも俺はまだ出会ってない。

木製の魔力式原動機の試作品が完成。

でかいが、最高出力の回転数は凄まじく、また出力自体も安定していて、調整も効く。

あとはこの機構を小型化する事ができれば、自転車に組み込んで魔力式原動機付自転車の完成も近い。


135日目。

親方に試作品を見せたところ、小型化は可能だとのこと。まぁ、元が廃材をそのまま使って組んだだけの代物だしなぁ。

麗火と食事に行った。何故かパーティーの三人も同行してきた。


136日目。

魔力式原動機を組み込んだ自転車の試作機が完成した。

感触としては、モーター付の自転車っぽい。駆動がエンジンと違って静か。

速度の調整は魔力の伝導率を調整する事で、出力を弄ることによって行う。ギアボックスとか出来なくは無いが、其方はまだ研究中。暫くは出力の直接調整で行く。

あとはこれの量産なんだけど……何分、青水晶を組み込んだ所為で値段が跳ね上がった。

出資して三台ほど作らせて、一番最後に出来たのを一台貰っていく事に。残りのは試作品含め、学校に寄付しておいた。


137日目。

なんという事だ。転移魔術を習得してしまった。

移動手段が完成した翌日の事だから、もうなんとも言い様の無い。

因みに、移動限界は魔力によるのだが、俺の場合はほぼ無限。一度目視した場所にしか飛べないのだが、有効視界範囲内なら短距離転移が可能。

この瞬間、自転車やら原付の意義は消失した。


139日目。

パーティーのメンバーを誘ってツーリングに出る事に。

三人とも、俺のパーティーメンバーという事もあって、自転車には多く触れられるようになっていたおかげで、原付のほうにも簡単に対応できたようだ。

草原を原付で駆け抜ける爽快感は、実際に経験した人間にしかわからない感動があった。

エレインもシーファもサムも、其々感動していた。その様にちょっと感動した。


140日目。

ふと気付いたのだが、そろそろ既に一月を過ぎ、それどころか2月目の前半も終わろうとしている。

俺のやった事といえば、現代技術の持ち込みくらいか。修練ばっかりで実戦もご無沙汰だし。

学院の中にも、魔導書を読む以外では訪れていないような気がする。

うーむ。

ちょっと討伐系の依頼でも受けるかね。


142日目。

手持ちの魔術のレパートリが増えた事もあってか、魔物狩りはかなり効率が良い。

普通数人がかりの依頼を、俺一人でこなすのだ。報酬独り占め。うまうまだ。

といっても、訓練のために空爆は控えている。肉体強化して、接近戦、と言うのが主。

何分反射神経も良い俺だ。接近戦もある程度はこなせるのだ。


143日目。

なんていっていたら、痛い目に有った。

魔力・魔術の効かない魔物というのに初めて出くわしてしまった。

所謂ドラゴン。小型の、知能の低い奴ではあったものの、それでもアレは高い魔力耐性を持っていた。

おかげでおれの魔銃は殆ど効果を無効化されて、空中に逃げるも追いかけられ。かなりやばかった。

仕方ないので地属性の魔術で巨大な岩の槍を作り、ソレを折って強化し、つかんで空を飛んでドラゴンに投げつけ、漸く倒す事ができた。

何せ魔術で形成されたとはいえ、岩で出来た槍を直接ぶつけたのだ。ぶつかった事自体に魔力は関係していな


いし、これは立派な物理攻撃になる。

辛勝ながら、ドラゴン引きずってギルドに転移で帰ってきたら、周囲の冒険者にドラゴンキラーとか呼ばれてしまった。はて?


144日目。

工房がドラゴンの素材で新たな魔銃を作ってくれるのだとか。

何せドラゴンだ。龍属性だ。良い武器が作れるらしい。

わくてか。


145日目。

新しい魔銃を作るに当たって、少し珍しい素材を手に入れてきてほしいと頼まれた。

面倒くさいが、必要な代物は一箇所で手に入るとのこと。

渡されたリストを見てちょっと萎える。魔物の眼球て。


146日目。

ホワイトリンドブルムから北に進んだ洞窟。現在はそこの地下3階。

ちょっとした安全ポイントを発見したので、今日は此処に宿をとる事にした。

魔物は氷っぽいスライムとか、氷っぽいゴーレムとか。要するに氷属性の魔物がわんさか。

雹狼の眼球ってのが今回の目的。ついでに珍しそうな素材とかも回収しておく。


147日目。

雹狼ってのはバケモノか。物凄くでかい、氷のブレス吐く巨大な狼だった。

こっちは寒くて動きが鈍るのに、むこうは洒落にならない俊敏性でコッチを攻撃してくるのだ。障壁の魔術が無ければ、正直危なかったかもしれない。

まぁ、距離をとったところで、ファイヤーボール乱射して仕留めましたが。流石氷属性。炎が面白いように通る事。

眼球だけってのも勿体無いので、ツメとか皮とか骨とか、大量に剥ぎ取っていきました。

工房に売り付けたんだけど。どうなるんだろうかこの工房。


148日目。

幾つか武器が仕上がってきたらしい。

俺は基本的に魔銃だけの心算だったのだが、仕上がってきた中に竜骨のロングソードがあったのを見て一目惚れしてしまった。買いだ。

あと、腕甲とすね当て、胸当てを購入した。其々狩ったドラゴンの鱗とかツメで出来ている。

ドラゴンの素材というか死体を売った金に、少し足した程度で購入できた。良い買い物だ。

魔銃はまだ出来ない。


149日目。

出来上がった。正直、言葉も出ない。

竜骨を使っているだけでなく、鱗やら市場で買い込んだ希少金属も組み込まれていて、打撃に対する防御も出来たりと耐久性が既存の魔銃を大きく上回っていた。魔力の収束率も洒落にならない。さすが竜骨、ミスリルをも上回る魔力伝導性だとか。

魔力の充填には青水晶の上位品である赤水晶、その更に希少種である紫水晶を使用した。

かなり金が飛んでいったものの、試し撃ちして納得。凄く良い。


竜の軽防具セットに、空とぶロングコート。竜の魔銃と竜骨の剣。

移動手段には、魔導原動機付自転車と、装備品はほぼ完璧。

日数的にも、ついに旅立ちの日が近付いてきた。

準備は万全。残り日数は、学園生活を楽しみたいと思う。


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