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シュナイダー様は全く読めない人です

 初めての授業が終わりました!

 ですが、スターリング先生のお話を聞いて、ノートに書き取りするだけで、授業は終わりました。

 治癒魔法が出来るようになるのは、まだまだ先のようです。


 私とシュナイダー様は教室から出て、しばらく無言で歩いていましたが、

「あ、あの、授業が始まる前にしていた話の事ですけど・・・」

 と、私は切り出しました。

『殿下の事が好きなのではないのですか』

 と、シュナイダー様は言ったのです!

 何故、シュナイダー様がそんな事を言ったのか分からず、私が唖然としていますと、スターリング先生がやって来て、早く教室に入るよう言われましたので、途中になってしまったのです。

 実はスターリング先生は治癒魔法系の教科を担当しています。ですから、しょっちゅう、顔を合わせる事になりそうです。い、嫌だなんて思ってませんよ?

 

「ええ」

 シュナイダー様は頷きましたが、「すみません。変な事を聞いてしまって」

「いえ。・・・ちょっと驚きましたけど、あ、あの、まさか、ずっと、私がレオ様を好きだったなんて思ったりなんて・・・?」

 そんな事・・・ないですよね?

 ですが。

「そう思ってました」

 がーん。

「そ、そうですかー・・・」

 ・・・私、もちろん、アピールなんて一度もしませんでした。

 だから、私がシュナイダー様を好きだったなんて、シュナイダー様は考えもしなかったでしょう。

 ですが、まさか、レオ様を好きだと思われていたなんて・・・はぁ。

 私がじみーに落ち込んでいますと、

「・・・それで、殿下の事はどう思ってるんですか?」

 え?もう終わったんだと思ってましたが、違うのですか?


 私は戸惑いつつも、答える事にしました。

「え、えっと、レオ様のことは、あんまり男の人だと思ったことがなくて・・・」

「は?」

 シュナイダー様がきょとんとします。

「あ、もちろん、女の子だと思っていたわけではないですよ?ただ、私より綺麗な顔をしてますし、私より背が小さくて、華奢だったし・・・それに、レオ様って、私に対するスキンシップが過剰だったでしょう?だから、距離が近すぎたのか、恋愛対象として見たことなんて一度もないんですよ」

「・・・そうですか」

「そうなんですよー。私がレオ様を好きなんて、有り得ませんよ。何より恐れ多いですからね」

 と、言って、笑いました。


 ・・・ちょっと嘘をつきました。

 一度だけ、レオ様を男の人として、意識したことがあるんですよね。

 いつだったかと言いますと、あのプロポーズですよ!もちろん、レオ様の冗談でしたが、私、うっかり『はい』って、言っちゃうところだったんです!

 だって、あの時のレオ様はとっても素敵だったんです!だから、一瞬、どうかしてしまったんです!

 もし、『はい』なんて言っていたら、『こいつ、冗談を本気にしやがった』なんて、ドン引きされたに違いありません!

 レオ様の事ですから、今だにからかわれていたかもしれません!恥ずかしい目に遭うところでしたよ!


 あー、危なかったですー。と、今更ながら私が思っていますと、

「なら、殿下と、ローズマリー様でしたよね。その二人が結ばれても、カサンドラ様は平気なんですね?」

 と、シュナイダー様はまるで念を押すかのように言いました。

「はい!もちろん!平気どころか、飛んで喜びます!」

 と、私が言いますと、シュナイダー様は小さく笑って、

「飛ぶ必要はないと思いますが」

 と、言いますと、二度頷いて、「分かりました」

「よ、良かったです・・・」

 ・・・一応、安心しましたが、シュナイダー様が何を考えているか、全く分かりません。

「行きましょう。次の授業に遅れます」

「あ、は、はい」

 私は首を傾げつつも、シュナイダー様の後を追いました。

 次はリバーとルークと同じ土の属性の授業に参加です!いちいち教室移動をしなければならないんです!忙しいです!


 私が教室に戻りますと、

「カサンドラ様。行きますよ!」

 ルークが待ち構えてました。

「はい!」

 私が机の中から、新しいノートを出していますと、

「キャス」

 レオ様が話し掛けて来ました。

「はい?レオ様は次はなんの授業なんですか?あ、土だから、この色にしよう。・・・忙しいですよね。レオ様も早く行かないと!」

 レオ様とローズマリー様は選択授業を出来るだけ合わせるようです。レオ様は光の属性がないだけですから、合わせるのはそう難しいことではありません。

 昨日はお休みだったのですが、ローズマリー様は学園に来て、それぞれの教科のおおまかな説明をしてもらったようです。

 どの授業を選択するかは一昨日までに届け出ないといけませんでしたが、ローズマリー様はそれが出来ませんでしたので、今日一日の授業に関しては飛び込みになります。


「キャス。話がしたいんだ。一昨日の事、ちゃんと謝りたくて」

 と、レオ様は言いました。

「?謝りたくて?」

 私がきょとんとしていますと、

「レオンハルト様」

 ローズマリー様がレオ様に声を掛けます。「あの、そろそろ行かないと・・・」

「ああ。分かった」

 と、レオ様は答えました。

「じゃあ、レオ様。頑張って下さいね!」

 と、私は言いますと、「ルーク。ごめんなさい。行きましょう!」

「はいっ!」

 ルークと教室から出て行きました。


 廊下に出ますと、他の生徒の皆さんも走らないようにしながらも、急いで移動しています。

「キャス。ルーク。こっち!」

 リバーが手を振っています。「こっちから行った方が早いよ!」

「「分かった!」」

 と、私とルークは答えました。


 あー、何だかとても慌ただしい学園です! 

 魔法学園は体力も必要なんですね!お母様に言われて、走り込んでいて良かったです!



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